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グリモワール・オンライン  作者: 灰猫
第三章 某国戦争編
111/168

VSグレイウルフ2

お久しぶりです。作者の灰猫です。

番外編以外の改変が終わったので、投稿を再開します。

活動報告の方にも、少し書いてあるので簡単に


お待たせしました。

これから再びよろしくお願いします。

 クリムゾンサイス。死霊使いの固有スキルの一つで、特定の条件を達成した時に習得可能となる。

「条件…称号か!」

 新しいアーツを習得する前に称号の獲得を伝えるものがあった。その後すぐに習得した事を考えると、恐らくその称号がトリガーであったとみて間違いないだろう。

 急いで獲得した称号を確認する。


恐怖を知る者 効果なし。

 根源的な恐怖を知り、自らに取り込んだ者の証。世界はもう、恐怖だけではない。


「これか…テキストは気になるが、特別効果があるわけでは無い。トリガー用の称号だろう」

 急にアーツが生えて来た理由は分かったが、問題はこのアーツに現状を打開するだけの能力を秘めているかだ。

「まぁ、使ってみるしかないか、『クリムゾンサイス』!」

 アーツの発動を宣言すると、グロノスが変化した大鎌が真紅に染まる。

「一応、発動は成功したか、パっと見た限りだと効力は分からない部分が多いけど…行けるんだろう!?」

 声を上げながらグレイウルフに切りかかる。

 一旦戦線を離れたのが功を奏したのか、奇襲攻撃に成功する。

「キャウン!?」

 攻撃を受けたグレイウルフの鳴き声は、まるで石を投げつけられた子犬を連想させる。

「攻撃が効いている?」

 今まで行った攻撃が、全くダメージを与えられていなかった訳ではない。ただ今までの攻撃よりも大きなダメージを与えられている様な手応えを感じる。

「なら、もう一度!」

 次の攻撃は奇襲では無いので、攻撃を当てるための工夫が必要となる。普通ならばパーティーで逃げ場を塞いだり、連携で隙を無くし攻めるものだが、こちらはプレイヤー一人。

 とは言えソロ専門の誹りを受ける死霊使いに不可能はない。

「スケルトン同時に攻めるぞ!」

 手数が足りなければ召喚すればいいじゃない。何なら魔法も付けて、広範囲殲滅だ。

 実際の所、範囲魔法はオーガやドーン、護衛対象のジョナサンがいる為に自主的に封印中なのだが。

「カタカタ」

 器用に顎を鳴らして、グレイウルフの注意を引くスケルトン。

 見かけに由らず技巧派なんですね。

「グルルルル…!」

 グレイウルフが何かに気付いたようにサッと後ろに飛び引く。

「…」

 召喚した俺ですら、その存在を忘れていたゴーストが魔法を使って攻撃を行ったようだ。

「今だ!」

 バックステップで硬直した一瞬を狙って、グロノスで一文字に切り閃く。

「グァ!?」

 真紅に染まったグロノスの一撃を受けたグレイウルフは、苦しむような短い声を発して光の粒子へと消滅していった。

≪種族、職業レベルが上昇しました。種族、スキルポイントを獲得しました≫

 アーツを使用する前のダメージがあったとは言え、二度の攻撃でグレイウルフを倒しきるとは。

「安心してはいられない。次だ!」

 ウルフ系のモンスターは、現実の狼と同じように群れで行動する。一匹倒しただけでは終わらないし、群れの主は今オーガと戦っている。

 クリムゾンサイスは、クールタイムが18時間。効果持続時間が30分という、使うには思い切っりの良さと、一日は使えない覚悟をする必要がある。

「グルルッ!」

「集まって来たか…」

 仲間の声を聞きつけたのか、続々とグレイウルフが集まって来ている。

「勝負は効果が切れる28分間…ッ!」

 重い攻撃に回復はポーション頼み、時間を気にしている暇もない。

「はは…これが死地って奴か」

 不思議と笑みが抑えられない。

「もう、護衛の為の余力とか考えていられないな…死力を尽くす」

 生まれて初めて行う、形振り構わぬ全力戦闘。見聞も醜聞も気にせず、生き残るための戦い。


                        ♪


 周囲には無残に破壊された木々と無数のクレーターが、戦いの激しさを物語っている。

「グッ…はぁー、まだ生きてる…」

 全身で感じる倦怠感に生き残った実感が沸きあがる。

「おい、大丈夫か?」

 地面に転がる俺を心配そうにのぞき込んでいるのは、護衛対象のジョナサンだ。本来なら心配するのは俺の役目のハズだったが、この状態では致し方ない。

「ガハハッ、新米にしてはドーンっと頑張ったじゃねぇか!」

 存外に忘れがちだが俺たちプレイヤーは、所詮ひよっこの新米冒険者だ。最初からドーンの様なベテラン冒険者に援護を乞えば良かったのだ。そうすれば簡単とは行かずとも、比較的楽に対処が出来た。

「何、別に今回は的を外した策じゃなかった。敵の数が多い以上、少しでも足止めに人数をバラして配置するのは良くある事だ。そもそもオーガがジャイアントウルフを倒すまで、グレイウルフを足止めできれば、それでよかったんだから」

「チッ…やっぱりそういう事か…」

 流暢に状況を説明するジョナサンを見て、予測していた通りだったと悪態を吐く。

「あ、やっぱりバレてた?」

「口調、戻ってるぞ」

「良いんだよ。バレてるなら」

 慣れない口調だと疲れるんだよねーと完全に口調を崩してしまった。

「分かってると思うけど、一応伝えるね。今回のクエスト『ジョナサンの依頼』は、新人冒険者がアーロック周辺のモンスターと戦えるか、国の外に出しても問題の無い性格かを確認するためのクエストだ」

