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Die fantastische Geschichte 0  作者: 黄尾
思い出の未来
53/56

0-53:求むべきは(後)

0-52から続いています。

【0-53:求むべきは(後)】


 その昔、フィアナ王国建国の祖である騎士は、世界を支配していたドラゴンと戦った。ドラゴンはその武勇を認めて己が牙を与え、騎士はそれぞれを剣と槍として鍛えた。それらは赤き竜の牙〈竜剣ドラゴニア〉と、対なる青き竜の牙〈竜槍ドラグニール〉と呼ばれ、王国の至宝としてそれぞれ塔に安置されていた。牙に宿りし力はまさしく世界の支配者たるに相応しく、それ故に使い手たりえる者は牙が選ぶ。選ばれし使い手以外に竜剣は鞘から抜くことができず、竜槍は振るうことができない。未だ〈竜の双牙〉双方に選ばれたのは初代国王のみで、片方の牙に選ばれる者すら、最後に出たのは数百年前と言われていた。

 そう簡単に使い手が出てはいけないのだ。だからフィリオンが竜槍に選ばれたのは、これが必要な時代だということなのかもしれない。

「ドラグニールは空間を司る牙。越えられない壁は無く、自在に境界線を敷き、新たな世界すらも創り出す。使いこなせれば、の話だけれど」

フィリオンは槍の柄を撫でながら、竜の双牙の伝説を語った。どこにでもあるおとぎ話のように聞こえて、その実はすぐ手元に在る。

「お前の転移魔法は、槍の影響で魔力が変化したから使えるって訳か。詠唱無しには無理とかよく言えたもんだ」

いくら適正さえ合えば魔力量と釣り合わない魔法さえ使えるとしても、フィリオンの転移魔法は通常の魔法の理論から外れている部分があった。魔術師ではないフィリオンが戦術として転移魔法を使えるというのは、セドナも驚いていたことである。「天才」という言葉で片付けてはならないことだ。

 フィリオンの戦術は基本的に、槍術に加えて強化の魔法や属性付与の魔法を使用するごく一般的な魔法騎士のものだ。それは騎士団で採用されているフィアナ流槍術でも同じだった。

「転移魔法は本当に詠唱が無ければ発動できないんだ。そもそも何となく使えるようになっただけだから。ドラグニールの力も、そう簡単に使って良いものではないから今は封印している」

しかしなぜかフィアナ流槍術には、さらに転移魔法の使用を想定したかのような奥義がある。今では実現不可能とされて書物に残るのみで、フィリオンもこんな出鱈目な技とは一生縁が無いと思っていた。竜槍の真の使い手ならば造作もないことだと、気づいたのは選ばれた後のことだ。おそらくドラグニールの力を用いることが前提となったその奥義の書は、最後にこう記して締めくくられていた。……〈力の罪は境界の攪乱。力の罰は自縛の囚人。それでも求めると言うのなら、人としての生を捨てることになるだろう〉。

「大きな力には代償が付きものだ。その槍、使うと何が起こる?」

 ジャンは当然という様子でフィリオンに尋ねた。ただ強すぎる力というだけなら、彼もここまで使うことを躊躇ったりしないという考えからだ。魔法に魔力という対価が必要なように、人に非ざる力を人が使用するのなら、何かしらの代償が無ければならない。これはジャンの持論ではあるが、そうでなければこの世に万能の神など必要ないのだ。フィリオンもそこは同意なのか、槍に巻かれた布の隙間をなぞり、硬い声で答えた。

「……境界線が、消えていくんだ。どこまでが自分で、どこまでが世界なのか、使えば使うほど境界線を見失い、最後には存在が消える。自分で自分を『世界』の中に閉じ込める、ということだと思う。こんな力を使っていた初代国王という人は、何者だったんだろう」

槍から手を放し、拳を開いては閉じる。自分が此処に在るということを確かめるように。

 何かの境界線を自分の都合の良いように操るかわりに、自らの境界線もまた改変される力。これまでに何度か転移魔法のかわりにドラグニールの力を開放したことはあるが、死を意味する対価を知っていて、おいそれと使える訳がない。フィアナの初代国王は二本の力を使いこなし、一つの大陸を王国――現在では直系の後継であるフィアナ王国を含んだ複数の国に分かれている――として治めたとされているが、例外中の例外か、あるいは真に選ばれた者だったということだと思われる。

「今のお前は何ともないのか?」

「今のところは。大きな力はまだ使っていないからか、一応は正当な使い手だからか分からないけれど、おそらく猶予はあるということだと思う」

「ドラゴニアもドラグニールも、誰にでも力を使うことは出来ると言っていたな。けれどその代償は選ばれた者以外だとより大きくなり、結果的に扱える範囲に制限が出ると」

「そう。だからメアリアーゼは魔王が倒される以前の世界である二十年前には戻れずに、かろうじて復活の望みが絶たれるまでの一年間を繰り返しているみたいだ」

 本当に選ばれた者以外にはただの置物でしかないのなら、竜の双牙はここまでの脅威になりはしなかった。多大な代償を払いさえすれば、誰でも力の一端を揮えるということが恐ろしい。

