第1章 異世界転生をした結果 第1節 転生
これは前世での俺の記憶である。ベットの横になり、老衰でもうすぐ死を迎えようとしていたころの記憶である。
「私は年老いた・・・・あとはお前たちにまかせるぞ。」
「何をおっしゃいます!まだ陛下には生きていてほしいのです!どうか死なないでください!」
「人間には寿命というものがある・・・その時が来たのだ。」
「陛下!あなた様がいなくてはこの国は成り立ちません!まだまだ陛下のお力が必要なのです!」
「大丈夫だ・・・我が息子たちは私の力を引き継いでいる・・・あとは若い者の力で未来を照らしだすのだ。」
こうして俺の前世での記憶にはそのまま息を引き取った記憶があった。
「英雄王よ。私の声が聞こえますか?」
「誰ですか?」
「私は転生を司る女神です。あなたの力が必要な世界があります。どうかあなたの力でその世界を救ってほしいのです。」
「私の力が必要な世界・・・しかし、私はもう国を背負って生きていくことに・・・責任を抱えることに疲れ果てました。」
「大丈夫です。あなたは国を背負って生きていく人生は送りません。転生したらあなたはその力を隠したまま生きていくといいでしょう。必要な時だけ力をふるいなさい。」
「必要な時だけ・・・。」
「そうです。大切なものだけを守るために力をふるうのです。」
「大切なものを守るために・・・・・」
「そうです。それをあなたは次の世界でいかして大切な人たちを守ることだけに使いなさい。」
「できるでしょうか?」
「できます。あなたには英雄という力を持っています。これは次の転生さきの世界では隠しとおせます。」
「わかりました。私の力がまた必要だというのであればその力をふるいましょう。」
「ありがとう。次の転生先はスキルレベルというものが存在します。あなたの英雄の力はそれにあてはまらず0として転生するでしょう。」
「スキルレベル?」
「スキルレベルというのは剣や魔法といったたぐいのものを強化したりする力のことです。英雄の力は規格外なのでどれにも当てはまらず0と判断されるでしょう。」
「力を隠して暮らしていくわけですね?」
「そうです。そのための英雄の力であり、守るもののために使い、力をふるうのです。さぁおいきなさい。あなたの新しい人生の幕開けです。」
こうして俺は転生した。転生先はとある有名な大貴族でスキルレベルの高い子供が生まれるのであった。転生先での俺の名前はエルニクス・フォン・アシュラー。
名門大貴族のアシュラー家に生まれたのであった。