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グリモワール・オンライン  作者: 灰猫
七つのダンジョン編
159/168

地の迷宮を攻略せよ

 岩石山脈にて生きた岩石人、ゴーレムを討伐する常設依頼を見かけたジンは、新しい装備の試運転に丁度良いと岩石山脈に乗り込んだ。

 ジンとゴーレムの戦いは、ジンの勝利で終わったが苦戦を強いられてしまった。

「…杖はともかく、フィルカーズ・サイスは…もうダメだな」

 一体目のゴーレムを倒した後はグロノスを取り戻したものの、何度かゴーレムとの戦いを繰り返した。目途的であるゴーレムハートと鍛冶に使えそうな鉱石類を手に入れたまでは良かったが、戦いの合間に持ち替えた武器の耐久値に限界が来てしまっていた。百を超えるゴーレムとの戦いを続ければ、装備が持たないのは当然の帰結だった。

 冒険者ギルドで百個のゴーレムハートを提出して呆れ顔を頂戴したが、得られた貢献ポイントは二千止まり。ダンジョンに向かう為の目標である一万に到達するには、同じことをあと四度も繰り返さなくてはならない。安全に街の外でログアウトできるハウスオーブがあれば、一度の遠征で一万ポイントまで貯めることが出来たかもしれないが、現状では一日の殆どを移動に注ぎ込む為に同じことをして百個ものゴーレムハートを確保できると楽天的にはなれない。

 思えばチュートリアルで作成したフィルカース・サイズだけでなく、木材を簡単に削りだしただけのピーターの杖もゲームを始めたばかりの武器だ。防具も新調しことだし、この辺りで武器も新しい物を用意したい所だ。

 ゴーレムが自然発生する岩場からは、良質な岩石が採掘できる。あのゴーレムさえいなければ石切り場として有名になっていただろうが、崩れ落ちたゴーレムの体が岩に溶け込み。その質を向上させサイズアップさせると聞かされれば、不思議なサイクルが生まれているものだ。

 杖と言えば木材のイメージだが、魔法職が前衛での戦闘を切り捨てているのならば重い杖は望ましくないだろう。近接戦をする魔法使いと言えば魔法剣士だが、斧や槍を使う魔法戦士がいても良い。俺が求める新たな武器もそんな魔法戦士向けの二品に違いなかった。

 俺はドワーフの技術を求めて集まって出来たと云うクロバクの生産ギルドの門を叩き、自らの生産スキルの向上に励んだ。求める武器を作り上げたのは、それから三日後の事であった。

 妖精のハンマーを振りかざし、頭を抱えながら鍛え上げた渾身の一薙ぎ。

「…デーモン・ビーター」


デーモン・ビーター 種類:大鎌 レア度:5 耐久値:4500 品質A-

 筋力+20 器用+15 地属性、闇属性(ワードで任意切り替え)


 黄鉱と黒鉱のインゴットにゴーレムの心臓が溶け込んで生まれた栗皮色をした両手持ちの長柄武器。地と闇の属性を併せ持ち、自身の身体を徐々に復元する力を備えている。

 自分の手に馴染むように何度も調節を繰り返し、幾億の地獄に身を焼かれた刀身は錆色に光を反射している。

 新たな相棒の出来栄えに思わず頬を緩ませる。

「杖はまだ【木工】が低いか…まぁ、デーモン・ビーターが出来ただけでも五万コルを費やした甲斐があったさ」

 必要な【鍛冶】【皮革】スキルのレベルが足りないのではと、生産ギルドで素材を買い集めて作成、納品を繰り返したお陰でダンジョンに入るのに十分なポイントを稼いでいた。【鍛冶】スキルのレベルが5にもなると、作り上げた物の価値が高くなるのだろう。納品した物に買い手が付くと商業ギルドのポイントも加算されたので、美味しい稼ぎになった。

