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番犬  作者: 水京香
3/3

「やっぱり遅かったですね、圭亮さん」

「うっせーんだけど」

「そんなこと言っても、負け惜しみにしか聞こえませんよ」


志人は挑発するような笑みを浮かべたまま、ごろりと寝そべった。

飼っている黒猫が、彼にすり寄って甘え声をあげた。

網の先からぽたりと雫が落ちて、風呂上がりだという事を示している。


「ねー、圭亮さん」

「何だよ」

「暮葉と夏樹ですけど、何の任務ですか?」

「えー…首相の警護」

「ああ…」


面倒ですねえ、と呟いた。

確かに面倒だとは思う。

警護関係は、二番隊の仕事なのに、どうして一番隊がやっているのか。

二番隊長の由那が言うには、隊士全員が風邪を引いたという事らしい。

ばかみたいだ。

彼らは生まじめで、手を抜く事を知らない。

だからあんなことになるのだ。


「真面目なのが一番いいんですよ?」

「人の考えてる事読むな」

「読んでません。なんとなくわかるじゃないですか、圭亮さんは単純ですし」

「うるせえ」

「あ、帰ってきたみたいですよ」


志人は話を逸らし、玄関を見やった。

バンッと大きな音を立てて、扉が開き二人の女が入ってきた。


「ただいまー」

「腹減ったあっ!」

「おかえりなさーい」


志人はニコニコと笑いながら言った。

無造作に伸ばした黒髪と、左目に眼帯をした女が、不意にバタリと倒れる。

茶色味がかった短い髪の女が、しゃがみ込んで引っ張り起こした。


「えー何?暮葉お腹すいたんですか?」

「お腹もすいたけど、疲れたみたい」

「何でだ」

「首相!」


暮葉はガバッと起き上がって、うええ…と変な声を出した。


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