表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
21/143

地獄のピクニック

激しく煩い程の鬱陶しさがある太陽。

擬音を使うとしたらサンサンでなくギラギラの方が合っているだろう。


つまり何が言いたいかと言うと暑い。



こんな暑い日に暑い太陽を浴びてピクニックなんて僕を殺しに来ているとしか思えない。


30人位の子供の集団が先頭を歩く先生に元気一杯に追いかけている。

とても憂鬱なピクニックだ。



場所は僕がいたヨークルトシティよりそこそこ離れた山を登っていた。

斜面はそれほど大したものでは無いが、終わりが見えない。


ランニングで1500メートルを走るとして片方には距離数を教えるが片方には教えないとする。

その場合、距離が分かっている者は目的が分かるため、ペース配分を理解出来るので負荷なくやれるが、分からない者はその逆でどれだけやらなければならないのか分からず、常に力をセーブしながら走り、いつ終わるのか分からない為、自身がどれだけ走ったか分からなくなり全然走っていなくても長距離を走った気持ちになる。


そんな無駄な思考が僕の中に巡っている。



その中には必要以上に無駄な動きをしたり、体の比率に合っていない荷物を持っている奴もいる。

頭がおかしいとしか思えない。

自分達も何処がゴールか分からないのにだ。


でもまあ、彼らは恐らくこれを楽しんでいるからなのだろう。

結局終わりが分からなくても楽しんでしまえば、いつの間にか時間も過ぎているって事か。



「...子供の生命力って..スゲー....」



小声で普通に尊敬する。

子供にとっては出来て当然かもしれないが大人になったら、そんな疲れる事は簡単には出来ない。


逆にいえば子供だから出来るんだな。



「人ってのは心も体も退化していくものなのか...」



大きく溜め息を吐く。

そんな僕に後ろから肩を叩かれる。



「おい!カジマ!てめぇおせえよ!!」



後ろから声をかけてきたのは見た目は子供しては大きな体のガキ大将をやってそうな奴だ。

子供達の会話からジャンマと呼ばれている。


なぜ僕がカジマと呼ばれているかというと偽名だからです。

大人の僕と子供の僕とでしっかり分別したいからだ。

実は大人なんて事をバレたらヤバイんだろうしね。



「そんなにトロいのによく魔法学校に入ったな?」


「そうでありますよ。どうやってこの超名門の魔法学校に入れたのかは分からないが居る以上は恥にならないようにしていただきたい。」



もう1人ガキ大将ジャンマの隣でブツブツ言ってるのは優秀な家系に生まれたと言わんばかりの雰囲気を(かも)し出す眼鏡のチビが何か言ってる。


特に自分が飛び抜けて凄い訳でも無いのにやたらと上から目線の奴。

彼はマウルなんて呼ばれている。


あからさまによくマンガで出てくるイジメっ子の2人組みたいだ。




「ったく。そんな鞄背負ってるから遅いんだよ!その鞄よこせ!目的地までは俺の物だ!!」


ジャンマがそう言うと僕から鞄をブン取る。

いや。別に鞄が重いから遅いわけではないのだが。



「しっかりして下さい。理由はどうであれ無能者であれ関係ありません。貴方も僕達と同じこの学校の生徒です!一緒に頑張るんですよ!!」



マウルがそう言うと彼の魔法で僕の体を少し浮かせてくれた。

いや。別に体が重いから遅いわけではないのだが。


それでも僕の前を行く彼らの背中を見ながら目に涙が滲んでいた。



何でそんなにも良い奴等なんだよ!!!




しかし彼らのような良い奴等ばかりでは無かった。

同じクラスの子供達とか先生達は僕の事を良く思っていない奴だって沢山居る。


僕は魔法が使えない。それなのに名門の魔法学校に通っている。

当然のように前代未聞。

実はそんなに簡単には入れないのだ。


しかし簡単に入れた理由としてはシルバー冒険者のバーミンがこの学校の学校長にコネで入れて貰えた。

だが、この学校の学校長しか知らない為、皆からは怪しまれている。



あの(バーミン)、普通の学校で良いのに敢えて名門にしやがった。

お陰様で恥ずかしいし周りの疑いの目が痛い。



だがキュウカの方は裏の世界での経験のお陰で、かなり優秀なようで僕とは違って一目置かれている。

おまけに美人なので男子達からもモテまくりらしい。

僕と同じ境遇で無くて良かったと思っている。



そもそも何故僕は文字を学ぶためにわざわざ子供になって学校に通っているか。

実はこの世界は子供の通う学校でないと文字を教えていない。

当然の事だがこんな事は幼い頃に出来て当たり前。なので大人になってから文字を教える文化なんて無い。

つまり大人になったら喋れたり文字を書けたりするのは当たり前。

出来ない奴は生きていく資格はないと見捨てているのだ。



病気になったら誰かに助けて貰うか死ぬしかない。

恐ろしい世界だ。前の世界でも、もう少しマシだと思えた。



だから子供しか学べない。

子供の姿で学ぶしかなかった。



「どこまでも酷い世界だ...」



集団からまたさらに離れていく。

下を向きながら歩いてるので集団からさらに離されている事に気づく。

とりあえず色々と考えるのは目的地に着いてからにしよう。



そんな事を考えながら小石に(つまず)いたのは秘密です。


体重がかなり増えてしまった。

痩せたいとは思うがダイエットをする気はない!

まあとりあえず走ろう。(´д`|||)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