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文字数とかどのくらいがいいのでしょうか











「まさかロードルという無敗の騎士団の副長が女性とは思いもよりませんでした」


こんな何気ない言葉でさえ皮肉なのではないか?と思ってしまう。やはり女であることがコンプレックスなのだ。

女が男に比べ非力であることを不条理と神を呪ったことさえある。しかしそれは剣についてである。

教会の神官達に女では騎士は務まらないなどとたらたら言われたが、女だからと言われてもこれが私の使命なのだから何を言われても仕方の無いことだ。

故に女だからと言って騎士であることに違和感は、ない。


「私に神託が降りた。ただそれだけだ」




一般兵士のところに言って声をかけたり、魔獣についての予備知識を教えたりと時間はあっという間に過去っていった。そもそも女であることを隠す必要など無いのだ。国軍の彼らと触れて、私の何かが消え去ったように思う。


「それにしても皆若い」


「今回の作戦は14、15師団の新兵が多く参加しております」


「この国にとって重要度の高い作戦とふんでいたのだがこの様子では違うようだな」


「……」


「言えないこと、か」



その後も優男が止めるまで兵士達に出来るだけのことを伝えた。戦場で最も死ぬのは新兵と相場は決まっている。だからこそ生き残ってもらいたい。


名誉の森に潜む魔獣は数が多く、個体はそれほど強くないと聞く。普通分母が大きければ分子もそれだけ大きいはずだが、あの森は勝手が違うらしい。

いつの間にやら目的地に着いたらしい。これは神殿だろうか、私が信託を受けた大神殿と変わらない大きさと凄みだ。


「この先にいる部隊は少々特殊な部隊です」


「どのように?」


「実際に見たほうがよろしいかと」


私は奥に進んだ。

目の前にあるカーテンのような布の先へ、また目の前にある扉の先へ。


「なんだここは」


石が組まれた浴場と言うだろうか、綺麗な水だ。私に一言言うと優男はすでにどこかに行ってしまった。

目の前には二人の生まれたままの姿の白い肌を晒した人がいる。

女性のようだがまだ若い。私の妹とそう変わらないだろう。

見惚れていると二人の内一人が私に気付いたようで、こちらに歩いてきた。


「あなたがロードル騎士団の方ですか?」


私に満面の笑みを向けるとそのまま私の答えを待っているようだ。

近くで見るとよくわかる。美しい。


「はい。ロードル騎士団副長、メイエであります」


「そうですか。さあこちらへ私はあなたのお話が聞きたいのです。その鉄の鎧はここへお捨てください」


「は、はあ」


この世界には神の力と呼ばれるものがあるらしい。その神の力により鎧の重さはある程度軽減され、鎧の中の通気性は何もしていない鎧を着るよりも格段に良い。それでも私にとっては非常に重いし、着慣れていないころは仲間から笑われたものだ。

兜と鎧を近くの石段に置いた。


「まあ!騎士の方ですから、男の方だと思っていました」


「珍しいでしょうか」


男と思っていたのに身体を隠すこともしなかったこの娘達はどういう神経をしているのだろうか。


「御神託を得られたのでしょう?あなたは騎士です」


「……」


「私もあなたのような強く、美しい女性になりたいです」


「あなた様は十分に美しく、人は如何様にも強くなれるものです」


「そうですか?あなたのように美しく、強くなれるでしょうか?」


「私など、美しくも強くもありません」


「謙遜なさるのですね」


「……」


この娘達は寒くないのだろうか。妹とも久しく会っていない。妹はもうそろそろ婚姻が決まる歳であろうし、この娘達もいづれ良き家に嫁いでいくのだろう。


「メイエ様、私はシラ。あっちで水を浴びているのはキスです」


「シラ様とキス様はここで何をしているのですか?」


「身体を清めているのです」


「……何のために?」


「古きドラゴンを鎮めるためです」









 



おらぁ!ドラゴンじゃあ!

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