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幻想郷
何も無い無人島。
男はそこにいた。
舟は使い物にならない。
波によって壊れてしまった。
タバコは濡れ、ライターは消失。
無論。携帯機器は無い。
とりあえずやることは無いので
無人島を1周してみようか。
何か拾えれば上手く使って
それで舟ができるかも知れない。
そんな妙な期待と共に歩いた。
がそんな期待は泡と消えた。
「今日は寝るか。」
服はいつの間にか乾いていたので
その辺の枯葉を下にして寝た。
「幻想の世界へようこそ。ここは幻想郷です。」
目の前には女性。そうかこれは夢だな。
幻想の世界とはいい夢を見たものだ。
今いるここは地獄だと言うのに。
「いいえ、地獄ではございません。幻想郷です。」
「私の考えていることがわかるのですか。」
女性は頷いた。
幻想郷の世界へと、のめり込んでゆく。
「さぁ、一緒に行きましょう。」
そこにはきらびやかな風景。
美味しい食べ物。
癒される動物達。
ずっとここにいようかな。