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はじめに
一九九○年にバブル経済が崩壊すると、それまで好調だった日本経済の道先に暗雲が立ち込めた。徐々に株価は値下がりし、投機熱は急速に冷え込み、社会全体から明るさが消えていった。また九三年からは、先のオイルショック後のように内定が取り消されたり、そもそも職に就けない若者が急増。「大学は卒業したけれど・・・」の時代の再来となり、出鼻をくじかれたかたちの学生達はその後長きにわたって仕事にありつけなかった。この現象をリクルート社の雑誌就職ジャーナルは「就職氷河期」と名付けて一般化。後に高齢化した彼らは就職氷河期世代として呼ばれるようになり、今なお高齢化した彼らに対する処遇をどのように対応するか、また時間と共に高齢化して破綻する彼らをどう対処するかは今なお社会問題となっている。