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ギヴ アンド テイク for gals  作者: 月岡 愛
7/22

両親のこと

12月にもなると、まだ17時前だというのにもう辺りは真っ暗だ。クリスマスも近いのか所々でイルミネーションがキレイに輝いている。学校も冬休みに入り、私たち高校生は本格的な受験シーズンを迎える。


高校生活もあと約3ヶ月。 私はどうしたら良いんだ?働くとこも、進学も全く決まってない。こんなんでいいのか? 自分自身を責めれば責めれるほど、焦りと不安が強くなってしまう。


私の家には今、両親はいない。


父は、私が高校へ入学した後、急性心不全という心臓の病気で亡くなった。元々、血圧が高く医師からも心臓も良くないと言われていてけど、お酒や辛いものが好きで、タバコも吸っていた。飲んでる薬も多くて健康ではなかった。


霊安室で父を見たとき私は、あれだけ嫌いで憎んでたのに、これでもか!というくらい涙が台風の如く流れでた。


悪い事は重なるのか、その翌年には後を追うように母が亡くなった。夕飯のとき、料理を作りながら私に振り向いたときそのまま床に倒れた。私は足を滑らし倒れたのかと思ったが、母は起き上がることはなかった。


気が動転してしまい、隣りの家に助けを求め救急車を呼んでもらった。いざ、救急車が来ても受け入れ先の病院がなかなか見つからず、10件目の病院でようやく落ち着いた。集中治療室に入って救命救急の医師に説明を受けた。


手の施しようがなく、即死の状態だった。


急性クモ膜下出血。


私は、驚くのを通り越して、何がどうなってるのかさっぱり理解出来なかった。




人が死ぬのってこんなに突然で急なのか? 高校生の私にはあまりにも刺激が強すぎた。

高校2年の夏の出来事だった。それ以降、私は一人で生活をしている。

正確には祖母が私の親代わりになってくれてはいるが一緒には住んでいない。


学校や食事など身の回りのことは、祖母が見てくれている。しかし、御年78歳の高齢者だ。無理は出来ない。でも、高校卒業までは面倒をかけてしまうことになってしまう。 だから大学進学なんて、到底、無理な話なのだ。 こんな高齢の祖母にこれ以上、迷惑はかけたくない。


(愛?大学はどうするんだい? ちゃんとしないと年をとってから後悔するよ。お金のことはいいから、進学したらどうだい?)


(うん・・・でもまだ分からないし、もしかしたら働くかもしれないし・・)


(そんな気持ちだと何も出来ないうちに、あっという間に年を取るよ。しっかりしないと。)


祖母の気持ちは本当にありがたい。しかし、甘えるわけにはいかない。だって、私のために祖母のお金をこれ以上使って欲しくない。 祖母だって少ない年金で生活をしていかなければならない。高齢ともなれば病気などと背中合わせだし万が一のことがあったときなどのことも考えてなければならないし・・・


何とかしなければならない。これは私自身のことなのだ。


明日、学校に行って、担任に相談しよう。マジトークで行かないと何もせず高校生活に終わりを告げることになりかねない。 担任なら何かいい結論がでそうだ。








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