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世界観・裏

何故かシリアスというか、おかしな方向に進んでる気がする今作。さくっと短編でと思っても、ルールに沿わない結果に……。でも完走目指して頑張ります(まだ重要人物たちすら出ていない遅筆振りから目を逸らしつつ)

「クレアレッドですが、教会のシスターから学んでくるようにと送り出され、学園に通う事に。その後恋をする相手に対して、のほほんとしていて、安心感を持つ。怖いピリピリとした雰囲気に、若干苦手意識を持つ。傲慢というか、不遜的な態度に、若干押され気味に。裏知識の秘密は悪役令嬢家に昔仕えていたこと、貴族に対して良い感情を持ち合わせていない、姉の仇を取りたいと密かに思いつつ神に仕える自分との板挟みになっている。」


ここで、いつの間にか取り替えられたカップに入ったお茶を口に含み、一息つく女。


「ルノワールですが、スラムに居たらとある貴族の従者を名乗るフードを被った奴から、主に見初められたので、学園に入り教養などを学んで来いと命令され、学園に通う事に。その後恋をする相手に対して、何か鈍感そうで、ぽやぽやしてる奴だな。苦手というか、敵対心バリバリ。生意気な奴だけど、逆らえない奴。裏知識の秘密はスラムの建物で看病されるに到ったまでの記憶がない、つまりスラムに流れてきたところまでの記憶が全くない、スラムを害する奴ら(兵士)につけられた背中の一部に傷、そして、髪色をくすませるために汚しており、また髪を切ったりしていないから前髪で瞳が隠れており、本当の色合いは緋色の髪に銀と金のオッドアイ」


そこで思わず呑み込もうとしていたお茶を噴くところだったが、女は


「いきなり咳き込むなど、淑女の前でなくても失礼ではないですか、お兄様」


「おま、その秘密、ってか、他の生徒や教師は気付かんのか」


「気づきませんわ、いえ、気付かせないようになってしまうんですのよ、お兄様」


「いやいや、いくらなんでも、8年前の隣国の王女・・・・・が攫われた時にこの国までお触れが出回っただろうに、特徴そのまま・・・・・・だぞ」


そう伝えたが、シャルは若干目線をテーブルの上に置かれたカップに移すと


「お兄様は何処から何処までが色の認識が正しいと感じますか」


「いきなりなんだ」


「このカップの塗り薬で出た色は青でしょうか、空色、碧色、くすんだ青色、深い青色、どれだと思いますか」


「……綺麗なラピスラズリの青色だ」


「あら、私はこの色がくすんだ青に見えて、酷くみすぼらしく感じますわ」


「なにを?」


そう言って手持ちのカップを酷評する女、そのカップは妹のお気に入りだっただろうに


「…コレと同じことをルノワールにしますのよ、悪役令嬢わたしは」


若干言葉に詰まっていると


「いえ、いい息抜きですわ、次の方の話をするのに若干気力が足りないと思いますので雑談を挿みますわ。うちは一応貴族社会でも上位の位置にいるのはお兄様も知っているでしょ、しかもシャルロットは威張り腐り、傲慢で、自分のお思い通りの結果を、価値を、周りに求めていましたわ。そんな貴族社会上位で、他の貴族令嬢を引き連れる彼女が、美しいと称賛すればそれは殿方や他の令嬢からも贔屓にされますし、みすぼらしい、汚らしいと言えばそれはそういうものだと思うようになるんですの。集団心理とは一人の声掛けによってなされますわ、それが良い悪いに拘らずに、ね。」


そう言葉を紡ぐ女の表情は何処となく、淋しく、哀しい表情をしており、若干妹を想起してしまった。


「………本当にお前はどっちなんだろうな」


だからだろうか、思わずそう口から出てしまった。訳が分からない発言の筈なのに、


「偽物ですわよ、そうあまりにも似すぎたレプリカは本物を凌駕しますの、だからこそ全てを変えてみせますわ、私の願いどおりに」


「………………」


それに関しては全く何も言えなかった。そこに口を挿むことが出来なかった。

だが一つ気になったことがあったので再度口を開いた。


「シャル、いや原作のシャルロットは気付いていたのか」


「お兄様、それは愚問ですわ、彼女が本当に気付いていたか、それを確かめる術はもうありませんのよ」


「………そうだったな」


「…ただ、私は気付いていたと思いますわ、多少私の願望交じりなので、断言は致しませんが」


若干儚い笑顔を浮かべながらの返答だったが、そう答えた。


そして、カップに残ったお茶を飲み切って、決心がついたのか、女は口を開いた。


「……さて、最後にして最大の爆弾ですわ」


「隣国の王女以上の爆弾なんて、予想不可能なんだが、まさか我が国の王族の一人とか言わないだろうな」


「インパクトの強さとしてはあんまり強くはありませんわ、ただし一部地域を除く」



「では、アルフェルトですが、勉学の為、苦労して育ててくれた母に楽をさせたいから、ですが彼女の家の財政からはギリギリ通えないはずですが、入る時の資金は優しい足長おじさんが工面、学園に通う事に。その後恋をする相手に対して、畏れ多いが、王子っぽくない人だな。堅苦しくて、疲れないのかな。ちょっと生意気な弟みたい。裏知識の秘密は……」