 敵にそのような力があるのなら、こちらも対抗策を講じなければならない。ジャンの視線はフィリオンの話の間中、ずっとドラグニールに向いていた。それを問い質すのは彼の役割だ。

「お前、その力を使う気はあるの? 死ぬかもしれない力を使えとは言わないけどさ」

「使い時を間違うつもりは、ない」

フィリオンの答えは、断言したとは言い難い。揺れる瞳はそのまま彼の心を映しているようで、迷いがあるのは明らかだった。ジャンはその表情を目を細めて見やり、問い詰める。

「でも目の前でアイリスが殺されそうになった時も、ライとセドナが危険の合図を打った時も、お前はその封印を解かなかった。何をそこまで――」

「ジャンは、過去をやり直したいと思ったことは、あるか?」

「――……」

言葉を遮った返答に、ジャンは口を閉じた。フィリオンはその沈黙を肯定と取り、絞り出すような声で続ける。

「俺も、あるんだ。あの時、俺は生まれて初めて『失敗』したと思った」

 取り返しのつかない失敗など、そうそうあるものではない。だから少し間違えたのなら、やり直して正しい方向に進めば良い。それがフィリオンの持論だった。

「難しいことも頑張ればどうにかなると思っていたし、事実どうにでもなった。でもそれだけは、気づいた時にはもう手遅れで、その先には、最悪の未来しか無いって、分かったんだ」

なぜあんなことになってしまったのか、なぜそんな考えに至ってしまったのか、なぜ最悪の決意をしたのか。きっかけとなるはずの出来事は、今や思い出としても残っていない。分かっているのは、取り戻すことの出来ないものを、自らの手で失ったこと。

「だから俺は願った。もう一度、やり直したいと」

そして、フィリオンは巻き戻した。誰も、何も、喪うことのない道を選ぶために、運命の塔へと彼は帰って来たのだ。


 一旦そこで途切れた先は、ジャンが補った。可哀想に、と音にせず呟いていたのは、うつむき気味のフィリオンには見えていない。

「願いは、叶ったんだな」

「ああ。……けれどその代償は大きくて。だから俺は、もう繰り返したくない。後悔することがあってはならないんだ。でも――」

「迷ったな。あいつを救えるんじゃないかって」

途切れがちになる所を、ジャンは躊躇いなく拾っていく。こうしなければ、きっとフィリオンは目を背けてしまうと思っているからだ。この歳で初めて挫折を知ったのなら、おそらく精神的な苦痛は相当なものだろう。しかし彼には、その現実を直視してもらわなければならない。

「でも、俺がそうするということは、ライの選択肢を奪うということだ。だからライの真実は話せなかった。けれど、独りにしておけなかった」

「中途半端は最悪の選択だ。よく覚えておけよ」

「分かって、いる。つもりだ」

「煮え切らないなぁ。お前、何が引っ掛かってるんだ」

 ジャンの声に苛立ちが混じり始める。元々、気遣いというものは苦手というか、いっそやらなくて良いなら無視したいものなのだ。情報を引き出すことに気を取られて体調不良さえ忘れかけていたが、そろそろ限界とばかりに、ジャンは敢えて過程を飛ばして問うた。

「――ライは、まだ、一度も笑っていない」

そして今にも泣きだすのではないかというほど落ち込んだ声に、やはり駄目かと少しだけ頭を冷やした。

「……まぁ、雰囲気で分かるし。あの感じだと本人は笑っているつもりだろうから、言わぬが花、だろ?」

 おそらくフィリオンは気にしていると思ってはいたのだ。いくらライオネルが拒絶を止めて、ほぼ本来の通りなのだろう性格になったとしても、まだ表情が変わらないことを。声に感情が乗るようになってきたおかげで、なお無表情なことが強調されて、未だ埋まらない穴が見えてしまう。しかもライオネル自身はそれに気づいているかも怪しい。

 だが、それだけでフィリオンの迷いに繋がる訳が無い。

「俺は父さんと重ねて見てしまうから駄目なんだろうけれど、それでも、」

本当は重ねることすら出来ないのだ。

「笑顔が、見たいんだ。声も、言葉も、手の温かさも覚えているのに、思い出せる父さんの顔は、あの時の泣き顔ばかりで――っ!」

込み上げる激情を抑えるように、フィリオンは堅く竜槍を握り締める。目元に溜まったものを乱暴に拭い、一度深呼吸してから再度口を開いても、平静に戻れるはずもなかった。


 フィリオンには「父」であるライオネルの顔を思い出せない。自分とよく似ていることも、優しく笑う人だったことも知っている。だが、どうしても、一番最後に見た涙以外の表情が、分からないのだ。父との思い出は、どれもこれも霞がかったようにぼんやりとして、出来事は分かっても何も見えない。

