第7節「紅炎の王」
試合開始直後、最初に仕掛けたのは花乃の方だった。
「貫き通すは我が朱槍、何者もこの槍からは逃れられない! 今こそ呪いの槍の真髄みせてやる。呪詛の宿りし朱槍!」
花乃の手から放たれた朱槍は、一直線に咲葉へと向かう。
「黒白の双剣よ我が手に!干将・莫耶!」
咲葉は虚ろなる禁書目録から、二振りの剣を抜く。黒き陽剣干将、白き陰剣莫耶。二振りの剣を手に咲葉は朱槍へと駆け抜ける。
「全てを切り裂くは一振の双剣! 悪を断て、干将莫耶双破刃!」
紅と白の軌跡を残し、双剣は朱槍を切り裂いた。
「深淵より来たれり悪の根源よ、我が声を聞け!」
咲葉は足を止めることなく走り続け、呪文を詠唱しはじめる。花乃はその様子を確認し、更に呪詛の宿りし朱槍を作り出す。
「汝、求めるモノは我が手にあり。願わくばこの手にて叶えよう」
1度たりと止まることなく詠唱を続ける咲葉は、速度を高める。それと同時に咲葉の周囲に黒いモヤがかかる。
「汝の闇、この生命にて受け止めよう。全てはここに来たる。い出よ、闇に染まりし精霊!」
呪文が完成すると同時に咲葉の周囲にあったモヤが一部に集まり、ゲートを開いた。
『キシャャャャャャャャャャャャャャャャャャ!』
甲高い鳴き声が会場中に響き渡る。
深紅の双角、漆黒の身体、禍々しい翼、そして鮮血を思い立たせるような紅眼。
咲葉は悪魔を呼び出したのだ。
「これより始まるはただ一方的な殺戮だ。例外など存在しない」
その宣言が下されると、ディアボロスは花乃に大きな腕を叩きつける。
花乃が立っていた場所は粉々に砕け散っていたが、本人には当たっていない。
「焔を纏いし刀身は万物を切り裂く。天を断て、太陽の名を持つ聖剣」
ディアボロスの腕を避け、迫る花乃を横目に咲葉は一振の聖剣を抜き放つ。
「光り輝く刃は、加護を纏いしもの。精霊に託されし剣は何者にも砕けぬ。天空を穿て! エクス・カリバー!」
伝説の聖剣から放たれた一閃は全てを飲み込み、地表までも切り裂く。
直撃を喰らった花乃は地面で泡を吹いて倒れていた。
『試合終了!! まさかの展開にまりました! 優勝候補の1人花乃 燒斗選手、初戦敗退!』
今回もまた拙い文ですみませんでした。何かアドバイスがあれば教えてくださいお願い致します。
次回はメインキャラの設定紹介をします。