ネット配信黎明期の思い出
全く新しいカルチャーを作る人々は
既存の文化圏の外にいる人達、
つまり無職の人達だ。
インターネット生配信も
一つのその現象であった。
ネット配信は
2023年現在、
全ての若年層や中年層は一度は
やったことはあるのではないだろうか。
2000年代前半は
ネットで顔出しで配信することは
常軌を逸した行為だと思われていた。
2005年前後の配信サイトは
ピアキャスト、スティッカム、
ユーストリーム、
ニコニコ生放送がメインだった。
配信している人は変人ばかりで
会社に入っても
すぐ辞める無職の人や
バンドマンや
定職についていない人達が
ほとんどであった。
その数年後2010年代になり
投げ銭配信サイトである、
ツイキャス、
ふわっち、
YouTubeライブが登場した。
その後に、ポコチャ、
イチナナライブ、BIGOライブ
など数多くの配信アプリが登場し、
現在は配信コンテンツ戦国時代とも
言えるのではないだろうか。
配信の収益化の是非は
2000年代後半から
ニコニコ生放送などで
盛んに議論がされていた。
配信者はリスナーに
エンタメを提供する対価に
投げ銭をもらってもいいのではないか。
という意見と、
いやそうすれば
金儲け目的の配信が増えて
今までの好きという動機だけ
でやっていた、
配信カルチャーが崩壊する
という意見が対立し
賛否両論となっていた。
2010年前後、
先見の明がある人は
楽天銀行の間だと
送金の手数料が無料で
インターネットで
振り込みができることから
楽天銀行で投げ銭を募る方式を
考案したり、
三菱UFJ銀行に直接振り込んでもらう
ダイレクトな方式を
採用する配信者も出てきた。
2023年現在、
配信は投げ銭が主流になり
2000年代後半に危惧されていた
拝金主義、商業的配信が横行している。
YouTubeライブで総額4億円を
超える投げ銭を獲得した
YouTuberも出現したという。
裏には事務所の影があり
企業で使われていた
マーケティング知識や
ブレストを使ったビジネス企画、
経営大学院などを出た
プロのマネージャーのマネジメントを
配信に応用して莫大な利益を
生み出しているようだ。
2000年代後半から配信していた
配信者は
昔はみんな配信が好きで配信していた。
今は何のために配信をしているかと
配信者に聞くと
金のためにみんな配信している、
商売として配信している
という言葉を聞くことが多い。
その言葉を聞くと
なんか私は悲しくなる。
昔はリスナーのために
人を楽しませるために
配信をする人が多かったのに
今は自分の利益や
金儲けのためだけに
配信している配信者が増えてきた。
しかし昔は配信を
収益化するシステムがなかったので
配信者は本当にお金がなかった。
言い方は生々しいが
配信者といえば貧乏人
というイメージが昔はあった。
吉野家がご馳走と発言する
配信者もいたし、
私も昔は浪人している
スティッカム配信者だったので、
鶏胸肉がご馳走だった。
拝金主義、商業的になった
リスナーに媚びるようになった
なんかつまらなくなった
と言われる
配信業界だが
多くの配信者が配信で
食えるようになって
私はこれはこれで良かったと思う。
だけど2000年代後半の
みんな配信が好きだ!
という
純粋な気持ちだけの配信の
楽しさ、笑い、感動は
私の記憶に刻み込まれている。
あの頃の配信者とリスナーの笑いは
褪せない笑顔で溢れている。