プロローグ
プロローグ
「魔王覚悟しろ!」
「ふん!笑わせる」
暗く大きな建物の中で二人の男が立っている。一人は剣を構えもう一人はマントを翻し微笑を浮かべていた。
「はぁぁぁ!」
剣を持った男が先に走り出し魔王に斬りかかった。
「甘い!」
魔王は火の粉を払うように剣を持った男の攻撃を跳ね返した。
「ぐっ」
「この程度かならば次はこちらから行くぞ!」
そう言うと魔王は手に黒い炎を出すとその炎を剣を持った男に向けて放った。
「ぐぁぁぁ」
剣を持った男は悲鳴を上げ全身丸焦げの身体となり地面に倒れた。
「ふっ、他愛ない」
魔王がそう呟き倒れた男に背を向けた瞬間、矢と火の玉が飛んできた。
「ん?」
魔王は飛んできた矢と火の玉を風圧だけで搔き消した。
「大丈夫か」
「助けに来たわ!」
そう言って倒れた男に駆け寄った弓を持った男と杖を持った女が現れた。
「すまん…」
「待って直ぐに手当てを」
そう言うと女は倒れた男の身体に手を出して呪文を唱え始めた。するとさっきまで丸焦げの身体だった男の身体はみるみる直っていき
不死鳥のように蘇った。
「ありがとうすっかり良くなった!」
すると剣を持った男は再び剣を構えた。
「回復は済んだか?」
魔王は無駄なことをと言う目で、その三人を見た。
「くっ!不意打ちも無駄みたいね」
「二人ともアレをやるぞ!」
「おう!アレだな!」
「えぇ!わかったわ!」
剣を持った男がそう言うと弓を持った男と杖を持った女が頷いた。
「何をしても、無駄だ貴様らと俺とでは天と地の差がある。」
すると杖を持った女が地面に魔法の陣を作り剣を持った男は剣を魔法の陣に突き立て、弓を持った男は矢と弓を突き立てた。
「何をするかと思えばただの祈りの儀式ではないか」
魔王は苦笑して三人を見下ろした。
すると陣の中から大きな魔神が出現した。
「これで!どうだぁぁぁ」
三人が叫ぶと魔神は魔王に殴りかかった。
「小癪な!」
魔王は魔神に気を取られていると杖の女が魔王のしたに別の陣を敷いた。
するとたちまち魔王の足元が石になった。
「何⁈」
「今よ!」
「はぁぁ!」
「トドメだぁー!」
杖を持った女がそう言うと矢を持った男が魔王の腕を射て、剣を持った男が飛び上がり魔王の身体に斬りかかった。
「ぐわぁぁぁ」
魔王は地面に崩れ落ちた。
「やっやったぞー!」
喜びに満ちた三人は勝利の雄叫びを上げた。
「ふっふふふはははは」
しかし、倒れたと見えた魔王はよろめきながらも立ち上がった。
「何!まだ動けるのか?」
「はぁはぁ、確かに貴様らはこの魔王に致命傷を与えた、そこは褒めてやろう」
「だが俺にはとっておきの秘策がある!」
そう言って魔王は懐から黒い球体を取り出した。
「それは!まさか!」
「そう、これこそ世界を破滅させると言われる黒き秘宝テラ・エンド」
「これで俺とこの世界の終わりだぁぁぁ」
魔王は秘宝を思いっきり投げた。
「ふは、ふははは」
「やめろー!」
剣を持った男の叫びも虚しく秘宝はたちまち黒く発光した。しかし、秘宝はそのまま勢いよく落ちて来た。
「えっ?」
「えっ!」
すると魔王の頭上で再び黒く発光し四人と辺り一面を包んで消えてしまった。