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グリモワール・オンライン  作者: 灰猫
第一章 正式版
39/168

突入

星球大賞に応募することにしました。

悪魔時点と武器事典が欲しいですね。


 夜の討伐戦に向けて買い物を済ませよう。

 街の住人に場所を聞き薬屋に向かう。

「いらっしゃい」

「おやじさん、ポーションあるかな?」

「ああ、最近は冒険者が増えて品薄なんだが、底を尽くほどじゃないな」

 プレイヤーの増加に伴って需要が増えたのだろう。

 それでも購入が抑えられているのは、回復アイテムの値段が原因だろう。


ポーション 道具 レア度1 品質C

 HPを20回復する。 価格500コル


マナポーション 道具 レア度1 品質C

 MPを15回復する。 価格800コル


「高いな…」

「冒険者は皆そう言う」

 ポーションを各5個ずつ購入しインベントリにしまう。

「まいど。アンタは文句も言わず買うんだな」

「んぅ?」

「いやな、最近この辺りに宿主が増えてな。中には暴れる奴もいてよ」

 オンラインである以上、色々な人がゲームをプレイしている。迷惑行為を当然の様に行うプレイヤーもいるのだ。

 そして、そのしっぺ返しは全プレイヤーが受ける事になる。

 βの巨大イカが例になるだろうか?

「色んな奴がいる。俺としては個を見て欲しいが…」

「まぁ、そうしたいんだがな。イメージてのは定着するからな、つい身構えちまう」

 それも仕方ないと言葉を残し、店を出る。

 まだ使用していない魔法もある事だし、外に出て軽く戦闘をする必要があるな。

「精々確認だけだから、街の近くで良いか…」

 門番に挨拶をすると外に出る。

「ステータス…あ、レベル上がってる」

 最後に戦闘をしたのは、おっさんの捕縛戦だ。

 多分、捕縛や捕獲でも経験値が入るようになっているのだろう。そんなクエストもあった訳だから、可能性は十分ある。

「確認は、ポイントを振ってからだな」


名前  ジン

性別  男

種族  夜郷族Lv2

職業  死霊使いLv2


HP  81

MP  64

筋力  20+10(30)

体力  16+3(19)

器用  20+1(21)

精神  16+6(22)

知力  20+5(25)

俊敏  15+1(16)

運   10


種族ポイント  0

スキルポイント 2


 魔法の応用力が幅広いので、MPが上がる知力と夜戦に備えて体力を少し上げた。

 精神でも良かったけど知力は魔法攻撃力が上がりそうなイメージだったので決めた。実際はMPの消費で変動するから、気休めだけど。

「さて、始めるか…」

 街の傍は海が近い事もあって、平原が続いている。

 真っ直ぐに奥へ進むと森がある。掲示板で調べたところ相応の難易度だそうだ。魔蜂の森に出たハチ型モンスターやクモ、ヘビなど種類も豊富な様だ。

 既に挑んでいるプレイヤーもちらほらいて、その人たちが情報を公開しているみたいだった。

「『召喚』『サモン』」

 敵に襲われる前に召喚を済ませる。

 下僕召喚のレベルが上がったお蔭で、二対のゴブリンゾンビを召喚できた。まだ種類は増えないが、数の制限がない下僕召喚は複数の召喚が魅力だ。

「…ゴブリンか、装備落とすかな…お前ら攻撃だ」

 召喚したモンスターに攻撃の指示を出すと別の魔法を発動する。

「『ダークピット!』」

 モンスターとの距離を開けて、魔法の準備に移る。

「『ウインドボール』」

 呪文を唱えると登録時のイメージ通りに、体の回りを透明なボールが動き回る。

 俺がイメージしたのは、陸上のハンマー投げである。

 自分を中心に風の球が回転を続け、接近したモンスターに叩きつける迎撃用の魔法だ。

「何となく場所がわかるな…でも、大鎌で戦うときはやり難いか…」


                      ♪


 早めの夕食を取り終え、集合場所の冒険者ギルドに向う。

 既に夕方を過ぎステータスも万全の状態になっている。

「待たせたか?」

「いや、時間的には問題は無い、作戦の説明は隊の者に既に伝えた後だ。君には移動しながら聞いてもらいたい」

「わかった」

「では、出立します」

 盗賊団のアジトは、国の下水道で確認されたそうだ。

 目撃情報から推測した場所は、正解だったという訳だ。

「下水道は建国当初から使用している為、街が広がるたびに増築を繰り返された。元が百年以上前の代物なだけに地図の欠損があり、全体の把握が出来てない」

「それこそ調査が必要だな」

「その通りだな。今回の様に利用されたのでは堪った物ではない」

 国が全体を把握できていないのに、盗賊はどうして知っていたんだろうか。隠れ家を探して偶然とも思えない。

 そもそも、本当に盗賊なのだろうか?

