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真実を語る
あれは俺が妹を避け続けていた頃だ。
「何勝手に俺の部屋に入ってんだよ!」
俺は妹のことを傷つけてしまった事は言う前から知っていた。
いや、だから言った。
妹は「ご、ごめんね」
と、か弱い声で自室へ戻る。
…俺は『妹を甘やかし過ぎた』なんて建前を言っていたがそれは違う。
…俺は妹を傷つけることに快感を得ていたんだ。
皆寝静まった夜のこと。
俺は自分の机の引き出しにあるアルバムの1つを手馴れた手つきで開く。
それは妹の学校での授業を受ける様子や、
家に帰る時、学校へ行く時の様子、等が写真に映されている。
その中の最新のページの1つの写真を手に取る。
12月19日。妹が授業に涙を浮かべている写真。
これは今日俺が撮った1番のお気に入りだ。
俺の妹は可愛い、愛しい、美しい、綺麗だ、
好きだ。
このアルバムは俺の妹への「愛の形」だ。
そして次の日。
授業中に妹の担任から『妹が倒れた』ことを知った。
俺は全身総毛立った。
恐怖や不安とは違う感覚。
多分、おそらくこれは
『快感』と言うやつだ。