表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
グリモワール・オンライン  作者: 灰猫
第二章 ゴブリンの襲来
74/168

最後の敵とイベントの終わり

明日、引っ越すことになりました。

ネット環境が整うまでの間、更新が途絶えますのでよろしくお願いします。

 ゴブリンデストラクターのHPバーは、砕け散った。

 外見的にも、その存在を確認できない。

「イベントがクリアにならない…?」

 イベントクエストの内容は、ゴブリンデストラクターの討伐であった筈だ。だが、討伐完了後にクエスト達成のインフォがない。

「グルグオッオ、ギギギグッゲッ。ジジルグッハ(まさか、ゴブリンデストラクターになっても外壁すら打ち壊せぬとはな…)」

「…なるほど。ゴブリンキングは健在だったか…」

 大将首がまだ残っているのにイベントが終わる訳もないか。

 しかし、何か喋っている様に見えるが。

「ジジズ、ゲルラ。(我が悲願もここまでか…)」

「…何が言いたい?」

「ゲルゴブッハ、ディディルロンゲハッゲ(人間には我らの言葉が通じぬのであったな)」

 ゴブリンキングは、空を見上げている。

 まだ何か策を残しているのだろうか、そういえばゴブリンキングがいる場所は。

「…武器を構えろ、無抵抗の相手を切るのは気分が悪い」

「グギルゴッハ、ギギルペッソ(まだ戦うと言うのか…そうか王として最後まで…)」

 ゴブリンキングが武器を構えたのを確認する。

 俺は設置していた土魔法・・・を発動させた。

「『ホールニードル』起動」

 ゴブリンデストラクターとの戦闘中に設置していた罠魔法だ。

 あの巨大なゴブリンデストラクターは、俺の召喚したゴーストと黒猫。もしくは、俺自身に気を取られていた為に、ほとんど移動を行わなかった。

 ゴブリンキングは、ゴブリンゾンビを集結させてゴブリンデストラクターを作った。ゴブリンキング一体が無事にゴブリンデストラクターから、開放されたとは考え難い。恐らくあれはパワードスーツを着るとか、ロボットに乗り込むような物なのだろう。

 そして、外に出た場所は倒されたゴブリンデストラクターの足元だった。

「…ホント、丁度良いところに出て来てくれた」

 突然足場が消えたゴブリンキングは、なす術もなく穴に落下した。

「グウ!?(何!?)」

 穴の下に敷き詰められた針の中に落ちていく。

「…まぁ、罠ってこういう物だよな…」

 ゴブリンキングのHPが、消滅すると同時に頭の中にインフォが響いた。


≪イベント『ゴブリンの襲来』の達成条件をクリアしました≫

≪これより、イベント『ゴブリンの襲来』を終了します。報酬は運営公式ページより確認してください≫

≪イベント『ゴブリンの襲来』最高難易度クリア特典として、クラン機能が開放されます。詳細は公式ページを確認してください≫

≪報酬の受け取りは、貢献ポイントランキングの順位。または貢献ポイントの獲得数で異なりますのでご注意ください≫

≪イベント『ゴブリンの襲来』に起きまして、沢山のプレイヤーの皆さま。参加ありがとうございました≫


 イベントの終了に伴い、関連するインフォメーションが大量に発信されている。

「イベントも終わりか…インフォ通り、公式ページで詳細を確認するかね?」

 フードを深くかぶり直し、城へと移動を開始する。

 城にたどり着くまでにある程度は、報酬を吟味する時間もあるだろう。


                      ♪

「では冒険者よ。そなたは何を望む?」

 俺は今、国王と呼ばれる髭を生やしたおっさんにこうべをたれている。

 どうしてこうなったのか。

 城に着いた所までは、何事もなかったのだ。

 ただ、遠巻きに眺めてくるプレイヤーはいたけどな。

 城門を潜った途端、警備隊長と遭遇して後ろに付いてくるように言われたのだ。

 そして、今に至る。

「は、望みでありますか?」

「然り、そなたはこの国を守るために尽力してくれた。儂は王故、そなたの働きに報いねばならぬ」

 まるで務めだから、仕方なく言葉を交わしていると言いたげだな。

「まだ決めかねていると言うのなら、後日でも構わぬが…」

「いえ、頂きたい物は決まっています」

 これは報酬の受け渡しをする為の演出なのだろう。

 肝心の報酬は、城に来るまでの間に決めてある。

「では何を望む」

 俺が望むのは周りの目に煩わされず、ゆっくりとした時間を過ごす事の出来る場所。

「…私が望むのは…」


                    ♪♪


「はぁ、終わった」

 国王との面談は、色々と疲れた。

 礼法とか分からないから、下手なことをしたら犯罪者プレイヤーとして投獄されていたかもしれないし。

「報酬も何とか貰えそうだし、何とかなったかな」

 今回、国王から貰う報酬は、貢献ポイントを変換して貰うギルドで受けたクエストの報酬になる。

 貢献ポイントランキングの順位報酬は、運営から別に送られてくるそうだ。

 イベントの報酬は大きく分けてこの二つになるのだが、俺としては経験値が荒稼ぎ出来たのが大きいと思っている。スキルのレベルもそうだが、種族と職業レベルが大幅に上昇させる事ができた。

 特に最後のボスモンスターの二連戦は、一気に4つもレベルが上がってしまった。

「またステータス操作しないとなー…明日で良いか」

 元々空腹度の追加もあったのだが、イベントのクリアで新しい機能が開放されるそうだから、またアップデートが行われるのではないだろうか。

 今日は、早めにログアウトしよう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