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018:異世界勇者は仕掛けを発動した。:

「はぁ!? 何故あんな古くさい玉ひとつ貸せないんだ!」


 叫ぶな叫ぶな流星。

 叫んでも何にも解決せんぞ?

 そうそこはちゃんと説明をしてじゃな。


「もういい! アネ、モネ。:『命令』だ。お前ら「アクエリアス」を盗ってこい。:」


 た、短気は良く無いと毎回申しておるじゃろが!

 こら! おーい流星。何処へ行くのじゃ。お前は勇者じゃろ。

 やっとる事みな魔王のような所業じゃぞ?

 ま、それはそれで見ていて面白いがの。


「俺も王宮へ行くからよ。ほら乗れよ」

「邪魔すんな! 通せ!」


 おい、今門番撥ねたぞ!

 あ、女官を人質に何しとる!?

 ああー!? 王子はまずいじゃろ流石に!?


「俺があのクソダンジョンぶっ潰してやるっていってんだよ! 邪魔すんじゃねーぇぇぇ!」


 あ、でもケツ狙いのクソ王子じゃったの其奴。ええぞ、ええぞ切ってしまえ、ちょん切ってしまって良いぞ!

 おおー! 逝った! 痛った!


「アネ、モネ行け! あのクソダンジョンの入り口から流すだけでいい! やった後は合図して退避だ」


 おっほ! 王宮内のバイクチェイスとは萌えるのぅ!

 そこで撥ねるはお前の子種狙いの王女とは!

 流星お前もうこの国戻れんぞ?


「は! 二度と戻るかこんな国! 死んでもな! 計画通りだっての!」


 おおー、シンクロ! シンクロしてるぞ儂!

 400%くらいかの?

 

「じゃあな! 俺を召喚しやがったクソ国。爆ぜて消えろ『ラーハ、カ、ポイノー:呪禁爆散:』」


 のわ!? 王城ごと自爆しおるとは! はは、たーまやーじゃな!

 それとも汚ねぇ花火だ、か? うむうむ、面白くてよかったぞ。

 しかし、随分溜め込んでおったのじゃな。

 召喚されてから15年。王国も随分良くしてくれてたと思うがの。

 宝剣「シャイニングブレード」や宝鎧「インビジブル」、その他にも王国の至宝のほとんどを流星に与えていたしな。

 あ、そうか。それ壊しちゃったものじゃから自棄になったのじゃな?

 儂、鋭いのぅ!


 さて、そろそろ流星はロードされておるかの?

 ん、まだか。このギフト全体的に時間が掛かるのが難点じゃな。

 まぁあの双子がダンジョンに着いて宝球を設置するのも計算に入っているのか。

 

 気長に待つかのぅ。


 

 ん? おお、復活かの。

 いつ見てもこのロードは綺麗じゃの。

 ふむ【空色に編まれた魔方陣が踊るように人型を形成していく】といった感じか。

 わ、儂もしかして詩人の才能もある!?

 て、天才じゃ!

 

「ふぅ、大体の準備は整ったって事かな? 時刻は、2時03分と。」


 そうじゃの、色々無理無茶しておったの。

 

「メモは、ある。計画は、変更、注意事項なし。アネモネの位置は『イ、ホイケ、マイ、イーア、アネ、モネ、イコウ:奴隷乃座標:』。うん、ダンジョンに近いな。いいぞ」


「そういえば、100万トンの水どのくらいで貯まるのかな? やべそれ確認してなかった。魔術師の:放流:が大体10トンくらいとして、流石に100人分くらいあるだろ、で1000トン。1分あたり1度として1000分、17時間くらいか? とりあえず最低1日、いけそうなら2日やってみるか」


 ふーんなかなか時間が掛かるの。面倒な作戦を立てよってからに。

 というかかなり杜撰じゃな? 本当に大丈夫かの?

 まぁ流星はこういう所なんとなく上手くいってしまうタイプじゃしな。ずっこいの!?

 ふん、でも羨ましくなんか無いぞい!

 時間が掛かるなら仕方あるまい、儂はこちらを掃除しておくかのう。ブイーンとな。


「ん、合図か。水の到達まで3時間半くらいと。タイマー210分開始」


 細かい所までよう計算するわい。

 もうちょっと掃除している時間がありそうじゃの。


「よし、『書斎』を起動する」


「よし水が来た。現在時刻7時02分。あとは眠気との戦いだな」


 あ、なるほど。周りの見えぬここからどうやって水確認するかと思えば手だけ出すのか。で、この姿勢で1日、2日と。

 うわこいつホント良くやるのう。

 儂なら暇すぎてまずやらん作戦じゃな。

 ふぁー飽きてきたぞ。

 なにやら起こらぬものかのぅ。


 お? 中層のゴーレム共がやってきおった。

 ふははは、無駄なことを!

