旅行先で買い物
この山買います。青年はそう言った。
可もなく不可もなく、
貧乏そうでも裕福そうでもない
いたって普通の青年。歳は20代前半な見た目。
「山を買う金がどこにあるんだ。」
この田舎の老人が言った。
「それがあるんです。今から現金でもいいですよ?」
きっと頭がおかしいんだ。
と老人達は話し出した。
しばらくしてこの村の村長が出てきた。
「この山を買うのかね。」
「はい。買います。いい山なので。」
「この山は8億だ。」
「わかりました。後払いでいいですか?」
「何を言っているんだ。
町にしか銀行はない。
何も無い田舎なんでな。
ここから町まで片道2時間だ。
車も通れんので歩いていかんと無理だ。
それでも後払いかね?」
「わかりました。現金で払います。」
村長は青年を諦めさせようとしたが無理だった。
まさか本当に8億円が手渡されるとは。
辺りはもう暗い。もう0時だろうか。
月が真上にある。
月と星でぼんやりと明るさを保っている。
そして青年はまたおかしな発言をした。
「旅行でここに来ているので
この山配送してもいいですか?」
村長はもう何も言えなかった。
衝撃的なことがありすぎる。
だが実際に8億円をもらっているのだ。
「ど、どこに配送するのかね?」
すると青年は笑いながら真上を指さした。