グランブルシリーズ
防具製作の依頼をして、早くも一日が経過した。
明日にはイベントが始まるので、そろそろ完成して欲しいところである。
「ん?」
手紙のアイコンが点滅している。
『アライン』のメール着信をしらせるアイコンとは違うアイコンなので、恐らくゲーム内メッセージの着信案内だろう。
「メッセージは…お、完成したか!」
どうやらウコン、サコンの双子が防具を完成させた様だ。
生産ギルドで待っているそうだ。
早速、防具を受け取りに行こう。
「おおい、ここじゃ!」
「あ、来たね待ってたよ」
生産ギルドの中に入ると直ぐに双子の姿が見えた。
「待ってたのか?」
「当然じゃ、出来立てを見せびらかしたかったからの!」
ウコンは直ぐにトレード申請を送ってくる。
申請を受理するとウインドウが視界に現れる。
「へぇ」
「どうじゃ!?」
「うちらの自信作よ!」
ウインドウに表示された装備の性能は、購入した旅人装備よりも数段上だった。
何しろランクが違う。
旅人の装備はランク1だったが、この装備はランク2なのだ。
グランブルアーマー 服 ランク2 耐久値1500 品質A-
体力+9 物理ダメージ減少 (微)
グランブルガントレット 腕 ランク2 耐久値1300 品質B+
筋力+5 体力+4 器用+3
グランブルレガース 足 ランク2 耐久値1500 品質A-
体力+5 器用+2 物理ダメージ減少 (微)
「物理ダメージ減少か…」
「うむ、ガントレットの方には付かんかったが、多分品質のせいだろう。A-に届かんかった」
「ガントレットは、大バサミを取り付けようと弄り過ぎたからね。結局関節に負担が掛かり過ぎるから、断念しちゃった」
腕に大バサミ?
頭に浮かんだのは、カマキリ人間。
切り裂いたり、突いたりするのには向いている気がするが、実際の腕でも無ければ使い辛い事だろう。
「それって使いこなせるのか?」
「慣れればなんとかって所かのう」
「うちは重くなって、素早い動きが出来なくなるから諦めた所もあるよ。ジンさんの戦闘スタイルの話を聞いていたからね」
「なるほど」
あの話を考慮して防具を作ってくれたわけか。
「幾らになる?」
「そうじゃの、素材は持ち込みでわしもマケると言ったからの。むー、2万コルでどうじゃ?」
「2万か…」
今の所持金は、約3万コル。
払えない金額ではない。
イベントが迫る中、より強い防具の更新は望むところだ。
まぁ、買ったばかりの旅人装備は勿体ないけど。
「よし、買った!」
「うむ、売った!」
その日はウコンともフレンド登録して別れた。
明日のイベントが始まるまでは、リアルで過ごすつもりだ。
明日には研究所にも顔を出さないと行けないだろう。
未使用の『リンクス』の件を相談しないとね。
「ログアウト」
イベントの開始は、午後からだ。
十分間に合うだろう。
 




