ECという名の異常者達
自分で書いてて思うんですけど、BJって重い笑
日も傾き、赤い屋上に乾いた風が吹く。
「あ、あんた、何をしているんだ?」
俺は戸惑いながらも聞く。
「クックック。まさか君がBJの人間だったなんてな」
「何を。知っていたんだろ?副校長さんよ」
「ふっ、BJにはもう全てお見通しってわけか」
と言いながらタバコに火をつける。
俺は銃を構える。
「副校長いや、大口順一、貴様を排除する」
俺が言うと、大口がフーッと煙を吐く。
「まぁ落ち着け。俺が何をした?まだ何もしてなかろう」
と、ニヤつきながらこちらを見る。
俺は大口の頬を指差し、
「その傷は俺がさっき撃った時の傷だろ?つまり、さっきのチンピラどもはお前の差し金だろ?つまり、お前も共犯だ」
そう言われた大口は笑い出した。
「はっはっは、大したものだ。だがな、半分は間違いだ。確かに俺は共犯だ。だがな、俺はただの見張りに過ぎない。つまり我々のボスはこんなところに顔を出すようなお方ではない」
俺は銃を大口の眉間に銃を向けた。
「じゃあ、案内してもらおうか」
俺が言うと、大口は、
「我々を舐めるな。お前らBJがいる事くらいこちらも把握済みな事でな」
と言うと、西の方角を見た。
夜にさしかかり暗くなった空からこちらに何かが高速で向かってくる。
バタバタバタと言うローター音がだんだん近ずいてくる。
「ヘリ...か?」
この音は間違いなくヘリだ。なのに明らかに聞こえてくる音がおかしい。更に、むかってくるヘリの高度も不自然だ。地上にロープを垂らして回収に来るならばわかるが、ここは校舎の屋上。ヘリの高度が低すぎる。
すると、突然縄ばしごが降ってくる。
「なに?」
俺は上を見る。そこにはステルスヘリコプターがいた。
「ははは!ここは東南北をビルで囲まれているからな!音が反射して気づかれまい」
大口は縄ばしごに掴まり、
「はっはっは!じゃあな!地獄で両親と面会させてやる!」
と言い残し去っていった。
「クソ!」
俺が追おうと後ろを向いた瞬間、背後のローター音に気づいた。
そこには武装した装甲ヘリが3機。
俺はゆっくりと銃を構え笑った。
「ふ、ここを俺の墓場なんかにする気はねえぞ」
俺は深呼吸をし、
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
とヘリに向かって弾丸を放ち始めた。
やがて夜になり、雨が降りだした。
明るかった屋上も暗くなり、霧が出ていた。濃霧の鉄くずだらけの屋上に月明かりがさした。赤と黒の水がついた鉄に光が反射した。
その鉄の下には右手を上にあげ、荒く呼吸する少年が。
俺は勝った。
もう体の限界はとっくに超えているだろう。あちこちに切り傷が付いている。
機械の部分にも多くの凹みがある。
俺は頭以外を機械にする事を覚悟したくらいだ。
ウーウー!
