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世界観

まず更新が遅れて申し訳ないです。多忙という言い訳と、見切り発車過ぎて二人以外の名前と背景を並行して考えているなんて事情が無ければすぐにでも更新する気だったのに

そして話を切り出そうとしたが


「あ、その前に良いかしら」


「何だ?」


早く話を進めたいのだが、何なのだろうか


「いえ、事前知識を共有するのにも、貴方から先に言ってくれないかしら、どの程度かによっては情報の伝え方、補足の使用も変わって来るんだから」


「ああ、まあ俺よりかは知識もありそうだしな、確実に」


その言葉に若干不信感を感じたのか


「確実とはどういうこと?あんなに自信満々に私を追い詰めたのに確信とかあったんじゃないの」


「いや、全くない、というかあの話はお前と生活してる家族なんだから振れる話題ばっかりだったろうが、まあ言い逃れできないような確実な方法(アルバ茶)を取った訳だから本当に逃がす訳は無かったんだがな」


俺がそう言うと、頭をがっくりと落しプルプルとしながら


「……反則級ですわ、何なんですの、もう、ウィズワルド(お兄)様の設定(性格)を知ってるからこそ、あの時は戦々恐々でしたのに、まさかのブラフとか、というかその言い方だと確実に情報が無いんですわね、吐きなさい、キリキリ吐いて、さっさとすり合わせをしますわよ」


「何か若干シャルロットが出てきていないか」


「良いから吐いてください、もう、早く」


涙顔と疲れが混在した妙な顔を、シャルロットがしているのは若干違和感を伴うとともに妙な笑いが


「何を笑ってますの!早く吐きなさい」


「ああ悪い、妹の顔がそんな顔が出来ると思わなくてな、妙な違和感と笑いが出てきてな、いや、これはある意味安堵感かも知れないな」


そう言って顔をあげ見ると


「…………ズルいですわ、あなたのそんな顔でそんな言葉を私に言うなんて………………コホン、ではどんなことを知ってますの」


女は若干照れたような赤面顔で、扇子で扇ぎながら顔を背けていたが、話題に移りたかったのだろう、早々に立ち直り、こちらに振ってきた


「悪いが本当に少ない、この世界は学園生活において主人公の女とその女が好きになった男との交流、それを妨げる悪役令嬢がいて、その令嬢の名がシャルロット、また兄のウィズワルドがいる。そして主人公は後半、交流した男を連れ立って悪役令嬢シャルロットに行われたえげつない行為等をぶちまけ、その影響が実家の方にまで波及、その後悪役令嬢は処断、幽閉、実家が没落しての行方知らずの状態になるとか」


「……それだけ?」


「ああ、これだけだな」


そう言葉を発したと同時に


「アァーーーーーーーー、カァーーーーーーー、マジかーーーーーーーーー、クァーーーーーーーーーーーーーー」


と、令嬢というか、女が出してはいけないのではないかと思われる類の溜息とも愚痴とも取れる言葉を吐き出しながら頭を抱え、ソファーに身をゆだねた女に不安を憶え


「何か間違っているのか」


「間違ってはいない、いないんだけど、まさかの知識がそれだけって、何が悪用させないように、何が正体を、何が知識のすり合わせを、よ。本当に騙された気分だわ」


「ブラフと、言葉のあやは貴族の嗜みだぞ」


「そうでしょう、そうでしょうけれども、ああ、下手に有能な兄を持つ妹は歪まなかったのは、奇跡ね、いえまあ他の事で歪んではいるけど……全て教えなきゃならんとか、苦行よ、まあ下手に知識があって、変な偏見感情が差し挟まらないかもしれないのは僥倖だけど」


「因みにもし知識バリバリだったらどうする予定だったんだ」


「その言った知識(正否関わらず)に沿う形で話を進めて今後の展開、つまり身の振り方と自分の要求を伝えるつもりだったわ」


「何だその正否関わらずって」


「そのままの意味よ、表知識のみ専行型には裏知識を伝えても、拒絶、否定なんかされた日には協力体制が崩れてしまうもの」


「表知識、裏知識?」


「ああ、その辺は後々説明するわ、ではまず大まかな世界観ストーリー主要人物(ヒロイン達)を説明するわね」



「……こほん、まずは、学院恋歌の世界観、王族、貴族、平民の身分の差無く通う学院、アルノート学院、その学院に通う主人公あなた。そんな主人公を疎む者が学院にはいます、悪役令嬢・シャルロットの妨害をものともせず、主人公が恋に落ちて愛を育む物語、学生寮制の3年間の学院生活では時にドキドキ、時にときめくことが起きるかもしれません、それは貴方の努力と積極性次第、ってのが表向きというか、パッケージに書かれてる謳い文句ね。」


「ここで何で、疎んでるのかとか書かれていないんだな」


お兄ウィズ様、学院に通われていたのに気付かれなかったのですか。」


「人の感情の機微や、学院の雰囲気、総合的に壁はあったと思うがあまり気にはならん範囲だったが」


「ええ、身分の差は無く通えるだけで、中では不可侵、いえ、暗黙の了解とも言える壁がある。でもその壁を越えて主人公は恋をして、愛を育もうとする。そこに悪役令嬢は怒りを覚え、えげつない行為を行う。」


