グロノス
チュートリアル終了。
既にステータスがおかしい!?
「では、グリモワールの説明に移ります。あ、既に魔道書ですね」
グロノスの事だろうな。
「ああ、進化したからな」
「一切の強化なく進化するとは、イレギュラーですが…まぁ、良いです。知っていることもあるかと思いますが一から説明していきます」
「ああ、頼む」
「では、起動してみてください。起動方法は、解りますか?」
「大丈夫だ。…起動」
俺の言葉に応じて、見慣れた本が出現する。
「はい、結構です。このグリモワールは『アライン』または『リンクス』から身体、脳波といったデータを元に構成されています。両機には健康状態を確認する為のスキャン機能があるので、それを使用しています」
ユーザーのデータを元に能力等が決定する訳か。
「またゲーム内の種族、ステータスによっても変動します。βテスターの方は、省かれますがグリモワールを再構成することも可能です」
「俺はしない。何の為に大鎌を作ったのか分からないからな」
「解りました。グリモワールには、進化の他に『成長』や『強化』で能力を追加、強化をすることが出来ます」
グロノスはいつの間に条件を満たしたのか進化したが、他のグリモワールはそれらの積み重ねで進化するらしい。
「グリモワールの成長は階位によって確認できます。数字が少ないほど成長してるという事です」
「俺のグリモワールは成長していた?」
「成長にも幾つかパターンが存在しますよね。例えば、子供が大きくなるだとか精神的に成長したですとか。ジン様のグリモワールの場合は、精神と戦闘経験で成長したのでしょう」
それでも驚異的な成長速度です。と付け加えると強化の説明を始めた。
「これから冒険を続けていく過程で、魔道書のページというアイテムを入手するかと思います。それがグリモワールの強化アイテムとなります」
魔道書のページか、何だか自分の魔道書が薄っぺらく見えるな。
「魔道書のページにも種類がありまして、各属性や技術系の物などスキルの様に幅広く存在します。魔道書のステータスにタイプの項目がありますね?」
「ああ」
「そのタイプが強化に使用できる魔道書のページの種類になります。記載は『魔道書のページ(火魔法)』といった風に表示されるので解りやすいでしょう」
グロノスのタイプは『万能』。こんな属性や技術は無いだろう。
気になるので聞いてみる事にしよう。
「万能は?」
「え……万能は全てのタイプを使用できます。万能タイプは、過去確認された中で三種類しか記録されていません。…もしかして?」
「ああ、万能だったな」
グロノスのタイプを告げると、妖精の顔色が面白いほど変化した。
「えええぇぇぇ!?」
「そんなに驚く事か?」
ゲームだしな。
「あれー、何で平静なのー?」
「どうせ強化限界とかあるんだろ?」
それなら、どっち付かずになるだけな気がする。
「いいえ、強化の限界はありません。だから皆さんページを探すわけで…」
「それって、ボッチ仕様?」
プレイヤーは全員グリモワールを所持している。
バランス良くパーティを組むとタイプもバラける。
普通はそれで、魔道書のページが出ても被らないから揉めない。
俺は全部使えるから、あるだけ欲しい。しかも俺が遠慮したとして、誰の強化にも使わないページは高値で売れるはずだ。
俺がいると入手金が大きく減る可能性が高い。
完全にボッチ仕様である。
「ははは…元々夜特化ですから、今更かと」
「ム」
そうなんだが、何だかなぁ。
「えーっと後は…あ、ポイントの獲得方法説明してないや」
「それ、忘れたらダメな奴だろ…」
「種族ポイントは種族、職業レベルがアップした時に獲得できます。会得ポイントは、種族、職業によって変動します」
そろそろ、チュートリアルの終わりが近いのだろう。
今のうちに質問を済ませよう。
「他のポイント入手手段は?」
「種族ポイントに関してはありません。種族と職業は同時にレベルアップするので、その職に就く種族としてのポイントという扱いになります」
「ふむ」
「スキルポイントは種族、職業のレベルアップ時に一律2ポイント。そして、所有スキルのレベル10毎に1ポイント追加されます。クエストの報酬にポイントがある場合があります」
ふっと聞かなければいけない疑問が浮かぶ。
「レベル上限は?」
「種族、職業に関しては、存在しません。いつでも最強を目指せます。スキルには、それぞれ上限があります」
レベル上限がないだと?
随分思い切ったシステムだ。
普通なら上限設定をして徐々に解放される物だが。しかし、プレイヤーとしては嬉しい限り。
「それではチュートリアルを終了します。チュートリアル達成報酬として、5000コルと初心者防具一式です。あ、チュートリアルで制作したアイテムは、そのままお持ちください」
「わかった」
受け取った装備を確認する。
初心者の帽子 帽子 ランク1 耐久値1000 品質C
器用+1
初心者の服 服 ランク1 耐久値1000 品質C
体力+1
初心者のズボン ズボン ランク1 耐久値1000 品質C
体力+1
初心者のポーチ ベルト ランク1 耐久値1000 品質C
アイテムポーチ+2
初心者の靴 靴 ランク1 耐久値1000 品質C
体力+1 俊敏+1
「アイテムポーチ?」
「アイテムポーチは戦闘中に使用するアイテムを入れておく物です。+2なので二個まで入れられます」
「なるほど」
俺はすっかり知り合い気分で別れを告げる。
「それでは、行ってらっしゃいませ」
やっとスタートだ。
楽しい冒険になることを祈って置こう。
名前 ジン
性別 男
種族 夜郷族Lv1
職業 死霊使いLv1
HP 78
MP 56
筋力 20+10(30)
体力 15+3(18)
器用 20+1(21)
精神 16+4(20)
知力 16+4(20)
俊敏 16+1(17)
運 10
種族ポイント 0
スキルポイント 0
グリモワール 収録の魔道書 (グロノス)
武器1 フィルカーズ・サイス
武器2
頭 初心者の帽子
胴 初心者の服
腕
腰 初心者のポーチ
足 初心者のズボン
靴 初心者の靴
アクセサリー
アクセサリー
アクセサリー
所持金 5000コル
スキル
武器スキル 【大鎌術Lv1】【杖術Lv1】
魔法スキル 【風魔法Lv1】【闇魔法Lv1】【呪魔法Lv1】【下僕召喚Lv1】
【召喚魔法Lv1】
生産スキル 【鍛冶Lv3】【木工Lv1】【調薬Lv1】【皮革Lv1】
【調理Lv1】【道具Lv1】
補助スキル 【魔書術Lv1】【採取Lv1】【採掘Lv1】【伐採Lv1】
【鑑定Lv1】【識別Lv1】【召喚Lv1】【幸運Lv1】
【剛力Lv1】【巧みLv1】【速足Lv1】
固有スキル 【有形無形Lv1】
称号『始原の魔道』『絶望を乗り越えし者』
収録の魔道書
名称 グロノス
階級 第100中階位
タイプ 万能
能力 【コレクションカードLv3】【カード化】【魔物図鑑】