素材を集めよう2
【識別】は対象の名前やステータスを視界に表示させるアクティブスキルだ。
「んだら、オメェか!」
そしてこのスキルには、特性として一定の確率でスキルの使用が使用した対象にバレるのである。これはスキルのレベルを上昇させる事で発覚する確率を下げることが出来るのだが、スキル使用対象が強ければそれだけスキルの使用を見破られ易くなる。
恐らくレベルやランクが関わっているのだろう。
「すみません。モンスターかと思ったのですが…」
ここは素直に謝罪する。森でドーンに言われた通り、無許可で相手の情報を抜き取るのは攻撃以外の何物でもない。
「ん~そっだら、仕方ねぇな。俺たち土獣人は暗くても灯りは付けんもんでなぁ」
「土獣人ですか?」
聞いた事のない種族だ。
「俺たちゃあ、土の中で生まれて、土の中で暮らし土の中で死ぬち。そー呼ばれちゅうよ」
地球上にも複数の民族や部族が存在する。
獣人とは獣の特徴を体の一部に持つ種族の総称であり、その獣人達は其々に細かな分岐を経て種族名が確定する。猫の特徴があれば猫獣人、犬の特徴があれば犬獣人といった具合である。
同じ獣人と一口に言った所で、その種類はとても豊富なのだ。
「なるほど…そうでしたか」
「それでこんな山に何の用ね?」
折角なので正直に鉱山に来た理由を説明する。鉱山夫という職業なのだから、お勧めの鉱石素材の話が聞けるかもしれない。
「実は最近アーロックに到着したのですが、森を抜けるのに苦戦をしまして。耐久値も心もとない状態だったので、せっかく鉱石の町に来たのだから装備一式を新調しようかと」
「んなら、素材集めに来たとね?」
「その通りです。まぁ、【鍛冶】スキルを鍛えるのに丁度良い機会なのも確かなので」
引継ぎで持ってきたスキルだけど殆ど使っていないのは、流石に勿体ない。
「んだら、鍛冶するか他のスキルは何持っとんだ?」
「生産スキル?」
「うん」
余り人にスキル構成を教えたくはないのだけど、生産スキルは持っている事がバレても一切困らない。
「えー【鍛冶】【木工】【調薬】【皮革】【調理】【道具】で全部…」
「うーん、スキルが足らんでよ」
「足りない?」
自分で言うのも何だが、俺の所持する生産スキルの多さはかなりの物だと思う。以前出会った生産職のプレイヤーは、鍛冶を専門にしていたり、防具作りを専門にしていた。
防具…もしかして?
「足りないとは【裁縫】スキルの事か?」
「んだな」
どうやら【裁縫】で正解らしい。
「【裁縫】を持っていたら…」
会話の中で敬語は完全に崩れ去っている。
「そすたら、試練を受けられるようになるでよ」
「試練?」
何て楽しそうな響きだろうか、退屈な作業ゲー開始かと思いきや、心躍る冒険の香りが芳しく漂っている。
「では取得しよう」
どの道防具作成には皮と布が必要になる。遅かれ早かれ、取得する事になっていただろう。
必要スキルポイントは、お安めの2ポイント。これで試練を受けることが出来る。
「…取った」
「そんな、試練受けたかったのけ」
彼は呆れた様に俺の顔を見ているが、装備品関連の関りが少ない俺としては非常に興味を引く話題だ。ソロが一番困るのは、装備品と食料の入手経路だからな。
「んだら最初に注意だど。他のクエストと並行して進めるのはやめた方が良いど」
≪イベントクエスト『伝説のレシピ』を開始しますか?YES/NO≫
ノータイムでイエスを選択すると視界にクエストが表示された。
伝説のレシピ ランク20 報酬 統括者のレシピブック 鉱石
臭い水 0/1
変色した土 0/1
色あせた灰 0/1
風の残滓 0/1
統括者の鋼 0/1
「この五つの素材を持って、オラんとこ持ってくるで」
どれ一つも聞いた事のない素材だ。それに加えてランク20とは。
「何かヒントは無いのか?」
「全部モンスターが落とす素材でよ。んだども滅多に持ってる奴はいねーが」
ああ、レアドロップ回収型のクエストか!
「時間が掛りそうな試練だな」
「今の時期は珍しくアーロック周辺に全部集まっとるで、根気よく探せばみつかるっち」
偶然なのかイベントの都合なのかは分からないが、わりと近場で集められるのは助かる。
「時間制限なんてあるのか?」
「んにぁ、オラが生きてる間なら良いでよ」
期間は特に設けられていない訳か。
鉱山夫のモールンに別れを告げ、アーロックに戻る。
折角ヒントを貰ったのだから、素材を落とすモンスターの確認とその居場所を聞くのだ。ついでに採掘で掘った少量の鉱石も納品しよう。
名前 ジン
性別 男
種族 夜郷族Lv17
職業 死霊使いLv17
HP 160
MP 119
筋力 30+15(45)
体力 30+19(49)
器用 26+9(35)
精神 28+9(37)
知力 30+7(37)
俊敏 27+3(30)
運 27
種族ポイント 0
スキルポイント 38
グリモワール 収録の魔道書 (グロノス)
武器1 フィルカーズ・サイス
武器2 ピーターの杖
頭
胴 クランブルアーマー
腕 グランブルガントレット
腰 旅人のポーチ
足 グランブルレガース
靴 旅人の靴
アクセサリー 旅人のマント
アクセサリー 地竜の腕輪
アクセサリー
所持金 12870コル
スキル
武器スキル 【大鎌術Lv10】【杖術Lv3】
魔法スキル 【風魔法Lv5】【土魔法Lv5】【闇魔法Lv9】【呪魔法Lv5】
【下僕召喚Lv9】【召喚魔法Lv5】
生産スキル 【鍛冶Lv3】【木工Lv2】【調薬Lv1】【皮革Lv1】
【調理Lv1】【道具Lv1】【裁縫Lv1】
補助スキル 【魔書術Lv9】【採取Lv1】【採掘Lv1】【伐採Lv1】
【鑑定Lv3】【識別Lv4】【召喚Lv2】【罠Lv2】
【幸運Lv3】【剛力Lv3】【巧みLv3】【速足Lv3】
【気配察知Lv5】【魔力察知Lv3】
固有スキル 【有形無形Lv7】
称号『始原の魔道』『絶望を乗り越えし者』『ゴブリンキラー』『漫才師の勲章』
『恐怖を知る者』
収録の魔道書
名称 グロノス
階級 第86中階位
タイプ 万能
能力 【コレクションカードLv4】【カード化】【魔物図鑑】【解体】
【召喚魔法】【販売】