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グリモワール・オンライン  作者: 灰猫
第二章 ゴブリンの襲来
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土地屋と建築屋

マリルのキャラを大幅変更。

それでも、建築家であった。

 美味い料理の値段は高く設定されていたのか、宿泊料金の倍は高かった。つまりは、400コルも掛かったのである。

 宿を出てブラブラと歩いていると、見慣れないマークの看板が目に留まる。

「何の店だろう?」

 看板に掛れたマークは、地図の様に見える。昔の映画とかに出て来るスクロール状の地図だ。

 興味が湧いてしまったので、用もないが入店する。

「いらっしゃいませ!」

 威勢の良い挨拶だ。

「ここは何の店なんだ?」

 用があるかどうかは、何の店かで決まる。冷やかし半分で入ったのだから、用が無くても仕方がないのだが。

「んー、ウチは土地屋だよ。土地の売り買いは初めて?」

「…土地屋?」

 何とも言えないネーミングセンスである。しかし、現実の土地の購入を考えると、一つの店が土地の売買を取り仕切るやり方は手間が省けて良いかもしれない。

 まぁ、現実世界リアルでやろうとすれば、問題だとは思うけど。

「土地屋は、国から国民に販売の許可を出した土地の販売、不要になった土地をコルに換える買い取りを主な仕事にしているお店だよ。土地と言っても、町でお店を出すのに必要な町の一スペースとかだけどね」

「何だか、商業ギルドみたいな役割だな。店を出すのに、必ず土地の購入が必要なのか?」

 現実リアルの出店の話なんかだと、店舗になる建物を借りて商売を始めたり、土地の持ち主が別の人でそこに店を立てたりしていた人が大勢いた様に思う。

 店を出す人全員が大金を用意できる訳では無い。借金をして開店資金が精々と言うのは、そう珍しい事に思えない。

「絶対に必要って事もないけど、独り立ちするなら必要かな。出店なら商業ギルドが土地を買って、販売区画を作っているから、商業ギルドに料金を支払えば場所を借りられる」

 話を聞きながら、店内を軽く見やる。

 木造の床はまだ新しく、傷んでいる様には見えない。

「借り店舗って、店を借りて商売する人もいるみたいだね。詳しい事は、商業ギルドで聞いたら?」

「そうだな。と言っても今の所、店を出す気はない」

 店内は全体的に接褐色せっかっしょくでまとめられていて、落ち着きのある印象を受ける。

「何だ…アタイの喋り損か…」

 カウンターの向う側で、せっせと説明をしていた店員がうなだれている。

「で、アンタは土地は…持ってるみたいだね。売りに来たの?」

「…土地は手放す気はない」

 イベントの報酬で要求して於いて、いきなり売りに出したりしない。もし、売りに出したりしたら、国王から呼び出しをされかねない。

「じゃあ、何しに?」

「冷やかし?」

 『つい』本音が飛び出し、店員がジトーとした目で俺を見つめる。

「冗談だ……半分は」

「まぁ、良いけどね。土地屋は人が来る方が珍しいし」

「そうなのか?」

「ギルドが一度買った土地を、意味も無く手放すと思う?」

 なるほどな。

 日本でも家を買うのは、一生に一度の買い物と言うぐらいだ。土地となれば、使っていなくとも子供に相続させる。自分から売る人は、売りたい理由があるからだろう。

 この国はゲームの中にあるが、住民は生きている。しかも日本とは違い、モンスターの徘徊する世界だ。少しでも子供に財を残してやりたくもなるだろう。

「基本的に土地が売られるのは、厄介払いか持ち主の死亡で権利放棄されたものよ。多いのは冒険者ね」

「遺産の引継ぎはされないのか?」

「冒険者に子供がいる場合はそうね。でも子供がいるのに冒険者続ける人は、殆どいないわよ」

「ふむ」

 冒険者は、命懸けの職業だ。親が冒険者なら、その親が死ねば子供は孤児になってしまう。プレイヤーなら復活するけどな。

 あれ…結婚システムとかあるのかな?

