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第4節「血の守護」
自身の能力を最大限に引き出した咲葉は、瞬時に奥寺の背後を取る。
「宵桜流一刀術口伝、絶華繚乱!」
十の剣技からなる絶華繚乱。その一つ一つが左腕に巻き付いた大蛇の魔力によって、凄まじい威力を発揮する。
「一刀術九之太刀、八月」
一度の突きで、八つの斬撃を放つその技は防御魔法を砕き、人体を傷つけた。傷付けられ肉体から鮮血が飛び散る。
「狂気を呼び覚ませ、鮮血の盾」
「一刀術十之太刀、宵神楽」
奥寺が、鮮血で作った盾は咲葉の宵神楽を防ぎきった。
「残念だが、お前の負けだ。一秋」
静かなるその宣言に、会場にいた生徒達は身を震わせる。
「夢は儚きもの。狂い散れ、終わりを告げる歌」
「断絶せよ、絶対防御の盾」
瞬時に咲葉は防御魔法を発動する。だが、奥寺から放たれた技は、核兵器をも凌駕する程の火力を誇るモノ。小さな範囲に圧縮されたその技は、通常の数倍の威力を発揮した。防御魔法を破壊され、ダメージを食らった咲葉は意識を失いフィールドに倒れた。