そこで言葉に詰まる女は若干こちらをチラリと見た後に


「話は変わりますが、驚いて、お兄様が短慮な行動をとられないことを約束頂いてもよろしいですか。また後ほど行動をするにしても、私も関わらせていただきたいのです」


「ああ、それを約束してやる、だから話せ、そんな不安そうな目で俺を見るな、誓いは破らん」


「では、改めて、裏知識の秘密はハニーイエローの髪に、陶磁器のような肌、美醜の観点で言えば結構整っています、目を引くのはイエローゴールドの瞳でしょうか、あと首の辺りに三角形に三つの黒子のようなモノが」


そう言われ若干焦り、


「おいまさか」


そんな焦っている俺に、女は微笑みながら


お兄ウィズ様、新しい妹は如何でしょうか」


まるで、ケーキどちらにしますかとでも言わんばかりに、軽い調子でこちらに投げかけてきた。


「………………………」


もはや言葉にすらならなかった。何なのだ、衝撃的事実のオンパレードではないか、シャルの告白、自分がこの物語にも関係していた事、侍女の妹、隣国の王女、そして極めつけが我が家に庶子となる妹がいるだと?確かにインパクトは一部地域を除くだろうさ、余所の家の醜聞としてたまに発覚するのはよく聞く話だが、まさか我が家でだと。いや、あの父上が?てか、母上が絶対にヤバい。何がヤバいって、家がバラバラになるぞ、比喩とかではなくマジで…。


「ぉい、おいおい、それは確実なのか、マジなのか、嘘とか、よく似た特徴を持った他人とか、そもそも親子鑑定が出来ないこの世界で特徴のみで決まる訳が」


「裏設定は物語上で入手できる日記などが主になってます、彼女のエンディング間近で出てくるお父様の手記と、手紙、猛禽類の瞳を象った意匠のある指輪が出てきますわ」


猛禽類の瞳を象った意匠はモルボード家の証であり、とある目的を知らしめているモノの為、新たに作り上げるにも許可が必要なものだ。


「…オワタ…………いや、偽物かも。父上に聞いてみなくては」


そう腰をあげようとしたが


「短慮な行動はしない約束ですわよ、お兄様」


「し、しかし、これが母上の耳に入ろうものなら」


「我が家は更地化しそうですわね、ですが、我々が何故その事を知っているのか聞かれたら、どう言うお積もりですか」


「そ、それは、それとなくだな」


「途端にポンコツ化しますわね、そんなに衝撃的でしたか」


「当たり前だ、いきなり妹が増えたとかあわてん方がどうかしてるわ」


妙に落ち着いている女は口元に若干笑みを湛えている。


「あえて言うなら、さっきまで行った裏設定は学園が始まってから少ししないと手は出せない問題ですわ、しかも、私から切り出さないとおかしい話になりますわ」


「父上を見る目が変わりそうなんだが、その妹は愛人の子という事で良いのか、詳細は」


「そこまでは覚えていませんわ、ただ、妹であるという事、しかも私がいびっていたおかげか、私の後釜になりますわ、成績優秀で、私より性格が良いという事で」


「……もう何が何だか」


少しの間グッタリしていた俺だが、女は暫ししてから


「さて本題の、シャルの願いなのですが」


そう言いながら、気疲れしているのか、儚げな笑みを浮かべつつ、そう女は切り出した。


「……そうだったな、全てはお前シャルの願いが発端だったな、それで願いとはなんなんだ」


そして一通り、この女の願いは聴いた、信じられず、またそれを許容できるかと言えば否だが。

シャルの瞳が、黄金の輝きをさせ、曇りなくこちらを見詰めたその瞳が、決意と願いなのだと、圧倒するその瞳に多分こいつは独りでも決行するだろう、味方も無く、というか


「そもそも、何故接触しようとしたんだ、俺に話があったと言っていたが、これまでの内容を言う気は無かったんだろ」


「当たり前ですわ、頭おかしくなった妹が虚言癖まで発症させたとか思われたら、ストーリー始まる前に幽閉や隔離処置されそうですし、ただ、軽く今後お兄様や家に迷惑をお掛けしますが、庇わず、苦言を呈していたや処断する段階になっても、躊躇わずに切り捨ててくださいと。あ、ただ、処刑ではなく追放や幽閉処置でよその土地に放逐という形を取って頂けないかと、年上に嫁ぐとかも嫌だな~とお話をしておこうと思いましたの。まあ、考えていた話とは違う形で話す形になりましたが、プランは練りに練ってますから」


「人それを失敗フラグが立ったという」


「ちょ、お兄様」


何やらシリアス顔で酷くめんどい事をのたまわり、しかも自分は失敗しませんからと言いつつ、保険として俺に話を持ってくる時点で、残念だというのに。

だからだろう、この少女をからかいたくなったのは……。

ひとしきり笑った後で、


「それで、水面下の行動が終わったとして、何時から本格始動するんだ」


「もちろん、学園の入学式からですわ」


そう胸を張って言い切った少女は、立派な悪役令嬢だった。


続く……


誤字脱字が気にかかる私、ワードで推敲処理を掛けるべきか考え中

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