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変わる世界・・・変わらない君・・・

作者: 黒岩虎吾郎

 今日は体調不良で会社を休んでいました。

 そしてベットの中で夢うつつの中にあったのですが・・・そこで変な小説を描いてしまいました。せっかくなのでそのプロットというか設定に近いモノを短編にしてあげてみました。

 本編については、この後に変貌した世界を二人が探検していく内容となります。

 西暦25**人類は3度目の大戦を経験した後の絶頂と緩やかな退廃の中にあった。



 西日本、某県、某箇所・・・

 その街は微妙な位置付けであった。都市部からは離れている。かといって田舎かといえばそうではなく、それなりの時間で都市部へアクセスができる。便利とも言い難いが必要なものは一通りあるので不便とはいえない。

 出ていくもの多いが帰ってくる者も多い・・・普通といえば普通である・・・


 そんな街の住居の中で一人の男が目を覚ました。

 都市のころは40歳前、身長は平均ぐらいだが肩と胸の筋肉の張りは男が鍛えられた存在である事を示していた。


 男は起きると共に窓をあけて窓の外の死体(・・)を確認した。

「腐敗している様子は無し、身体の一部については消失・・・」

 男は熱心に独り言をつぶやきながら自身の考えを整理しつつノートに記載を行っていた。


 ノートの記載は

1日目 30~40歳の女性と思われる死体を発見

    死因は出血多量もしくはショック死と推定される。

    体には噛み傷及び引っかき傷があり内臓は持ちされている。

2日目 周辺に飛び散った血へ透明な年金のようなモノをタカっている事を目視確認

3日目 死体へひかれてやってきた、謎の動物に銃撃を加える。

    銃撃後動物は黒いヘドロ状の物体となった後に消失、爪と石が残ったので回収

4日目 ・・・


 男は身支度を整えた後に家の中の別の寝室に入った。

 その部屋の入り口は異様であった。鉄を張り付けた重厚な扉に3重の鍵、部屋の中のまでは中から鉄格子で補強されている。壁も外からはわからないが内側には補強が保護こされており、シェルターともいえるし監禁部屋ともいえる。

 寝室には歳の頃は中学生くらいと思われる少女が眠っていた。

 男は少女の布団をめくり脈を取り心臓の鼓動を確認した。男の感じた心臓の鼓動はいつも感じる異常なほどゆっくりなモノではなく少し早かった。

「起きているのか?」

 男は少女に声をかける。少女の眼が開き男に応える。

「今、起きたとこかな。」

 少女はゆっくりとベットより起き上がる。少女は混合されたなんとも言えない美しさを持っていた。華奢な死体に滑らかな黒髪、滑らかな造形の顔にクリクリをよく動く赤い目(・・・)・・・


「食事と風呂はどうする?」男は少女にといかける。

「まずは着替えかな、それと食事・・・お風呂は様子をみてかな。それと覗いたらダメをよ、お義父さん(・・・・・)。」

「子供の体には興味がない、それにそんな事をいう歳でないだろうお前は。」

「あら失礼ね、法律上はあなたと同じ年だけの医学上はピチピチの中学生よ、もちろん精神的にもね。」

 少女のいう事は事実であった。少女はここ200年ばかりで発生した奇病である。不死者症候群ヴァンパイアシンドロームにかかっていた。


 不死者症候群の特徴としては起きてこずに長い時間眠り続ける事にある。少女の場合は短くて3日、長い場合は1ヶ月にもわたる。そして、少し普通の生活をした後に再び眠る。

 不思議な事に眠っている間は仮死状態にあるらしく代謝はほとんど行われない。


「まあ、とにかく起きて身支度をしてくれ話したい事がある。」

「あら、あなたがそんな事いうなんて珍しいわね、少し拗ねちゃうかも。」

 その後も少女はなかなかベットから降りようとしない。男は少し困っていた。


「フフフ・・・困っているわね、少しヒントを上げます。眠り姫はなんで起きるのでしょうか?」

「ク・・・」

 男は軽く呻いたあと、少女の肩を抱き口付けをかわした。それはひどく背徳的な光景であった。


 男の中に去来するのは幼き日の少女の姿、中学生に上がる頃に一度、分かれ30歳を過ぎた時に再開したが彼女はすべてが幼いままであった。そして、男は彼女の父親である恩師より彼女の預けられたのである。


「あなたのそうやって困っている顔大好き。襲いたくなっちゃわない?禁断の密を今日も味わっちゃう?」

 少女は怪しく笑う。その笑顔は妖艶で退廃的であった。少女の法的立場はかなり判断が難しい状態である。通常の法律に照らしあわせば中年の女性。不死者特別法に照らしあわせると中学生となる。かといって普通の中学生のように暮らせるわけでもない・・・そのため男と少女は養子と養父という関係にて一般社会に適合して静かに暮らしている。


 男とて性欲がないわけではない、実際のところ禁断の蜜の味を知ってしまい、時としてどうしようもない衝動に身を震わす事も多い。

「何度も言うがそうも言ってられないのだ・・・俺の話を聞いてほしい。」

 少女は渋々と男の言葉に従い話を聞く事となった。男の話は本当に深刻でその話は長いものとなった・・・



 男が少女に語った内容は世界規模で突如として謎の生物が跋扈しだしたという事で、時には生きている人や動物までも異形の存在に変貌し社会は大混乱状態という事についてだ。

 抽象的に言えば二つの世界を重ねて無理やり混ぜ合わせたような状態で、男は街に残った豊富な資源を集めつつ少女が起きるのを待っていた。


「ねえ、他の人たちは何処へ行っちゃたのかな・・・」

「わからないが・・・いないのは確かだろう。死んだとしても死体も血もいつの間にか消えてしまう・・・その証拠に食料やモノが減っていない。」

 二人は黙りこんでしまった・・・ただ、社会の急激な変貌ぶりには驚かされる事がある。たとえばだがコンビニエンスストア。この時代のコンビニは自動人形(オートマタ)により運営されている。当然、オートマタの稼働には電力が必要で安全装置を兼ねて稼働時間は短くされており定期的な充電が必要だ。

 それ以前に社会が大混乱状態で電力供給を怪しい状態だがバッテリーが使わないと自動的に充電されるなどの常識外の出来事によりコンビニという仕組みが維持されているのである。

 少女には話さなかったが、コンビニで略奪しようとした人物がオートマタに殺害される場面を男は目撃している。民生用のオートマタに内臓武器が搭載されているのも謎だし、そんな危険なプログラムを組むはずもない・・・世界は変質してしまった。


「でも、まあいいか。すくなくともあなたは私のそばにいてくれるし・・・私はあなたのそばにいたい。あなたは世の中とは関わり合いを持ちたくない。win-winの関係だね。」

「まあな、俺は走りすぎて疲れてしまった。人生の落後者ともいえるし、隠者とか仙人ともいえる状態。だが、死にたくはない。」

 二人の握りあった手には信頼と親愛、妥協と退廃・・・複雑なものが絡みっていた。


 西暦25**年・・・後の歴史では魔禍と呼ばれたようになった現象にて世界は変質し変貌した。男と少女は世界に少なくない影響を与えるのだが・・・今は世界から取り残された小さな聖域で羽を休めている・・・

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