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グリモワール・オンライン  作者: 灰猫
第二章 ゴブリンの襲来
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イベントへの秘策?

 俺は今、城内の中庭で腕を組み掲示板を睨んでいる。

 誰にでも出来る様な単純な運搬クエストは、相応に貰えるポイントが少ない。

 武器製作の様な生産系のクエストは、レア度、品質、個数などで得られるポイントが決まっている様だ。

「…ふむ」

 鍛冶スキルで武器を作るにしても俺のスキルレベルでは、たいして数を揃えられないだろう。素材がどうなるのかも分からない。

 結局の所、討伐で稼ぐ方が確実な訳だ。

「…仕方ないか」

 何か他にポイントを得られる方法があるような気がするのだが、まったく思いつかない。

 このまま掲示板を睨んでもしょうがないから、外に出てゴブリンと戯れる事にする。


                     ♪


「ハァ」

 何体目かのゴブリンを切り捨て、ため息が漏れる。

「『サモン』『ダークピッド』」

 ゴブリンゾンビでMPを回復しつつ、連戦を図る。

「ギギギ!」

「ゴブリンナイト…5ポイント!」

 剣を構えて突っ込んできたゴブリンナイトを大鎌で切り伏せる。

 体制が崩れた所に、ゴブリンゾンビ達がゴブリンナイトに集まり攻撃を浴びせ続ける。ゴブリンナイトが光になって消滅するとポイントが追加された。

「…ナイトも弱くはない」

 ゴブリンは色々なジャンルで、多様化したモンスターだ。

 簡単に想像しただけでも人が着く事の出来る職業の数だけ、ゴブリンシリーズのモンスターも増える事だろう。

「ゴブリンキングも強いだろうしな…」

 ジェネラルゴブリンだけでもパーティを組む必要があるのだ。それよりも上位のゴブリンキングは、ちゃんとした連携が求められるだろう。

 ソロには厳しい話だ。

「それにしても、ゴブリン軍はどうして動かない?」

 イベントだからと言われればそれまでなの話なのだが、こういった軍事行動の様な組織的な行動には、何かしら理由がないと納得できない。

 性分なのだろうな。

「…軍が動かないのは、待機指示が出ているからだろう。でも何で…」

 ブツブツと独り言が口元から零れて行く。

 行かんな、集中して何か考え事を始めるとつい独り言を口走ってしまう。

「ギギギ!?」

「おっと!」

 危なかった…魔法か、鳴き声に気付けて良かった。

「火魔法か…まだ持ってなかったな」

 一応、所得可能スキルに火魔法はある。

 火力を求めるなら、思い付くのは火魔法だろうか。

 今まで取得していなかったのは、火魔法を取得する理由が無かったからだ。

「シッ!」

 大鎌で足を振り払い、ゴブリンゾンビに任せる。

「土魔法の時は、雷対策だったよな…」

 アレは確か、ラージラットとの戦いの時だったな。

「あの時は、警備隊が全員麻痺になって…あ」

 そうか、何も丁寧に一体一体相手にする必要はないんだ。

 試してみよう、ランキングを駆け上がる為に。

「…作ってみるか、広範囲魔法を!」

 そうと決まれば、安全な場所に移動しなければ。

 魔法を登録するには、時間が掛かるかもしれない。

 土魔法の時は、水気を吸い取らせるだけが目的だったから適当でも良かったが、今回は広範囲魔法の登録だ。余り適当な事は出来ない。

「邪魔だな…『ダークノア』」

 俺の持つ魔法に広範囲に威力を及ばせる魔法はない、精々が『ダークノア』『ウインドストーム』の範囲攻撃止まりなのだ。

 目指すのは広範囲、戦略級、戦術級魔法の登録である。

 倒しきれないゴブリン達は、召喚モンスターに任せて街の入り口に戻ろう。

「ふぅ、疲れた」

 追いかけて来たゴブリンを蹴散らして、街に戻る。

 自然に言葉が出る。

 適当に喫茶店にでも入ろう。

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