「――それが、ドラゴニアの代償だ。全ての時間は剣に降り積もり、手にした者に押し付けられて、思い出を容易く押し流す。……忘れた訳じゃない。記憶の海に呑み込まれて、遥か底に沈んでしまったから、手繰り寄せられないんだ」

 巻き戻された時間も、ドラゴニアは全て記憶している。その情報は手にした者へと一方的に流れ込み、ちっぽけな人間の短い人生の思い出を押しのけてしまっても、無感動に渡し続ける。たった半年を巻き戻したフィリオンは、半年分の「世界の記憶」を詰め込まれて、戻って来た瞬間に自分の名前すら思い出せなくなっていた。何とかある程度は取り戻せたが、大切なはずの思い出すら未だに虫食い状態だ。


 沈黙が落ちる。フィリオンの手の震えが槍に伝わり床を鳴らした。そして、先にジャンが口を開いた。

「重い。はっきり言うが籠った感情が重すぎる。そんなものを、戦場に放り込まれて息も絶え絶えの一般人に押し付けるとか、嫌がらせか? ……あいつはお前の親じゃない。結局、お前のやってることはライに『英雄役』を押し付けた奴らと何も変わらない」

その言葉はナイフのように鋭く、どこまでも心に刺さった。ジャンにはその想いの強さを慮る義理など無い。だから、フィリオンが望む姿をライオネルに見てしまっていると気づいたのなら、躊躇いなく突き付ける。

「……ジャンは、厳しいことを本当にはっきり言うな」

「男に優しくする気なんて無いね。何の得にもならない」

「いや、逆に優しいよ。腫れ物に触るような扱いよりは良い」

「確かに他の奴なら同じことを思っても、エルヴィラ以外は言わないだろうな。けど、俺は違う」

ジャンは左手を伸ばすと、フィリオンの胸ぐらを掴んだ。病人とは思えない力を込めて締め上げる。口元は薄く笑っているが、くすんだ水色の目が氷のように冷え切っていた。

「いつまでそうやって機会ばかりうかがってる気だ。神に等しい力を持っていながら何もしないお前は、何様のつもりだ? 見極める目を持たない奴がただ見てたって、何も掴めやしない。今のお前はまさに宝の持ち腐れだな。その才能がライにあれば、あいつは何も失わずに済んだだろうに」

「…………」

 フィリオンには息を呑むことしかできなかった。神という単語に、憎悪を感じたのは気のせいではないはずだ。このような怖気すら感じる微笑みを、今まで見たことがあっただろうか。目を合わせるのに耐えきれないというのに、視線も何もかもが固まって動かない。

 反論も言い訳もするはずが無い。ジャンが手を放すまではほんの少しの時間だったが、怒りを真正面から受け止めて身を凍らせるには十分だった。

「少しは(こた)えたか?」

ジャンは馬車の壁に寄り掛かり直すと、何事も無かったかのように普段の調子に戻った。

「あ、ああ……。でもそれ以上に、ジャンが怖かった……」

「心外だな。殴り飛ばしたいところをこらえて極力笑ってやったのに」

「それが怖いんだよ……。あと病人なんだから激しい動きは控えてくれ。一日で悪化していたら、後でアイリスに何て言われるか」

「言われなくともそうさせてもらうさ。だいたい、お前が情けないこと言ってるから頭に来た訳だからな」

「そこ、自分で怒っているって言ってしまうんだな……」

フィリオンはようやく呼吸を許されたかのような心地だった。今までジャンが本気で怒ったところを見たことは無かったが、一生見る機会は来なくて良かったと感じる。暴力に訴えてくれた方がマシだったかもしれない。


「まあ聞きたいことは聞けたし、今回のところはこれで許してやるよ。後のお前次第ではまた説教だけど」

 あくび混じりに言うジャンは、本当に先ほどの人物と同じなのかと疑いたくなる。アイリスの調合していた薬湯も飲んだので、眠気がきているようだ。

「なぁ、ジャン、一つ聞いておきたいんだ。昨日の夜に話していた作戦って、俺を残すことだけじゃないだろう。クレスが腑に落ちないって顔をしていたぞ」

後で聞いても良かったとは思うが、なんとなく今のうちに聞いておかなければならないような気がした。ただの直感だ。だが、この勘を蔑ろにしても良いことは無いと知っている。