 魔王すら手出しのできぬ『絶対領域』ぞ?

 そんなただの鉄の矢や連撃、突進が効くものかよ!


 あっはっはっは。自滅していきよるわ!


 んむむむ、足掻きを見るのは愉しいがこうもたんたんの無表情だと面白みも半減じゃの。

 もう少し、もう少しスパイスが欲しい所よな。


 ん? んんん!? あれは金色ゴーレムではないか!

 あのドラゴンから生還するとはやるのう!

 ほほほ! 意外な良き展開じゃて! 燃えぇぇぇ!

 

 此奴の足掻きはどんなもんかのう? 楽しみじゃ!

 ほれほれ! 其方の力見せてみい!


 っておほ!? まずは別ルートを作ろうとは。

 中々にクレバーじゃて。ま、無駄じゃがの。

 すでにこの階段全体がセーブポイントにより星と刻に刻まれている状態なのじゃ。はっはー!


 してどうするのじゃ? まさか諦めはしないよなぁ!?

 よし、どーんとやるのじゃ!

 ほれ、頑張れ!


 まずはパンチ?

 ぷふー! 拳割れとるでは無いか。

 しかもあの顔!


 ええの、ええの!

 で? 次はキック。

 ふはー! 足砕けとる! ありゃあ痛いのう!

 叫びも良好じゃて。


 それでそれで?

 お次はなんじゃ!?

 頭突きか? 突進か? ヒップアタックとかどうじゃ?

 ケツは既に割れとるから問題ないぞい?

 パカッと割っとけ。


 は? 何じゃその妙ちくりんな構えは。色々笑わせよるのう。

 何じゃ!? その異様な魔力!?

 な、なんという魔力の濃さじゃ。

 こんなの見たこと――――


「ん? なんだ?」


 は。

 は?

 はぁ?

 はぁぁぁぁあああん!?

 なんじゃこれは!?

 何がおこっとる?

 ズレた?

 は?

 ま、まてまてまて!

 ちょっ!


「揺れてる? この『書斎』が?」


 待てと言っておろうに! 

 こ、こんな事が有り得るのじゃろうか?

 か、考える時間を。

 やめ、やめい!

 ひぃ!?

 

「一体何が、起こってるんだ? 確かにこんな圧力が掛かる事はやったことは無いが、まさか限界があるのか?」








「――3時間経過。断続的な揺れがまだ続くと。とりあえず壊れなそうだから大丈夫か?」


 どれだけ、どれだけ撃つのじゃ。

 まさか此奴、セーブポイントより外に出すつもり?

 確か、流星の実験だとセーブポイントから5mまでが『書斎』の有効範囲だったはずじゃが。

 もう3mはズレとる。限界はどこじゃ?

 外へ出てしまったらどうなる?

 どうなるんじゃ?

 解らん。知らぬ。これは、『書斎』は『源流』に纏わる理じゃ。

 こ、理が壊われる? 星や刻すら砕くと?

 いや、そんなことが、そんな御業がこの世の存在に可能なものか?


 あ、た、倒れた。

 倒れよった!


「ん、ようやく収まったか? なんだったんだ?」


 は、はははそうよな。

 この世の存在が出来るわけないんじゃ。

 両の手は無くなり、全身拉げボロくずの鉄くずゴーレムじゃ!

 

 うむうむ、ここに至っては面白いショーであった!

 この恐、いやドキドキ感、癖になりそうじゃ。

 褒めて遣わす!

 儂に褒められて逝くがいい!

 光栄じゃろ?

 

 は? なんじゃあの全身鎧は? いつから居よった?

 いや、ふーふーとか見せつけとんじゃないわ!

 というかあのゴーレム生きておったのじゃな。

 どれだけ頑丈なんじゃ。

 

 あ、あれはギフト? バイクのギフトじゃと? なんじゃそれは! 良く見せい!

 消えよった。 存在ごと別空間に移動可能な能力?

 まぁ一人しか乗れんようじゃし大した事なかろ。



 ん? あ、おい。何立ってるんじゃ。

 おま、もう手は無いんじゃろ?

 今更何をしようと、

 ――おい!?

 待て、何を助走をとっているんじゃ!?

 け、蹴り? 蹴りの方が3倍強いって、そりゃただ筋肉量が腕の3倍あるだけじゃ!

 結果なんて変わらん!


 おい!


「うわぁぁぁぁぁ!?」


 どわわわわわわわわわわわわわ!?

 ちょ、『書斎』が廻っておる!?

 グルグル廻っておるよ!? これ!?


 ぬ、抜けてしもうた!

 栓が抜けよった!

 ぬわ、流されておる!

 ちょ、どこまで流れ、うわ、うわわわわぁぁぁ!?




 ピロン♪

 :異世界勇者のリュウセーは気を失った。:


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