何の解決にもならない朝に
何の解決にもならないというのに、朝が来ていた。
つまりこれは、何の解決にもならない朝だ。
昨日もそうだったし、その前も、その前も、何の解決にもならない朝が、私がこの世に生まれて以来、繰り返し繰り返しやって来ている。
恐らくこの朝も、その中のひとつだ。
つまり、何の解決もならないというのに、朝が来ていた、ということだ。
私はベッドから上体を起こし、しばしこのことについて考える。
すると、熟考の甲斐があって、何の解決にもならない朝が来たことに気付いた。
「愛しているよ、愛しているよ、愛しているよ」
私は一人囁く。
何の解決にもならない朝に、唯一のソリューションであるはずの愛を、空間に向かい囁く。