戦の結末
コルは馬上にて弓を構える。
その姿は様になっており死地にいるアレンが振り返ると
「相棒、良い目じゃねぇか!」
と一言だけ告げる。
一体このコルという少年はどのような男なのか、他の隊員と同じように大きな夢をもっているのであろうかとアレンは思った。
しかし、アレンは未だ死地におり大剣を振るい続けなければならない。
あちこちから雄叫びや悲鳴が上がっている様子から、どうやら斧の隊や槍の隊も激しくぶつかっているようであった。
アレンは目の前の敵に大剣を振るい続けると、敵兵の屍を一つまた一つと増やし続けている。
「シュード隊への道が拓いたわ!剣の隊よ!前方へ攻め込むわ!」
アレンの左後方にいたククル隊が援護に駆けつけようとしていた。
「おい!相棒!もうそろそろか!?」
後ろを振り返らずにアレンが問う。
「アレンさん!やりました!」
コルは馬上から敵隊長格であろう二つ角の男を射抜いていた。
敵兵がそのことに気付くまでに、そう時間はかからない。
隊長を失った重装騎兵達は動きを止め、このアケドニア連邦軍重装騎兵隊と銀翼傭兵団剣の隊の闘いが終わったことを悟った。
「おい、隊長さんよ。敵の大将の首は取った!コルだ、コルが第一功だぜ。勝鬨あげた方がいいんじゃねぇか?」
遅まきながらアレンとコルの元に辿り着いたククルにアレンが二つ角の兜を掲げながら告げるとククルが頷く。
「敵大将は討たれた!投降もしくは退散せよ、アケドニア連邦軍!大将を射抜いたのは銀翼傭兵団 剣の隊 コルだ!」
天幕で戦を見つめるエスカーが微笑みを見せた。