第6節「選抜戦開幕」
『さぁ、始まりました。異能学園戦争代表選手選抜戦! 今年は誰が代表選手にえらばれるのか!』
放送委員のアナウンスが会場に響き渡る。
『第一会場第1回戦は、前異能学園戦争順列5位、《紅炎の王》花乃 燒斗対《無垢なる女神》一秋 咲葉! 昨日、奥寺理事長と激闘を繰り広げた選手だァァァ!』
会場中の多くの生徒が歓声を上げた。
燒斗を見て熱い声援を送る者、咲葉を見て黄色い歓声を上げる者。多くの生徒が第一会場に集まっていた。
「《無垢なる女神》一秋 咲葉、俺はここに誓う! この戦いでお前を傷つけ付ずに勝利する。だから、俺と付き合ってくれ!!」
試合直前、突然の告白。
会場中から、黄色い歓声が上がる。
「ゴメン、無理」
咲葉の発したその言葉に、花乃は崩れ落ちた。それと同時に女子生徒からブーイングの嵐が巻き起こる。女子生徒の反応に咲葉は溜息をつく。
「俺、男だから」
その宣言に会場にいた全生徒から驚きの声が上がった。
『な、ななんと! さ、咲葉選手は男子生徒だったァァァ!? あ、あの噂は本当のことのようです!』
動揺した様子の司会。あまりの衝撃に硬直している花乃。ざわついている観客席。
咲葉は再度溜息をつく。
「花乃先輩、試合を始めましょう?」
「・・・でもいい」
「え?」
花乃が何かを呟いたが、咲葉にはそれが聞こえなかった。
「別に、可愛ければ『男の娘』でもいいんだァァァァァァァァァァ!!」
花乃の咆哮の様な叫びに咲葉は驚く。
「一秋 咲葉!! 俺は諦めない! 勝負だ!」
花乃 燒斗は異能魔装を形成する。
「如何なる焔も我が紅炎に勝ることは無い! これより始まるは一方的な攻撃なり。
我が力を見よ!何者にも劣らぬ爆炎!」
紅く猛々しい姿。二つ名の由来となったその姿に咲葉は笑みを浮かべる。
「全力で行くので、死ぬ気で守ってくださいね、先輩」
そう言って咲葉 は異能魔装を形成した。
「数多の魔術を喰らいし古の書よ、揺らぐ世界に秘められし禁術を解放せよ。今こそ我が血の盟約に従い姿を現せ、虚ろなる禁書黙録」
咲葉は魔導書を右手に構える。
『では、試合準備が整いましたのでこれより選抜戦第一試合を開始します。決闘開始!』