「今回は出入り口を警備隊で塞ぎ、少数精鋭で突入する。下水道は狭い場所があるので多くは入れない」

「わかった。アジトまでのルートは?」

「既に地図に書き記してある。地図通りに進むだけだ」

 地図がすり替えられていたら、罠に掛かるな。

 気になって聞いてみたら、今朝の少年が隊員の数名と共に調べたそうだ。その後、警備隊長が受け取り手放していないそうな。

「着いたぞ」

 到着した場所には、鉄格子で閉じられた真っ黒な穴が開いている。

 穴の中から水の音が聞こえる。

「中と繋がるのは此処だけか?」

「あと三か所あるが、アジトはここからが一番近い。他の出入り口にも隊員を詰めさせている」

「…行くか」

 乗り込む警備隊の面々と視線が合う。

「ああ、頼りにしている」

 鉄格子を開き、下水道の奥へと進んでいく。

 ランタンなどを用意できなかったが、警備隊の隊員が明かりを手に前を歩いている。

 しかし、中に入ってみてから余り暗く感じない。

 入る前暗く感じたのは、戦闘エリアとの境界であったためかもしれない。

 突入してから暗さに不自由を感じなかったのは、夜郷族の恩恵だろうか?

「こちらを右です」

「ああ」

 案内されるまま連れて行かれるのは、結構不安だな。

 戦闘エリアだし、足元には水。

 簡単に前後を挟み撃ちできる構造の道。

「この辺りです」

 不安要素を上げていると、いつの間にか着いたようで隊員が小声で声をかけた。

 見つからないように明かりを消して、接近を試みる。

 耳を澄ませると盗賊団のものなのか、宴会をしているような声が聞こえる。

「ったく、ヘンデモの奴おせぇな。新人冒険者一人殺すのにいつまでかかってんだ!」

「ボス、落ち着いてくだせぇ。あんな奴下っ端でしょうが」

 ヘンデモは俺が捕えたおっさんだっと、小声で警備隊長が教えてくれる。

「バカ野郎!」

 ボスと呼ばれた大男が、もう一人の男に酒瓶を投げつける。

「ヘンデモの奴はどうでもいい。だが、アジトがばれるとマズイだろうが!」

「す、すいやせんボス」

「ふん!!」

 ボスは、また不機嫌そうに酒を煽る。

「脱出口は見当たらない…」

「あったとしても、行かない訳には…」

「分かってる…行くぞ」

 それぞれ武器を抜くと顔を見合わせる。

 全員が頷くのを確認して、盗賊団のアジトに乗り込んだ。

「『ダークノア』」

 ダークノアは範囲攻撃が欲しくて、登録した魔法だ。

 発現する現象は波。ダメージを伴う黒い波が、範囲一杯に満たされる魔法である。

「て、敵だぁ!?」

「見張りは何してやがった!」

「今は調理係だ!」

 ダメージを与えた後は消えてしまうので、接近戦の邪魔にはならない。

「シッ」

 目についた盗賊を片っ端から切り捨てる。

 乱戦。

 警備隊と盗賊団の戦いは、数で勝る盗賊団が有利なように見える。

「これで少数なのかよ…『ダークランス!』」

 ダークピットでMPを維持するのも限度がある。

 ポーションは、ギリギリまで取ってきたい。

「チッ、しょうがねえな。『召喚』出て来いネズミ!!」

 ボスの声に従うように、ネズミがどこからともなく出現する。

「大きさは人並みか…『識別!』」


ラージラット 魔獣 レベル10 ランク3


「はぁー」

 一対一で戦えば、確実に負ける相手だ。

 だが今回は、一人でもないし手数も増やせる。

「そっちが先にやったんだから、文句も無いな。『召喚』『サモン』」

 ゴブリンゾンビ2体、黒猫1体を召喚する。 

「…行け」

 正直、戦力の追加としては考えていない。こいつ等は動き回って警備隊員の回復をさせるのだ。その為にゴブリンゾンビには、ポーションを持たせている。

 黒猫は遊撃に出て、盗賊に隙を作らせる。

 警備隊長の方は、ボスとの一騎打ちを演じている。援護したいが、イベント扱いの様だ。

 装備を杖に変えて呪文を唱える。

「『ウインドボール』『ダークランス』『ウインドカッター』」

 MPの増減をコントロールしながら、攻撃を続ける。

 突然ネズミがバチバチと放電を開始した。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あぁ!?」

 俺は位置取りを気にしていたから、直ぐに水のない場所に跳び引けたが、警備隊長を含め盗賊たちですら巻き込まれている。