 RPGでは良くある事だが、新しく行けるようになったマップは、敵対しているモンスターの脅威レベルが変わる。とりわけ悪い方に変わりやすい。

 分かり易く言うと敵が強くなるのだ。

「カルセドニー国は冒険者の国と呼ばれているから、力が全てだと思われることもあるけどそれは違う。国である以上外交は必須になる。云わば冒険者外交」

 本来冒険者とは国や町、村の出入りが自由である代わりに、その土地で起きている問題クエストの解決を生業としている。

 これを国家事業とし各国から依頼クエストを受けて、冒険者を派遣する為に冒険者の国と呼ばれるようになったのだと言う。流れは国が依頼を受け、冒険者ギルド本部に依頼を送り、冒険者が依頼を受けて解決する。という物だ。

「アーロックみたいな国境付近の街や、別の国に行く依頼クエストを回せるかを試験を行うのは当たり前だと思わないかい?」

「確かにな。観光や一般市民とは違う…戦う力がある奴らだ。他国に派遣して問題を起こせば国の信用に傷がつく」

 ジョナサンは、そういう事だとばかりに深々と頷いた。 

「今回は、護衛としては失格だった」

「…そうだな。依頼を優先するならオーガは放置するべきだった」

 森に来てからの行動を思い返し、苦々しく答える。

「その他にも王都カルセドニーから、アーロックへの移動時間を知らなかったから場所も知らなかった」

「……」

 そうだ新しい町に行く事に夢中で、その場所がどこにあるか地図を見ようともしなかった。

「場所が分からなければ、準備が万端とはとても言えない。主に食料が不足する可能性が高い」

 空腹度システムが定着しつつあるというのにだ。

「とは言え、グレイウルフの群れを一人で相手をして生き残った戦闘能力と、見も知らぬ森の通行者を気遣い命を懸ける性格。試験は合格するのに何ら不足はない」

「後は、依頼をこなすだけだがな!」

 ガハハハッっとドーンの笑い声が響く。

「依頼は必ず遂行する…冒険者だからな」

 俺の回答に満足いったのか、護衛のクエストは続行される事となった。

 火を起こし二時間程の休憩の後、移動を再開した。休憩している間、オーガはずっと高いびきを掻いて眠っていた。ああやって体のダメージを回復するらしい。

 クリムゾンサイスの効果は終了したが、もうグレイウルフ程厄介なモンスターが出て来ることも無く、あっさりと森を抜ける事が出来た。

「もう、アーロックは直ぐですよ」

 すっかり口調が変わってしまったジョナサンの案内の元、アーロックに入場する。

「では、ここでお別れですね」

「いやー、デーンっと久々に楽しめた!」

「…世話になった」

 今回は本当に勉強になった。

 二人が居なければ俺はクエストどころか、死に戻っていただろう。

「あ、それから護衛の報酬です」

 インフォメーションが視界に浮かび上がる。


≪ストーリークエスト『ジョナサンの依頼』をクリアしました≫

≪アーロックへの移動が許可されました。ポータル機能が解放されます≫

≪冒険者ギルドの信用度が上がった≫

≪種族、職業レベルが上昇しました。種族、スキルポイントを獲得しました≫


 今回だけで二つもレベルが上がったのか。

「それでは、またいずれ」

「よし、酒だ!」

 最後まで個性的な奴らだった。

「ログアウト」

 今日はゆっくり休もう。

名前  ジン

性別  男

種族  夜郷族Lv17

職業  死霊使いLv17


HP  136

MP  119

筋力  26+15(41)

体力  25+19(44)

器用  26+9(35)

精神  28+9(37)

知力  30+7(37)

俊敏  26+3(29)

運   27


種族ポイント  10

スキルポイント 40


グリモワール  収録の魔道書 (グロノス)


武器1     フィルカーズ・サイス

武器2     ピーターの杖

頭      

胴       クランブルアーマー

腕       グランブルガントレット

腰       旅人のポーチ

足       グランブルレガース

靴       旅人の靴

アクセサリー  旅人のマント

アクセサリー  地竜の腕輪

アクセサリー


所持金      12870コル


スキル

武器スキル   【大鎌術Lv10】【杖術Lv3】

魔法スキル   【風魔法Lv5】【土魔法Lv5】【闇魔法Lv9】【呪魔法Lv5】

        【下僕召喚Lv9】【召喚魔法Lv5】

生産スキル   【鍛冶Lv3】【木工Lv2】【調薬Lv1】【皮革Lv1】

        【調理Lv1】【道具Lv1】

補助スキル   【魔書術Lv9】【採取Lv1】【採掘Lv1】【伐採Lv1】

        【鑑定Lv3】【識別Lv4】【召喚Lv2】【罠Lv2】

        【幸運Lv3】【剛力Lv3】【巧みLv3】【速足Lv3】

        【気配察知Lv5】【魔力察知Lv3】

固有スキル   【有形無形Lv7】


称号『始原の魔道』『絶望を乗り越えし者』『ゴブリンキラー』『漫才師の勲章』

  『恐怖を知る者』


収録の魔道書

名称  グロノス

階級  第86中階位

タイプ 万能

能力  【コレクションカードLv4】【カード化】【魔物図鑑】【解体】

    【召喚魔法】【販売】

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