表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

ドワーフとカトブレパス④

「了解」

レオが弓を構えた。

――ヒュンッ!

矢が空を切る。

――ガキィンッ!

硬い音。

鱗に当たって弾かれてしまう。

「くそっ弾かれた」

レオが小声で言った。

〈カトブレパス〉

〈移動——右に3メートル〉

〈位置——前方12メートル〉

「前方12メートル」

俺が小声で伝える。

「右に3メートル動いた」

「了解」

――ヒュンッ!

エドの矢も飛ぶ。

――ズブッ!

「ギャアアッ!」

カトブレパスの悲鳴。

「効いてる」

エドが小声で言った。

〈ダメージ——軽傷〉

〈カトブレパス——怒り状態〉

「まずい、キレてる」

俺が小声で言う。


――ブシュウウウッ!

紫色の霧が、煙の中に混ざる。なんだあれは?

俺は咄嗟に解析を使った

〈紫色の霧——毒〉

まずい!毒の霧か!

「危ない!離れろ!」

ダンが叫ぶ。

バルグとブルグが後ろに下がる。

くそっ鱗が硬すぎて矢が通らない!

俺は【解析】を集中させる。

〈カトブレパス〉

〈弱点——首筋、皮が薄い〉

〈位置——前方10メートル、高さ2メートル〉

「前方10メートル」

俺が小声で伝える。

「高さ2メートル」

「首筋を狙って」

「首筋?」

レオが小声で聞き返した。

「そこだけ皮が薄い」

「了解」

レオが弓を構えた。

視覚情報を遮断され、位置情報と勘だけが頼りだ

――ヒュンッ!

矢が飛ぶ。

――ズブッ!

「ギャアアアアッ!!」

カトブレパスが悲鳴を上げる。

これはなかなかダメージを与えたんじゃないか?

〈ダメージ——中傷〉

〈カトブレパス——動き鈍化〉

「よし、効いてる」

俺が小声で言った。

「エドさん、追撃を。前方9メートル、右に3メートルです」

「おう」

――ヒュンッ!

――ズブッ!

「ギャアアアッ!」

再び急所に着弾した

〈カトブレパス——重傷〉

〈動きが大幅に鈍化〉

〈首筋からの出血〉

「動きが鈍ったな」

絶好のチャンスだ

俺が木の下に向かって指示を出す

「今だ!最前線、突入!」

「おおおおおっ!」

ダン、バルグ、ブルグが煙の中に突っ込んだ。

「位置は!?」

ダンが叫ぶ。

「前方5メートル!」

俺が木の上から叫び返す。

「まず顔に布を!」

「了解!」

バルグが厚手の布を顔に向かって投げる

〈カトブレパス〉

〈位置——前方3メートル〉

〈首からの出血〉

カトブレパスの顔に、布を被せる。

――バサッ

「ギャアアッ!」

カトブレパスが暴れているが。

布で前が見えなくて石化の目が使えない。

「よし!次は口だ!」

ダンが縄を持って飛び込む。

「位置は!」

「前方2メートル、少し左!」

――ガシッ

カトブレパスの口に縄を巻きつける。

「バルグさん、反対側!」

「おう!」

バルグが反対から縄を回す。

「ブルグさん、押さえて!」

「任せろ!」

ブルグが頭を押さえつけた。

――ギュッ

縄がきつく締まる。

「ギ......ッ......」

カトブレパスが苦しそうに唸る。

だが——口が開かない。

「完璧だ!」

ダンが叫んだ。

「目も口も封じた!」

「今だ、トドメを刺せ!」

ダンが剣を振り上げた。

布で覆われた頭——

その首筋に——

「おおおおおっ!」

――ザシュッ!!

剣が、深く食い込んだ。

「ギ......」

カトブレパスの声が、止まった。

――ドサァッ

巨体が、泥に倒れた。

「......」

煙が、ゆっくりと晴れていく。

「......やった」

ダンが息を切らした。

「倒した......」


「やった......!」

エドが木から降りてきた。

「勝ったぞ!」

「ああ」

ダンも笑った。

「なんとか——」

でも、疲れ切った顔。

バルグとブルグも、息を切らしている。

「......結構、キツかったな」

バルグが戦斧を地面に突き刺した。

「あの毒の息、危なかった」

「煙幕と布と縄がなければ、負けてたな」

ブルグも頷いた。

「石化の目も毒の息も——」

「どっちも封じないと、倒せない」

「それでも、この強さか」

「......」

俺は、沼地を見渡した。

そして——

カトブレパスの死骸を見た。

「......あと5匹」

「え?」

「あと5匹も、いるんだ」

俺は呟いた。

「同じ強さのやつが」

「......マジかよ」

エドが絶望的な顔をした。

「あんなのが、あと5匹も......」

「......」

みんなが、黙った。

1匹でこの疲労。

あと5匹——

「......やるしかない」

ダンが立ち上がった。

「サドルを作るには、革が必要だ」

「極東に行くには、サドルが必要だ」

「だから——」

ダンが剣を握り直した。

「やるしかない」

「......そうだな」

俺も立ち上がった。

「休憩したら、次に行こう」

「おう」


2匹目のカトブレパス討伐。

同じ作戦。

煙幕、弓で弱らせ、布と縄で無力化、止め。

勝利——でも、さらに疲労。

発煙筒の残り:10本。

「......まだ、4匹」


3匹目。

みんな、動きが鈍くなってきた。

でも、なんとか勝利。

発煙筒の残り:6本。

「......あと、3匹」


4匹目。

ダンが毒の息を少し吸って咳き込んでいた

布が破れてバルグ危うく石化しかけた。

なんとか勝利

発煙筒の残り:3本。

「......もう、限界に近い」

「でも、あと2匹だ」


5匹目。

みんな、泥だらけで疲れ切っている。

でも——

「あと1匹!」

「最後だ!」

気合いで乗り切った。

発煙筒の残り:1本。


6匹目——最後のカトブレパス。

「......行くぞ」

ダンが震える声で言った。

「最後だ......」

「おう......」

みんな、もうボロボロ。

最後の発煙筒を使う。

最後のカトブレパスが、倒れた。

「......終わった」

エドが地面に倒れ込んだ。

「やっと......終わった......」

「ああ......」

ダンも座り込んだ。

バルグ、ビルグ、ブルグも、泥の中に座った。

「......疲れた」

「本当に、疲れた」

みんな、動けない。

「でも——」

俺は立ち上がった。

「やったぞ」

「カトブレパス、6頭全部倒した」

「......ああ」

ダンが笑った。

「やったな」

「さて——」

俺は立ち上がった。

「革を剥ぐ前に、少し【解析】する」

「解析?」

「ああ」

俺は【解析】を発動した。

沼地全体を、スキャンする。

〈生物反応——なし〉

〈物体反応——...あり〉

「......何かある」

俺は泥の中を歩いた。

〈位置——前方20メートル〉

〈物体——革製、小さい〉

「ここだ」

俺は膝をついて、泥を掘った。

ズブズブと、泥が手にまとわりつく。

「何があるんだ?」

ダンが近づいてきた。

「分からない。でも——」

俺の手が、何かに触れた。

硬い。

革の感触。

「......なんだこれ?」

俺は、それを引き上げた。

小さな、革のカバン。

泥だらけだが——しっかりとした作り。

「カバン......?」

レオが覗き込んだ。

俺はカバンを開けた。

中には——

革を切る小さなナイフ。

針と糸。

ナイフの柄に名前が書いてある

「ダグラス?これってもしかして...」

体調を崩していて投稿が遅れるかもしれません....

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