 ジャンは一度だけ眠たげに目を閉じてから、クレスたちへの指示をほぼそのまま繰り返した。

「……アイリスとクレスは一緒に戦うな。アポカリュプスは必ず分断させて来るだろう、その時奴は必ずアイリスの居ない方に来る」

「な……何でそんなこと」

なぜ分かるのか、とフィリオンの驚きをよそに、説明は続く。

「アポカリュプスがなぜ魔法でアイリスを狙わないのか、あのリボンの魔法のせいだ。やたらと限定的な魔法に対しての変に固い防御が、あいつの使う魔法に対してはちょうど嵌ってる。これはあのリボンに掛かってる魔法さえ読み解いておけば気づけることだ」

 昨日、アポカリュプスがアイリスの足止めまでは魔法を使っていたのに、最後にわざわざ毒を塗ったナイフを用いたのはそのせいだ。あの場面で攻撃魔法を放った場合、彼女のリボンに込められた魔法の一つが発動していた。それは魔人の力により強く反応し、危険の度合いが高まるほど、魔法効果を増幅して術者に跳ね返す。これだけ聞くと非常に強力な守護だが、実際には本当に命の危険を感じるような状況でなければ発動しないので、最終手段的なものだと思われる。

 リボンの魔法は限定的かつ独特な魔法塗装なので、一目見て内容を理解することは難しい。だが調べれば分からないことはなく、ジャンもセドナに頼んで解析してもらっただけだ。そしてこのことから、アポカリュプスがアイリスを攻撃するには、魔法以外の手段を用いなければならないことは明白だ。

「でも適当な手段じゃ決定打に欠ける。昨日だって俺に邪魔されたし。だから先に周りから潰そうとするはずだ。そして俺たちはアイリスが狙われている以上、守りには一番強いクレスを配置すると思うだろう。普通そうするさ。竜の牙だの不確定要素は多かったが、そこは簡単には変わらない確信があった。これで材料は十分だ。たまには頭を使え」

裏をかくというほどのこともしていないと、ジャンは左の人差し指で側頭部を示してみせる。

「……たぶん、魔法の種類なんてセドナしか知らないぞ」

「だろうな。――それを問題と思えよ。役割分担は良いが、頭だって使わないと錆びつくもんだ」

そこで話を止めて、ジャンはハァと息を吐く。疲労の色が見えることに気づき、慌てたフィリオンが荷物の山から毛布を引っ張り出した。

「わ、分かった。ちゃんと考えるから、今はジャンも休んでくれ。無理をさせてすまなかった」

「本当に分かったのか? ……まあ良いさ。じゃ、後はよろしく」

そう言ってジャンはさっさと毛布にくるまり、一分も経たないうちに眠りに就いた。だいぶ消耗しているのにも関わらず、ここまでの長話に付き合っていたらしい。申し訳なさを覚えつつ、フィリオンは空の食器を持って馬車を出た。

 ドラグニールは邪魔にならない場所に立てかけている。やろうと思えば、どこかの空間に保管して、必要な時に取り出すことも可能だろう。だがまだ、それを便利に使う気にはなれなかった。


(……もう、やり直したいと思うような事態があってはならないんだ。ジャンには申し訳ないけれど、今の俺がドラグニールを使おうとしても、きっとまた「失敗」して失うことになる)

 集会所の少し固い床で、フィリオンは寝返りを打った。すぐ横に解かれた長い髪が見える。月明りの下では、さすがにライオネルとの髪色の差は分からない。

(でもきっと、あの時の顔を思い出せたなら。ピアスをくれたあの時の笑顔と言葉に、勇気を貰ったはずなんだ。騎士になったのは、間違いじゃなかったって)

脳裏に描くのは赤色と青色の二つの輪。お守りとして家を出る時に渡されたピアスだ。それに塗装された、拙いながらに心の籠った魔法は、息子を守りたい母の愛だ。ならば父が用意したという色違いのピアスそのものには、何の意味が込められているのだろう。

 もしかしたら、思い出せない思い出の中で、教えてもらっていたのかもしれない。もうこれ以上記憶を失くしたくないというのに、また失敗した時には、竜剣の力を頼るのだろう。メアリアーゼがこの世界にそれをもたらしたと、分かってしまったのだ。極度に間違いを恐れるのは、破滅的な希望に縋るまでの時間を、先延ばしにしているにすぎない。

(でも、父さんに貰ったものを、君に求めるのは間違っている。求めたって手に入るはずがないのに、馬鹿なことをしているだけだ)

 気分は道に迷った幼い子供のようだった。最初は何とかなると思って、すぐ近くに見知った道があると信じて躊躇いなく歩いていたのに、どんどん真逆の景色に変わっていって、もうこれ以上前にも後ろにも進みたくなくなる時のよう。しゃがみ込んでしまったら本当に動けなくなると、立ちすくんでいる状態だ。

 今そんな彼を迎えに来る人は居ない。楽観的でいられる根拠を失くした少年は、ただ一心に取り戻すきっかけを求めていた。


【Die fantastische Geschichte 0-53 Ende】

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