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二話 初めてのログイン その1

お気に入りが15件になってました。

ありがとうございます。

拙い文章ですが、末永くよろしくお願いします。

『そういや、お前種族何にすんの?』

「人間にするつもりだよ」


 サービス開始日、啓太が電話をかけてきた。この一週間、ゲームの情報交換(初心者講座)ばかりで互いのキャラネームも確認していなかったからである。

 僕の選んだ人間族は【武器】スキルを選べない代わりに構成しだいで戦闘も生産も全てこなせる。ただし、器用貧乏になりがちだ。


『万能目指しているのか?』

「それは見てのお楽しみ!そっちは?」

『俺はハーフリザードマンだな。【斧】さいきょー』

「またごり押し?」


 リザードマンは高いSTRとDEFを持つ物理特化型アタッカーだ。取得できるスキルも【斧】や【大剣】など、物理攻撃力が高い代わりに〈アーツ〉の隙が多く、また魔法関係のステータスも総じて低い。

 ハーフと付くのは、全ての種族は人間との混血という設定で、それぞれの国で純血になれるのではないかと推考されている。

 選んだ理由は、真正面からの“どつきあい”が大好きだからだろう。


『またとはなんだ、またとは』

「初めて会ったゲームでも、同じプレイスタイルだったじゃん」

『ぐっ……いいんだよ、俺はお前らみたいにほいほい避けれ無いんだから』

「ほいほいって、最初から楽に避けてた訳じゃないからね?」


 妹のスパルタ教育と連携の賜物である。


『とても信じられんが、まあいいや。そろそろログインしようぜ』

「分かった」

『それじゃ、あっちで』

「ん。それじゃあ」


 電話を切るとフルフェイス型の端末機を被り、パソコンと久しぶりにVR用外付けハードを接続する。起動を確認してベッドに寝そべって準備は完了だ。


「ワールドリンク!!」


 異世界への魔法の言葉を口にすると、僕は光に包まれた。口にする必要はなかったけどそんな気分だった。


 ───────────────────────


 モノローグは長いから割愛。平和に暮らしてたら魔物の大群が襲ってきて、結界で無事だったけど長くは保てないの、お願い助けてって感じだった。


 モノローグが終了し、キャラ設定に移る。

 目の前に現れた半透明の画面に触れていく。

 種族は――人間。名前は――ウルド。決定っと。外見は――あまり弄ると整形したみたいになるし、髪型はこの間の身体情報の更新時に変更してるし、髪の色だけ変更っと。

 宙に現れた1Mはありそうな長い髪の束を参考に調整する。

 髪の色を変更するにしてはちょっと長すぎないか?まぁ、いいや。毒々しくない程度に暗い紫をちょっと入れるだけにして。うむ、キューティクルヘア。

 人間族はなんでも選べる初期装備は盾ありの片手剣で。


 よし、冒険の始まりだ!!


 キャラ設定を終えると再度光に包まれた。


 ───────────────────────


「わぁぁっ!」


 気づいた時には、“科学都市”にいた。そして、二年前のゲームと再現度が圧倒的に違うことと、意外にもプレイヤーが多いことにまず驚いた。

 そう、僕は魔法都市ではなく科学都市を選んだのだ。理由は勿論【魔法工学】。男なら自分で造ったロボに乗りたい戦いたい改造したいと一度は思うはずだ。僕も男だ、造りたい乗りたい戦いたい。

 それにしても――


「……街並みが現代。違和感すごいなぁ」


 高層ビルにアスファルトで固めた地面。車は走ってないけど、片道3列の車道に信号機。そこに、持っている武器は違えどプレート装備のコスプレにしか見えないプレイヤー達。皆赤とか緑とか凄い髪をしているのに顔を弄っていないから“浮いて”いる。主に存在と顔が。


「あれなら弄った方がマシなのに……」


 イケメンに限るって言葉を知らないのだろうか?もしくは此処にいる全員が【魔法工学】狙いか?魔法都市なら目立たないし、どうせ移るから。


「とりあえず、脱ごう」


 さっきから太陽の陽射しと照り返しが地味にキツイ。ヒートアイランド現象も再現しているのか蒸し暑い。それと、プレイヤーのプレートが光を反射してキラッキラッしてる。ウザイ。よく、こんな場所にたむろ出来るものだ。


「ステータス」


 と呟くと宙にステータス画面が現れる。普通に脱ぐことも出来るが、そのままアイテム欄にぶち込むなら、こちらの方が早い。

 下着以外、上半身の装備を全て外す。下着といっても、肌にぴったり張り付く黒のインナーだし、今は見られても恥ずかしくない体だと自負している。


「ふぁっ!?」

「ひゃっ!?」


 隣にいたプレイヤーが変な声を出す。少しびっくりした。何やら驚いているようだが、この脱ぎかたを知らないのか?だとしたらVR初心者か。なら先輩として教えとくか。


「あ、あのぉ……ステータス画面から、ちっ直接装備をアイテム欄に収納できるんです……」

「……え?あ、はい」


 緊張したがきちんと教えられた。偉いぞ僕。

 彼はまだ目をぱちくりしているが、放っておこう。何事も経験だ。


 そろそろ移動しよう。動かないでいると無駄に注目を集めたり絡まれたりする。現に今もいくらかの視線を感じる。まさかログイン初日からカツアゲとかないよね?ね?

 なんて考えてたせいか、明らかに僕に向かってくる人がいる。マジかよ……。


「ねえ、君。かわ──」

「ごめんなさいお金ないですごめんなさいぃぃぃ」


 脱兎の如く逃げ出す。前に睨み付ければ大丈夫的な事を言ったな。あれは嘘だ。

 筋肉質な腕とも言ったな。あれも嘘だ。

 だいたい二年やそこらでいじめられっ子が“ないすばでぃ”になんてなれるわけがない。睨み付ければ固まる?その前に自分の心臓が固まるわ。


 相手が呆けているうちに距離を離す。初期ステータスは同じだから、一度離れてしまえば追ってこれないだろう。




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