降臨
眩く白い光…聖なる湖に降り立つ清やかな神。
「さて、早速街に繰り出しますかね」
権能は自由に使って良いとは言われているけれど、そこは旅の醍醐味、徒歩で移動する。
そもそも権能は極力使いたくはない
一般人として、生きてきたい
「記憶によると、1番近くにあるのは城壁に囲まれた都市…色々な街の中継地点、貿易の要か」
街の名はリルト。
テクテクと湖の上を歩く。
そういや、湖の上を歩くのは人ではないか…
いいや、解除…
ズボンという音とともに、体が水面に落ちる。
そりゃそうだ。
幸い水は綺麗なので、湯浴みということにしておこう。
★★
街まであと半分というところか。
森で暮らすのも良いかと思い始めていたが、それではこの世界に来た意味がなくなる。
「おや?近くで悲鳴…これも何かの縁(縁結びの神でもある私が言うんだから間違いありません)。
早速助けに行かなくては」
走り出す。
その悲鳴は1キロは先のもので、常人に聞こえるものではないし、その走り時速100キロは優に超える。
が、この神は、これでも人に合わせているつもりなのだ。
「あれは、少女と魔狼、赤い頭巾を被ってはおりませんが…このままだと少女が食べられることは必至!人として!そう、人として見過ごすわけにはいきません!相手は魔物、知性なき獣に慈悲はない!
神の命令魔狼よ、消え失せろ」
あ、権能…
まあ、良いや
見ると少女は傷だらけ、転んだのだろう
この辺りに危険はないようだし、回復だけさせて、私も去るべきだな。
それでは、
「弱きものに施しを(スビエクタ)」
これは、魔法だ。
権能ではない。
まあ、人間が使える、最上位のもので、全ての細胞を最善の数、質にする。
まあ、頭の回転も僅かに速くなるが、別に良いだろう
「神、様?ですか?」
少女が光に満ちた、目でこちらを見てくる
やり過ぎたかな