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vsヤマタノオロチ 4

 ビキビキビキッ!


 突如として地面に発生する地割れに、トッドは冷や汗を掻く。

 その地割れはまるで意志を持つように発生し、トッドを飲み込まんと地面が二つに開いた。

「これは……土魔法っ!?」


 思わず身体の内側が震えるほどの強い振動に立っていられない身体を強引に制動しながら、前へと跳ねるように駆けた。

 隆起した土を足場にして跳び上がると、辛うじて攻撃を避けることに成功する。

 しかしほっとしたのも束の間、再び強い揺れと共に大地が陥没し始めた。


「ギャアアアオッッ!!」


 八つ目の首が発動させたのは、今までの首が放つ魔法が児戯にも思えるほどに大規模の土魔法だ。

 首が唸る度に、地面が生き物のようにその姿形を変えていく。


 地面から飛び出す土の槍や、範囲攻撃として飛んでくる砂の礫。

 先ほどまではトッド達が一方的に攻撃を繰り返していたが、形勢は完全に逆転してしまっていた。


 ガールーは攻撃を食らわないよう、とにかく後方に下げさせる。

 そして中衛として、レンゲとランドンを置く。


 残る全員で、ヤマタノオロチに対し接近を試みる。


 遠距離攻撃では分が悪いのなら、先ほど優位を保てていた白兵戦に持ち込んでしまうのが一番手っ取り早い。というかこのままでは防戦一方なのだから、やるしかないという方が正解だ。


「すうううっっ……」


 中でも一番秘められた実力を発揮させたのは、シラヌイに乗り込むタケルだ。

 タケルは縦横無尽に跳び上がり、飛来する土魔法すら己の足場にして駆けていく。

 まるで空を駆けているようで、重力を感じさせない軽やかな動きだ。


 土の槍を剣で叩き割り、せり出した土の壁を乗り越え、礫を掻き分けながらぐんぐんと前に進んでいく。


「ギャアアオッ!」


 タケルを一番の脅威と認定したヤマタノオロチの攻撃が狙いを定め、魔法を発動させる。


 タケルを追尾するように地面が割れていく。


(なるほど、流石に地割れを起こすには溜めが必要なのか)


 外から眺めることができるようになったことで、観察をするだけの余裕が生まれる。

 トッドは攻撃の弾幕が薄くなった中を、比較的余裕を持って進んでいく。



 タケルは恐ろしいことに、地割れの瞬間に即座に左右どちらに飛び退きながら動くことで、前に進み続けていた。

 そして一番の攻撃に晒されながら、一番最初にヤマタノオロチの下へと辿り着いた。


「おおおおおおおっっ!!」


 タケルは恐ろしいほどのバランス感覚で、首の猛攻を掻い潜りながら胴体を上っていき、攻撃を繰り返す。


(いやいやいや……すごいね、タケルは)


 少し遅れて、トッドもヤマタノオロチに取り付いて攻撃をし始めた。

 見ればライエンバッハ達も再び接近に成功し、攻撃を再開している。

 ガールーは狙いを回復を司る第二頭に絞り、相手が傷を癒やすのをとにかく防いでいた。


 土魔法による攻撃は、タケルが一手に引き受けている状態だった。

 けれどタケルはその攻撃を掻い潜り、時に押し戻されながらも大きな傷を得ることなく戦い続けることができていた。


 魔法による攻撃を食らいながらも、こちらも攻撃を続ける時間が続く。

 流石にタケルの負担が大きくなりすぎたため、途中からは包囲網を作って攻撃を分散させていく。


「――取った!」


 そして同じ箇所へ攻撃を繰り返していたライエンバッハの努力が実を結ぶ。


 ヤマタノオロチの二つ目の首が、度重なる攻撃に耐えきれずに絶たれたのだ。

 トッド達は自身も傷を負いながら、ヤマタノオロチを着実に追い詰めていく――。

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