負け犬
人間は過去からしか未来を見出すことはできない。
過去を結果に置き換えれば分かりやすい。
例えば、テストの結果、スポーツの試合の結果。恋愛についても同じである。告白して、付き合うことになるか。はたまた、フラれて涙を流すのか。それはすべて結果である。
つまり、何が言いたいのか。
それは簡単に言えば世の中は結果がすべてだ。努力だけでは何かの結果を得ることなんてできない。
どんなに努力をしたって才能に勝てない。
なぜこんなことを思うのか、それは俺がやっているスポーツ、いや今はやっていたか、そのスポーツが原因である。
俺は小学三年生から軟式テニスをしている。軟式テニスと言われても分からないだろうか。硬式テニスの固い黄色いボールが、柔らかいゴムボールに変わったものだと想像してもらえればいい。
ただ硬式の主流はシングルスつまり一対一だが軟式の主流はダブルス、なので二対二である。
一人だけでは勝てない。
自分だけではなくもう片方の相方、ペアにも頑張ってもらえなけらばならない。
今だから言えることだが小学生のころは運がよかったのだろう。
ペアにも恵まれ、自分が努力すれば努力しただけ結果が出る。好循環だった。
県大会でベスト四位、優勝、近畿大会でベスト八位となかなかの結果を残すことができた。
だが中学生になると組んでいたペアとは離れ離れになり結果が出なくなった。
結果が出なくなり二年生、どんなに努力しも結果が出ない。自分だけ頑張っても意味がない。あくまでもダブルスだということを実感させられた。
俺は後衛だった。後ろでボールを打つ奴だと思ってくれればいい。俺のペアは前衛、俺の逆だと今は思ってくれ。
後ろにいる俺の方がボールに触る回数は多い。俺のミスが少なければ試合に勝てる確率は高かった。だがそれは小学生までだった。中学生になると高いレベル県大会の上位になればなるほど前の、つまりは前衛がボールに触って決めなくてはならなくなった。
だから俺は試合に勝てなくなった。
小学生の頃には簡単に勝っていた相手にも勝てなくなり、それだけでも辛かった。
だが人生というものは甘くはない。
俺には弟がいる。弟も軟式テニスをしていた。
年は三年違いで、小学五年生だ。性格はとにかく生意気な奴で俺を馬鹿にしてばかりいる奴だった。
その弟が年上がいるのに小学生の大会で優勝した。そして近畿大会でベスト八位。
ものすごく悔しかった。情けないほど嫉妬した。
がむしゃらに努力した。練習時間を増やし、部活が終わっても一人で残って練習する。
自分で勝つためにはボール早くしたり、打つタイミング変えたりする練習したりといろいろした。
そうして結果でないまま中学三年なる。
この時、弟はサッカー、野球、バスケといろいろやっていた。
理由はこの彼女。彼女が変わるたびにやっているスポーツが変わってくんだ。
小学生のくせに彼女だと生意気な奴、俺には彼女どころか、女の子と喋りもしないぞ。テニスが恋人だといわれるぐらいだからな。いやいや俺のことは関係がない。
テニスを一筋ではない、それなのに結果が出てくる。
腹立たしい。
俺は中学最後の大会、県のチャンピオンに負けて、県でベスト八位になった。
弟は全国大会でベスト八位になった。
そして俺はテニスをやめた。
高校生活、俺は春から何をしようか。
読んでくださりありがとうございました。




