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ギヴ アンド テイク for gals  作者: 月岡 愛
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序章

私は今、二つの事件の当事者に、なっている。


一つは、覚せい剤取締法違反。もう一つは、殺人事件だ。


二つの事件とも、第1発見者になってしまっていて私自身も警察から事情聴取を受けている。 二つの事件も所轄が違うから別々の警察署で聴取を受けなければならない。とても疲れてしまう。


高校生活もあと半年余というとこで私はとんでもない事態に出くわしてしまったようだ。1番親しい友人が、学校にパンを売りにくるおじさんが、犯罪者になってしまっている。


今日も、午前中で授業を終えてそのまま警察署に来ている。 瞳••• 同じクラスの友人。この友人が、今、覚せい剤取締法違反で逮捕され取調べを受けており、その第1発見者の私も事情聴取を受けている。刑事が変わるたびに何度も何度も同じ事を繰り返し聞かれ心底参っている。


また、昨日も、午前中まで学校にいて午後は違う警察署で聴取を受けた。 こちらはお昼になると学校にパンを売りにくるおじさんの事件。奥さんへの殺人事件で逮捕され、身柄を検察に送られている。 警察署が違うからか、こちらの事情聴取はそれほどキツくはない。


殺人事件より覚せい剤のほうが、追求が厳しいのか、私も共犯じゃないのか?とも言わんばかりの事情聴取で長時間、取調べ室で刑事に質問攻めだ。


しかし、なんだって覚せい剤なんかに手を出したのだろうか? 私の知る、真行寺 瞳は間違っても薬物などに目を向けないはず。それどころか、曲がった事は大嫌いで私にも身の回りのことにはとてもうるさい女だ。


パン屋のおじさんにしてもそうだ。あんなに優しい人が、この世ものとは思えない凄い血相で奥さんを滅多刺しにしていた。



人間という生き物は、窮地に追い込まれてしまうと自分自身にブレーキが効かなくなっていまうのかもしれない。


明日は我が身•••


私は、この2人と今後、いつものように会うことは出来るのだろうか? 今迄のように一緒に学校に行き、ケンカもして遊んで泊まって語り合ってなんて出来るのだろうか? お昼にいつもおじさんは私に、パンを内緒でサービスして入れてくれたり、もうないのだろか?


私は今、この現実を受け止められなくなっている。













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