「どうにかして足場を…土魔法!」

 SPを消費して土魔法を取得する。

「よし、登録。『グランドカーペット!』」

 土魔法で周囲の足場を土で被う。

 土が水気を吸って、多少はマシになった筈だ。

「ふぅ、MPが少ないな。マナポーションを使っても長くは持たない。これは接近戦しかないな!」

 再び装備を大鎌に切り替えマナポーションを飲み干す。

 ラージラットの方を見るとまるで、待っているかのように俺を睨んでいる。

 そして、動き出したのは同時だった。

「ハァ!」

 大鎌を振ると同時に魔法を掛ける。

「『スロウ!』」

 放電を起こした生物に麻痺が効くのか不安だったので、発動させたのはスロウ。

 期待通り隙を作ってくれた。

「『ポイズン!』ダァ!」

 魔法を唱えると同時に切り付ける。

 切り口に毒を塗り付けるイメージだ。ダメージは塩を塗るどころではない。

「ギュュュユュウゥ!」

「凄い痛がってるな…」

 毒が効いた様で徐々にHPが減少している。

 正直ここで無理に戦う必要はない。毒の状態異常を維持しながら、回避を続ければいいのだ。

「同じ回避なら、近距離が良いよな?」

「ギゥアアアア!!」

 問いかけに答えるように暴れ始めるラージラット。

「お前もこのまま終わりじゃないだろ?」

 最初から、楽に勝てる相手じゃないのは分かっていた。

 こんなボス紛いの敵は、下手に離れる方が危険だ。誰もが距離を置きたがる相手は、その距離に慣れているものだ。

「シッ!?」

 ラージラットの首を狙って大鎌を振るう―――瞬間、体毛がバチバチと放電を始めた。

「ガッ!?」

 痛い。VRの体感ダメージもさることながら、俺のHPもここまでの戦闘で三分の二は持って行かれた。

 βの頃と比べると不自然なほど頑丈になった気がする。防具のおかげだろう。

「ったく」

 状態異常は受けていない。

 大鎌を構え直した。

 ラージラットの長い尻尾が迫る。

「『ウインドボール!』」

 咄嗟に迎撃用の魔法を唱える。

 発現した風の球は、直ぐに尻尾を弾いた。

「…終わりだな」

 ラージラットのHPを確認すると既に毒によって、倒れた後だった。

 あの尻尾は、ラージラットの最後の攻撃だったのだろう。

≪種族、職業レベルが2上昇しました。種族、スキルポイントを獲得しました≫

≪スキルレベルが上昇しました≫

「疲れた…」

 警備隊長も倒れているが、ボスは倒したのだろうか。

名前  ジン

性別  男

種族  夜郷族Lv4

職業  死霊使いLv4


HP  81

MP  64

筋力  21+10(31)

体力  16+3(19)

器用  21+1(22)

精神  16+6(22)

知力  20+5(25)

俊敏  17+1(18)

運   10


種族ポイント  10

スキルポイント 4


グリモワール  収録の魔道書 (グロノス)


武器1     フィルカーズ・サイス

武器2     初心者の杖

頭       初心者の帽子

胴       初心者の服

腰       初心者のポーチ

足       初心者のズボン

靴       初心者の靴

アクセサリー

アクセサリー

アクセサリー

所持金      300コル

スキル

武器スキル   【大鎌術Lv3】【杖術Lv2】

魔法スキル   【風魔法Lv4】【土魔法Lv2】【闇魔法Lv3】【呪魔法Lv3】

        【下僕召喚Lv3】【召喚魔法Lv2】

生産スキル   【鍛冶Lv3】【木工Lv1】【調薬Lv1】【皮革Lv1】

        【調理Lv1】【道具Lv1】

補助スキル   【魔書術Lv5】【採取Lv1】【採掘Lv1】【伐採Lv1】

        【鑑定Lv2】【識別Lv2】【召喚Lv1】【幸運Lv1】

        【剛力Lv2】【巧みLv2】【速足Lv2】

固有スキル   【有形無形Lv2】


称号『始原の魔道』『絶望を乗り越えし者』


収録の魔道書

名称  グロノス

階級  第100中階位

タイプ 万能

能力  【コレクションカードLv3】【カード化】【魔物図鑑】

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