「ああ、そうだ。土地に家を建てたいんだが、どうすればいい?」

 店員が何かを考える様に頭を傾ける。

「うーん、建築ならお姉ちゃんの専門なんだけど…いつ帰って「ただいまー!」きたね…」

「あれ、お客さん?」


                      ♪


「アタイが土地屋のマリエラ」

「ウチが建築屋のマリル」

「「二人合わせて、土地転がしの魔女!」」

「……帰っていいか?」

 先程の店員マリエラマリルが帰宅したかと思ったら、不自然なポーズと共に自己紹介を始めた。

 姉の方が何やらヒソヒソと耳打ちしていたので、主犯は姉のマリルだと思われる。

「あれー、宿主はんらは、こう言う挨拶が好きて聞いてんけどなぁ」

「乗ったアタイが言うのも変だけど、挨拶は基本が一番だよお姉ちゃん…」

 つき合わされたマリエラが、真っ白に燃え尽きている。

「二人は…双子か?」

「せや、ウチがお姉ちゃんなんやで!」

 元気いっぱいの宣言と共に脱力感に襲われる。あれ、バットステータス受けてないよな。うん、受けてない。 

「でも髪の色が違うな」

 マリルの髪が青なのに対して、マリエルは赤。顔の形や身長も、ほとんど同じように見えるのに不思議だ。まるで昔のゲームに出て来る2Pキャラみたいだな。

「ああ、これな。みんなウチらの事、見間違えるから染めてん。元は二人とも栗色やったんやで?」

「そんなことで、髪の色を?」

 俺の感性では髪の色を変えるのは、結構な抵抗感がある。

「まぁ、別に髪の色変えるぐらい何でもないねんけど。一々、名前間違えられてたら仕事にならんて」

「仕事を受けるのは、いつもこの店だからね。二人とも店にいると…ややこしいでしょ?」

「そうだな」

 同じ店に双子の姉妹がいて、それぞれが別の仕事をしている。二人の顔はそっくりで、知り合いにすら名前を間違えられる。

 なるほど、仕事に支障が出るな。

「そんで、ウチに用なんやろ?」

「ああ、そうだった。土地に家を建てたい」

 話し込んでしまったが、島に家を建てたいと思っていたので結果として丁度良かった。

「ええで、先ずは説明からやろな。家を建てる方法は大きく分けて二つ、一つは【建築】や【木工】【石工】スキルを使用した建築。スキル言うても手作業やで、んでもって『ハウスオーブ』を使った建築や」

「『ハウスオーブ』?」

 そう言えば、そんなアイテムを持っていた気がする。

「ちゃんと説明するから聞き。『ハウスオーブ』はアイテムの名前でな、これを使うと使った場所に家が建つんや」

「ん?」

 使った場所に家が?

「昔は数が多て、冒険者が野営に使つこう取ったらしいわ。何や言うっても『ハウスオーブ』の特徴は、普通の家と違ってモンスターを弾く結界やな」 

 野営に使用するという事は、キャンプで見かけるテントの様な物だろうか?

「結界と言うのは?」

「使う『ハウスオーブ』にもよるんやけど、建てた家の一定半径にモンスターが入ってこれんようになるんや。街にモンスターが入ってこないのは、この結界のお陰やな」

 町が安全地帯なのには、そんな理由があったのか、あれ?

「この間のゴブリンは、どうなんだ?」

 町が結界によって守られているのなら、ゴブリンの軍勢が町に迫って来ても怖くない。閉じこもって入れば、襲われる心配もない。ついでに言えば、フリーボスのような徘徊するボスモンスターも脅威ではない。

「あんなぁ、結界にも強度ちゅうもんがあるねんで?」

「ああ…」

 マリルの言には、納得できる。どんなに頑丈な城壁を築いた所で、強攻を受け続けたら直ぐに崩壊するだろう。それと同じように、モンスターに攻撃を受け続けては結界は持たないという事か。

「あないに仰山ぎょうさん来られたら、結界なんて直ぐに消し飛ぶ言うねん!」

 マリエラがそっと補足を入れる。

「『ハウスオーブ』の結界は、アイテム自身のランクによって範囲が決まるわ。大体、ランクが一つ上がる毎に一メートルってところかしら」

 国がハウスオーブで結界を張っているとしたら、そのランクはいか程になるのだろう。何となく、国の面積を調べたくなった。

「まぁ、オーブで盛り上がるのはもうええやろ。それで、どっちの建築にするんや」

「実は…『ハウスオーブ』を持っているんだが」

「何や、結局オーブか。ええやろ、先ずはランクやな」

「お茶、入れてきますね」

 二人のツインテール美少女と熱いお茶を飲みながら、自分の拠点となるマイホームの話を煮詰めていく。

 時々笑いに走るのは、関西弁口調の所為なのだろうか?

関西に住んだことは無いので、口調の違和感があれば教えてください。

でも、なんちゃって関西弁キャラに収まるかも?

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