「何故そこまで?シャルとしては別に誰が恋に落ちて、結ばれようとも、気にも留めないんじゃ」


「そこは主人公と、恋に落ちる対象がカギですのよ。」


少し疲れ気味に吐き捨てるようにそう一言言葉を発した。


「そこまでなのか?」


「一部はちょっと躊躇うというか、まあ諸々説明しますわ。ただし、この人物紹介が終了するまで言葉を挿まないようにしてください。気力が持ちこたえなくなりますので」


「ああ、解った」


「まず、主人公ヒロインが3キャラいます。この3人から選んで学園の入学式に参加するということになりますの。まず私が最近出資してる教会兼孤児院のシスター見習い、クレアレッド、つぎにスラム出身者、ルノワール、最後が」


そこで言葉を止め、チラリとこちらを見た後、覚悟を決めた様に


「一般市民枠、アルフェルト、その3人が、主人公になります。はい、裏さえ気にしなければ、貴族でもなく、平民、もしくはそれ以下ともいえる存在ですわ、そんな方々が畏れ多くも身分違いの恋に身を焦がし、愛を育むというのですから、貴族令嬢からは反感は買いますわ。もちろんその貴族令嬢筆頭のシャルロットも例外ではない」


そう言い切った後こちらをチラリと窺うので、言いたいことは数多くあったが、先を話すように促した。



「そして、主人公が好きになる方々は3名+α」


「3人とはずいぶん少ないんじゃないか、しかもアルファって」


そんな俺の小言にも何も言わずに


「一人目がアルフィード・ドリット・モナルカ、この国の第3王子ですわね、1年先輩で在学してるはずですわ。二人目がリンガス・オルガネシス、私達と一緒の侯爵家兼近衛兵隊長の息子ですわね、同学年で在学しますわ。三人目がルレイ・フォルス、辺境伯の息子ですわね、1年遅れて、つまり後輩として在籍予定の筈ですわ。」


そこでこちらを見て、顔色を若干暗くしながらも


「あと+αですが……………ウィズワルド・エアスト・モルボード、つまりお兄様もこの物語には入っている可能性がありますわ」


その言葉に一瞬言葉を無くしたが、慌てて


「ちょ、ちょっと待て、俺もなのか」


「ええ、そうですわ、残念ながら、他人事とは言い切れないんですのよ、ただ、どのルートでもお兄様には出番がありますけどね、最終的に」


「いやいや、俺は在籍予定もない、というか、お前シャルが入学する前にこの家を継ぐんだぞ」


「ええ、だから最難関、冷徹の男、逢いたくてセーブアン遭いたくてドロードロ震えるーラー、そんな風に呼ばれますのよ」


「おい、何か不名誉じゃないか」


「事実でしたので、さて、ここからは表知識、裏知識ですわ、まあ本当はDLCとかいろんな要素があるのですけどね」


それ(DLC)を考慮すると?」


「イ○リス料理化しますわ、頭が」


何と無くニュアンスが伝わってきたので、そこには触れないようにした。

地雷とは踏み込まなければ、知らずにいられるのだから。


「それで表、裏の知識とは」


「表知識は物語初期の各キャラヒロインの学園に入る理由とされているモノや学園内での各攻略キャラ(恋の相手)の第一印象や、悪役令嬢の悪感情の理由なんかですわ。そして裏知識は大抵物語が進んだ後の主人公の秘密や、恋をした相手の悩みとか、あとは物語の進め方で手に入るシークレットファイルという名の日記なんかがそれにあたるかもしれませんわね」


……そう言う、こいつの表情は若干仄暗い感じがある、まるで気が重いのか、他に何かあるのか。


「表知識はもちろん知ってもらいますが、裏知識の恋の相手の秘密とかはお兄様も知る必要はないと思いますわ、重要なのは、というか、私が気が重いのは主人公の秘密の方ですので」


「そこまでなのか」


「……お兄様、世の中知らなければ良かった、あの時引き返して置けばと思う時が来ます、その汽水域が今ですわ、この話を聞けば、お兄様も攻略対象(恋される相手)から別物に変わりますわ」


そんな真剣な表情でこちらを窺っているこの女は馬鹿なのだろうか。何年妹の兄をしていると思っているのだろうか、その表情の裏にうち捨てられた子犬の様な、縋る思いが瞳の奥底に見える、だが、たとえこの女が妹とは別物のように感じても、こんな瞳をされると手を差し出してしまう、これは現世からの業かも知れない。だから返答は


「構わん、それに物語道理になるとは限らん、俺と、お前、両者が既に物語の枠から外れているのだからな」


そう言うと、難しげな苦悩してる様な顔をしている、が若干口元が緩んでいることにこの女は気づいていないのだろう、溜息をつき、口をもごもごとすると、口を開いた。


「………………では、主人公たちの事情を話しましょう。まず……」












意味深なところで終わるのは仕様とともに、私の区切りでもあります、今後も多々変わりゆく作品をお楽しみください。実際兄の日記は4~5回は再編集してますし…。

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