↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

短歌と音楽 たぶんその1

作者: 綿野草空希
掲載日:2026/08/13


 私にとって短歌とは、文字通り「歌」である。


 「歌」なのだから、当然、声に出して詠んだ時、歌うような響きがあるものを好む。


 私はよく、擬古体で短歌を作るが、これはなにも、格好つけている訳でも、インテリを気取っている訳でもない。

 (実際、私はインテリどころか、低学歴です)


 擬古体を使ういくつかの理由の中に、「歌のような響きを出したいから」というものがある。


 完全な私見なのだが、57577の文字数は、必ずしも現代の日本語には合っていないのではないか? と、考えている。


 例えば万葉や平安の時代の言葉は、単語はおろか、文法そのものまで、現代の日本語とはかけ離れている。


 そう、まるで外国語のように、別物なのだ。


 外国語のように違った言語の時代に形作られた短歌……和歌が、1000年の時を経て、別の言語となった現代の日本語に、果たして合うのだろうか?


 YESと即答するのは、無茶であろう。


 現代語には、例えば68688とか、46466とか、なにか別の文字数がピッタリと合うのではないか? そんな思いを常に持っている。


 故に、私は短歌に擬古体を使うのである。


 ただ、誤解しないで欲しい。

 私は決して、現代語で短歌を作っている方を、批判しているわけではない。


 あくまでも、「歌うような短歌が好き」な私自身が、歌うために擬古体を選んでいる、という話である。


 ――さて、私にとって歌である短歌の作成には、音楽が密接に関係してくる。


 私は執筆の際、必ず音楽を聴いている。

 音楽なしには、執筆が出来ないのだ。

 今、この瞬間も、音楽を聴いている。

 音楽はいたって普通の、J-POPや洋楽だ。


 私の小説は、実は常に、音楽の影響を受けて書かれている。

 例えばそれが、コメディだったとしても。


 そして長時間、音楽を聴いていると、ふとした瞬間に、「この曲をイメージした短歌を作りたい!」と思う時がある。


 そして衝動的に、歌うように詠むのである。


 私の作品にある、歌集「鎌倉~あじさいのうた~」に入れた短歌の多くが、そうして作られたものだ。



 ――随分と前置きが長くなったが、そんな音楽を聴いて衝動的に作られた短歌を一首、ここに記したい。


 聴いた曲はサザンオールスターズの「唐人物語」である。


――――――――

――――



 背とともに 歩みをとめぬ 影法師


     見やるるさくら 散るをとどめむ



――――――――

――――



 「背」とは古語で、親愛なる男性、夫などを指す。


 「見やるる」は古語では、遠くを見る


 あるいは、思いを馳せる、といった意味となる



 つまりこれは、桜の季節に、愛する男性との別れを惜しむ、短歌である。



 ……正直、作った時、イマイチだと思った。

 中途半端な疑古体。


 なにより残念なのが、歌えていないこと。


 だが、何度か詠み返していると、面白いことに気がついたのだ。


 「背」を「人の成長(背丈)」と解釈すると、この短歌は、まったく別のものになるのだと。


 イメージ出来る曲は……そう、森山直太朗の「さくら」だろうか?


―――――――

―――



 背とともに 歩みをとめぬ 影法師


       見やるるさくら 散るをとどめむ



―――――――

―――

 

 「背」を「人の成長」と解釈すると、一転して、成長と旅立ちの短歌となる。


 面白い。 これは面白い。


 私は短歌とは、未完成で良いと思っている。

 完成するのは、聴き手が想像力を働かせて、自分なりの解釈を加えた時だと思っているからだ。


 だからこそ、解釈によって全く違う表情を見せるこの未完の短歌を、ここに記してみようと考えたのである。


 

 皆さんは、どちらの解釈がお好みですか?

 これ以外に、別の解釈はありましたか?


 「自分なら、ここを変えて、もっと別の曲に合わせたい」と思いましたか?


 是非、好きに解釈して、あなたの想像力の中で、この未完成な短歌を、完成させてみて下さい。




 




 ご笑覧、ありがとうございました。

 本作品は、読み切り完結です。

 「短歌と音楽 その2」があるかは、作者自身にも分かりません。


 ↓のボタンで、評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。