 そうしてダンジョンへ挑む資格を得た俺は、地の迷宮の門前に佇んでいる。

 幾らかは、予想はしていた。

 王城がクロバクの大山アクアヘイアウを庇う様に築城されているのは、山を守る為なんだろうなと。ただその山が、地のダンジョンだとは予想できなかった。活火山の様でここ数日で何度か噴火している姿が見えたから、現状では許可の下りない火のダンジョンだと当たりを付けていたのだ。だが期待して蓋を開けてみれば、底に隠されていたのは地のダンジョンの方だったとは予想が外れた。

 俺が新しい相棒デーモン・ビーターを作成している間に地のダンジョンを攻略したプレイヤーは、合計で十八人。掲示板での情報は規制されているので、なかなかダンジョンの情報を窺い知るのは難しい。

 地のダンジョンは王城の裏手にひっそりと資材置き場に偽装した小屋が設けられている。小屋の前には常に兵士が待機しているので、何かを守っている感が溢れている。一応、他国から隠しいるらしく周辺に消耗品の出店などは存在しないが、小屋の周辺にパーティーメンバーを募集する冒険者が居てはむだな努力というものだ。

 ギルドのカードを兵士に提示して小屋の中に入る。

「…埃っぽいな」

「行け」

 兵士は言葉少なく言い捨てると小屋の外に出て乱雑にドアを閉めた。

 狭い小屋の中ださして迷う事もなく、ダンジョンの入り口を見つけた。それは何の変哲もない扉だった。

 土色をしたレンガで作られたアーチを塞ぐ木製の扉を開いて見れば、平坦な道と

規則性のない凸凹とした岩肌が晒される。

 デーモン・ビーターを油断なく構え、扉の向こう側へと踏み出し背後の扉が音を立てて閉じる。

「漸くのダンジョンだ…姉さん達は随分と先行しているみたいだし、進めるだけ進みたいが…『ウインドボール』」

「ギャ!」 

入り口の直ぐ傍だというのに、石で出来た人影が現れ風の玉に吹き飛ばされた。

名前  ジン

性別  男

種族  夜行族Lv3

職業  ネクロマンサーLv3


HP  232

MP  180

筋力  40+20(60)

体力  40+90(130)

器用  40+25(65)

精神  39+39(78)

知力  40+12(52)

俊敏  33

運   40+8(48)


種族ポイント  0

スキルポイント 30


グリモワール  収録の魔道書 (グロノス)


武器1    デーモン・ビーター

武器2    ピーターの杖

頭      統括者のサークレット

胴      統括者のスケイルライトアーマー

腕      統括者のライトガントレット

腰      統括者のリザードベルト

足      統括者のボトムスケイル

靴      統括者のロングブーツ

アクセサリー 旅人のマント

アクセサリー 地竜の腕輪

アクセサリー


所持金    25970コル


スキル

武器スキル   【大鎌術Lv11】【杖術Lv3】

魔法スキル   【風魔法Lv7】【土魔法Lv5】【闇魔法Lv10】【呪魔法Lv6】

        【下僕召喚Lv10】【召喚魔法Lv6】

生産スキル   【鍛冶Lv5】↑2【木工Lv4】【調薬Lv5】【皮革Lv2】↑1

        【調理Lv4】【道具Lv4】【裁縫Lv2】

        【アンデッド作成Lv5】

補助スキル   【魔書術Lv10】【採取Lv3】【採掘Lv1】【伐採Lv2】

        【鑑定Lv7】【識別Lv5】【召喚Lv6】【罠Lv2】

        【幸運Lv4】【剛力Lv4】【巧みLv4】【速足Lv4】

        【気配察知Lv5】【魔力察知Lv5】【生存術Lv2】

職業スキル   【ネクロマンシーLv1】【死霊術Lv1】

固有スキル   【有形無形Lv8】【暗香疎影】


称号『始原の魔道』『絶望を乗り越えし者』『ゴブリンキラー』『漫才師の勲章』

  『恐怖を知る者』『語られぬ英雄』『鉱山の統括者』

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