第4節 とりあい
あれから魔王は引退宣言をして、魔王城は騒がしくなっていたが後任の魔王が後を継ぎ程なく騒ぎは収まっていた。そして前魔王名前をフェリスと言うそうだが俺の所属する騎士団に
いりびたっていた。どうやら俺のことが気に入ったらしくやたらと俺の腕に抱き着いてくるのであった。しかし、抱き着かれたときにその大きな胸が腕にあたるのがどうも抵抗があり、
エリザには気に入らないそぶりをされ、エリザも対抗するようにその大きな胸を俺の腕に当ててくるのであった。騎士団には女性もいるが男性が多めであった。男性騎士団員からしたら
うらやましいの一言であるだろう。なにせ絶世の美女二人から言いよられて胸をあてられてるんだから。男性騎士団員から嫉妬の目線を浴びているのも感じるのであった。
「フェリス!エルにくっつくのやめなさいよ!」
「なにをいっているのだ?お主だって主様にひっついているではないか?」
「それはエルがフェリスに取られないようにしてるだけ!エルは私のものなの!」
「ほぉ。主様はエリザのものというのはおかしいぞ?主様はまだエリザに告白していないのであろ?」
「それはそうだけど・・・・。でも私のものなの!絶対フェリスにはあげないんだから!」
俺は二人の会話を聞いていて話に入ったのである。
「おいおい。二人とも喧嘩するなよ。」
「なに言ってるのよエル!どっちとるのよ?!私とフェリスどっちが好みなの?!」
「そうじゃぞ主様。私とエリザどっちをとるんじゃ?」
「おいおい・・・いきなり何言ってるんだよ。そういう問題じゃないだろ?」
「そういう問題なの!わかってる?!エルがはっきりしないからこういう状況になってるんじゃない?!」
俺は個人的にはエリザを取るつもりではいるが、フェリスも女性としては好みなのであった。どっちをとるとかいう究極の選択を迫られてもこまるのであった。
「とにかく!二人とも俺は二人とも好みだし!どっちを取るつもりもない!はっきりいうけど二人とも俺好みなんだよ?!わかるか?!」
「ほぉ。主様はハーレムをご所望というわけかそれも悪くはないな?どうじゃエリザよ?」
「ハーレムとかふしだらすぎ!エルにそんな趣味あると思わなかった!でもエルがどっちとも選べないっていうならしかたないけど・・・・・。」
「エリザ、俺ハーレムとかそういうの抜きで二人とも好みだから選べないだけ。別に好意を持ってくれてる女性を振るなんて俺にはできないってこと。」
たしかにこの世界では一夫多妻という思想は存在しており、貴族は一人の女性だけではなく複数の女性と結婚していることが多かった。
「エルがそういうならしかたないわね。フェリス抜け駆けはなしだからね?」
「わかっておる。主様が平等に扱いたいというならそれに同意せざるおえないだろう。」
「わかってくれてよかったよ。」
しかし、男性騎士団員からはあいかわらず嫉妬と冷ややかな視線をむけられていたのであった。