遠くから消防車やパトカーのサイレンが聞こえてくる。
「クソ...ここから逃げなくちゃ...!」
俺は足をギシギシと鳴らしながらゆっくりと学校から出た。
俺は目立ちにくい学校の裏路地に回った。
「要...君?」
聞き覚えのある声だった。
そう、この声は...。
急に視界が遠ざかっていく。
ここから俺の記憶はない。
「要君!要君!」
そう言いながら駆け寄ってきたのは幼馴染のユリカだった。
そこに、キューっと雨道をドリフトしながら黒いバンが登場する。
「な、なに!?」
ユリカも驚く。
バンは俺とユリカの前で急停車する。
そして、勢いよく扉が横に開き、
「エリ!ユウナ!要の血痕回収を頼む!」
『了解』
と車から黒ずくめの2人が飛び出していく。
「そこのあなた!車に要を乗せてちょうだい!」
「は、はい!」
ユリカは俺を引きずりながら車に乗せた。
やがて2人も戻り、ユリカを乗せたまま車は急発進した。
車で移動中、
「へぇ、君があの要の言っていた幼馴染か」
と、運転席から声がする。
「は、はい!えっと...皆さんは...?」
とユリカが恐る恐る質問した。
「私等か?私等はBJの人間さ」
と言うとユリカが
「B...J...殺しの...」
と震えながら言う。
「まぁ世間の評判だな。仕方ないさ。でも、我々はユリカちゃんを歓迎するよ。でもよく得体の知れない人たちの車に幼馴染を乗せようと思ったわね」
と言うと、
「は、はい。要君といい関係でつながっていたので」
車内は呆然とする。
「ま、まぁいいか。私はユリエだよろしくな」
と場の空気を変える。
「それで、今どこに向かっているのですか?」
とユリカが聞くと、
「BJの本部だよ」
とユリエが答える。
「やっぱり要君と私を...」
と不安そうに言うユリカを見て
「はっはっは!まさか私たちが仲間とその大事な幼馴染を殺すとでも?」
そのユリエの発言に、
「要君が仲間?」
と驚く。
とユリカが不意に俺の方を見る。
あちこちから露出した配線や金属。
それを見たユリカは黙りこくってしまった。
その空気を察したユリエが、
「要とはうまくやっているの?」
と質問すると、
「んー、最近は謎のおっぱいが大きいピンク髪の先輩とぺったんこの金髪の先輩とよく話しているから、あまり一緒にいませんね」
と、ため息をつきながら言った。
「その先輩のことどう思ってる?」
ユリエが面白そうに聞く。
「別に嫌いなわけではないですけど、私の要といちゃついているわけだからあの牛乳とまな板には覚悟してもらわないと」
そんな事を言っていると後ろから、
『誰が牛乳だって?』
『誰がまな板だって?』
と声がする。
ユリカはとっさに振り向く
「あ、あなたはさっきの...ってデカピンク!そっちはまな金!」
「誰がデカピン...」
エリが襲いかかろうとした時、
ピーッピーと、俺の腕に仕込んである血圧機が危険アラームを鳴らした。
「あー、まずい。速度上げるからどっかに掴まって」
と言いながらユリエはアクセルを踏んだ。
そして、拠点につきすぐさま俺は担架で運ばれた。
そして、たまたま出てきたナオによってユリカは客室へと案内された。客室で待ちながら、
「君は一体誰なんだい?」
とナオにユリカが聞く。
「わ、私はユリカです!」
と答えた。
そこに先生やエリ達も現れる。
「おや、君がユリカ君か。名字を教えてもらってもいいかな?」
と先生が温厚に聞く
「えっと、九条有理香です!」
と答える。
「ほう、驚いたな。君が...」
というとエリが、
「そんなことより要に何をさせたんですか!?急に回収してくれって...」
と先生に怒る。
「その話は後でしよう。とにかくこの子が例の『EC』みたいだぞ」
という先生の言葉を聞いて皆驚く。
「この子が最後のECですの?」
アリアが驚く。
先生も頷いている。
その様子を見てユリカはキョトンとしていた。
先生がユリカに説明した。
「ECとは、especially childrenの略称さ。皆何かしらの特別な力を持っている。君にも何かあるはずだ。特別な力が...」
するとユリカは考え始めた。
「特別な力...」
すると、突如ユリカが立ち上がって、
「要君!」
と走って客室を出て行く。
それをみんなで追いかける。
俺が目を覚ますとユリエさんの部屋にいた。
そして、起き上がると同時に勢いよく扉が開く。
そこには息を切らしたユリカの姿があった。
「ユリ...カ?」
俺の身体中が震えだした。
「どうした要!?」
ユリエさんが駆け寄ってくる。
