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グリモワール・オンライン  作者: 灰猫
第二章 ゴブリンの襲来
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下準備

 オンラインゲームに於ける集団戦は、幾つかに分けられる。

 NPCの敵性勢力 (多数)との戦闘、クランやギルドの対抗戦を始めとしたプレイヤー同士の戦闘。そして、今回の様に強力なモンスターを討伐する場合などだ。

 俺がソロプレイを基本方針としているのは、人付き合いが不得手というのもあるが、武器の形状も関係している。

 パーティを組もうとすると、前衛が二人は欲しくなる。そうなると前衛同士で連携を取る必要が出てくる。しかし、大鎌では近接戦での連携が取り難い。以前組んだパーティでは、魔術師と二人で組んだパーティと杖を装備して後衛としての参加だった為、難しく連携を気にする必要がなかった。

 今回は、複数のプレイヤーと協力する必要がある。

「アリアの時より面倒だな…」

 『グリモワール・オンライン』絶望の象徴、隠滅のアリア。

 あのアリアより厄介な点は、デストラクターの能力に加えて、周りの状況が難易度を底上げしている所だ。

 ゴブリンゾンビの吸収を行うゴブリンデストラクター。もし【下僕召喚】のゴブリンゾンビを呼び出しても、吸収されて相手が強くなるだろだろう。魔装化使用後の攻撃で、カード化したゴブリンも倒された後にゾンビ化させられて、吸収しないとも限らない。

 そして、ゴブリンデストラクターは、アリアと比べると地面に接する面積が小さい。

 接近戦での攻撃は、場所の取り合いになる可能性が高い。

 まぁ、ただ殴られてくれるとは思えないけどな。

「グルグログラアァァ!!」

「あー、うるさい」

 ゾンビの吸収を終えたのか、外壁に向かって進み始めるデストラクター。

 クエストを張り出す掲示板には、ゴブリンデストラクターの討伐を求めるクエストが張り出されている。

 俺も他のプレイヤーと同様に張り出された後、直ぐにクエストを受けた。

 殆どのプレイヤーがクエストを受けた後、外壁の外へと戦いを挑みに行った。

 俺はと言うと、まだ戦闘に参加していない。

「どうやって戦うかなぁ…範囲魔法はプレイヤーを巻き込むだろうから、禁止。接近戦も場所どりが厳しい上に、俺の武器だと取り回しが難しい。魔法で後ろから、魔法攻撃かな?」

 新しいスキルを入手するのも手だ。

「スキル習得…一覧は」

 習得可能なスキルの一覧を表示する。

「ん…これ使えるかな?」

 目に留まったのは、補助系スキル【罠】だ。

 このスキルの効果は、スキルレベル×3%の罠に関する成功率、威力の上昇。

「【罠作成】もあるのか…」

 でも【罠作成】は要らない。

 習得するのは【罠】だけで十分だ。

「後は仕掛けを御覧じろってか?」

 まだ下準備が残ってはいるが、もう構想は出来上がっている。

 そう時間がかかる事も無いだろう。

 スキルを選んでいる内にゴブリンデストラクターが、次々にプレイヤーを光に変えていく。

「…よし、『ホールニードル』」

 戦場に足を踏み入れると魔法で、次々と罠を設置する。

 罠は魔法で作り出した物だその為、この罠は設置後に自分の意志で自由に起動が可能だ。

「不発の心配はないし、出番がなければ魔法を解除すれば良い。元が実態のない魔力なだけに、普通の罠に必要な素材が一切必要がない。単純にコスト面でも優秀だな」

 デストラクターの攻撃は単調だ。

 回避するのは簡単なのだが、攻撃に回るのは難しい。

 だから、周囲に罠を設置する事に決めた。

「グルゥゥアァァァ!!」

 ゴブリンデストラクターの外見はゴブリンゾンビを吸収した影響か、所々腐敗している様だ。

 腕を振り回す度に肉片の一部が、振り落とされる。

「っと…設置する罠はこれくらいで十分か?」

 出来る事なら、本体に直接罠を埋め込んでやりたい所なのだが、足以外を狙うのは難しいだろう。かと言って、足に仕掛けても有効なダメージを与えられるかどうか…。

「そうだ、足を壊せれば…」

 手持ちの魔法製トラップでは、直接足に仕掛けても破壊するまでには行かない。

「頭を捻る必要がありそうだな」

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