「おい!エリ!0.8倍の鎮静剤!ユウナ!可燃式の吸引機を持ってきてくれ!!」
『わ、わかった!』
2人はバタバタと走って行く。
「要にぃ、だ、大丈夫かな」
ユリカの服の裾を掴みながらナズナが言う。
ユリカは少し困惑している。
「この子はナズナ。ECを差別的に見る両親だったから捨てられて先生に引き取られたのよ」
とナオが説明した。
「でもこの子、まだ小さいわよ...」
ユリカが少し暗めに言う。
「うん。まだ小学6年生よ。ECだって親が言いふらしちゃったせいで学校にも行けてないの」
そこに2人が言われたものを持って戻ってきた。
「要!吸って!」
ユリエが俺の口にセットする。
しかし俺の呼吸は治らない。
「要!一体どうしたと言うんだ!」
ユリエが汗をかく。
すると、ユリカがゆっくりと歩み寄る。
「要君...どうして怯えているの?」
と、俺の手の上にユリカが手を乗せる。
「要君、昔の事を思い出しているの?」
そのままユリカは俺に抱きつく。
「大丈夫、私はいなくならないよ」
と耳元で囁く。
俺の意識はスッとなくなっていく。
なんだろうこの感覚...体が浮いているようだ。
『父さん!父さん!』
騒ぐ声が聞こえる。
俺は声の方へゆっくり歩き出す。すると目の前に景色が広がる。
...ここは...。
天井もで吹き抜けの大きな建物。中には沢山の作品が。
ここはまるで吉蚊野町ミュージアムのようだ。
いや、ようだじゃない。
俺は確信を持つ。
なぜなら、さっき響いていた声は俺がまだ小さかった時の声だからだ。
向こうから小さい男の子が走ってくる。間違いない。11歳の時の俺だ。
過去の俺は俺に向かって全力疾走だ。
「危なーーーーーーー」
俺の足に当たりかけ、そういった時だった。
スッと俺の足を通り抜けていった。
なんなんだ...?
俺は動揺を隠せない。
やがて過去の俺は背の高い男性に抱きつく。
「父さん!」
俺は思わず叫んでしまった。
『母さんは?』
過去の俺は父さんにそう尋ねていた。
何度も...。
確かに、天井崩落の時、母さんはいなかった。
俺はその事をふと思い出す。
その瞬間、周りが突如発光し、視界を奪う。
俺が目を開けると、景色が変わっていた。
「ここは...」
そんな事をぼやきながら辺りを見回した。
「離しなさい!そんな事したって無駄よ!」
と言う声が辺りに響く。
女性が、数人の男に捕まっていた。
「母さん!」
そう。捕まっているのは母さんだ。間違いない。
俺は男どもに向かってタックルをする。
しかし、攻撃が当たるわけもなく、俺は転んだ。男の中の1人が母さんにボタンの様なものを見せつける。
「このボタンはなぁ、ここ、吉蚊野町ミュージアムの天井に仕掛けられている時限式瞬間劣化材噴射装置の停止スイッチだぁ。うひひひひひひひ。何が言いたいかわかるよな。じかんは残り10分だぁ。ひっひっひ、余命を楽しむんだな!おいお前ら!女を柱にくくりつけな。俺たちゃ脱出するぜ」
そう部下に命令し、男は去っていった。
「卑怯者!卑怯者!」
母さんはジタバタし、必死に縄を解こうとする。
「おっと、危ない、ボタンをおき忘れるところだった」
くくりつけるために残っていた部下の1人が、母さんが足を伸ばしても届きそうで届かない場所に置く。
「母さん!俺がとってやるから!」
俺は必死でボタンをおしやろうとする。しかし、動かすどころかボタンに触れもしない。
そう思った瞬間、また光が出て、目が眩む。
気がつくと、今度は誰かに寄生しているような景色が現れる。
ここはどこだ!
そう思いながら辺りを見回すと、それと同時に世界が見渡される。
連動してる!次は助けられる!
俺はそう意気込んだ。
しかし、今俺がいる場所は誰かの部屋のようだ。
置いてある時計を見ると、吉蚊野町ミュージアム天井崩落事件の怒る15秒前。
「クソッ...!何で!何でいつも助けられない!」
俺は泣きそうになりながら下を見る。
!
あるものが視界に飛び込んでくる。
それは俺いや、寄生していると思われる人間のおへその辺りから何本もの線が伸びている事だ。
そして、天井崩落の起こった時間になった瞬間、二本の線が砕け散り、一本の線はつながっているのか分からないほどにまで細くなった。
線...線...線...!!!
思い出した!線と深く関わっている人間を!
それは今から7年前に遡る...。
Twitterとかもやってるよ!
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