「救」
2章です。ちょっと今回は内容が薄いかも
俺は恐る恐るPC室を出た。
やはり廊下には惨い光景が広がっていた。
廊下のずっと先まで赤く染まっている。
だが俺は何も感じなかった。
やはり慣れってのは怖いものだ。
(食料というと・・・給食室辺りか?)
そう考えて俺は給食室を目指して歩みを始めた。
あの化け物に気付かれないようにゆっくりと進んだ。
3Fから1Fまでこんなに長いのかと錯覚するほど恐怖を感じた。
怖かった。長い道のりを経てやっと給食室の前まで辿り着いた。
見る限り給食室は荒れていなかった。血も飛んでいなければ器具も荒れていなかった。
何か違和感を覚えたが俺はできる限り多くの食料をカバンに詰め込んで3Fへと戻ろうとした。
再びあの長い道のりを通るのかと思うと気が引けた。
しかしこのままでは埒が開かないので俺は階段を渋々と、そしてゆっくりと上り始めた。
やっと2Fに辿り着いた。此処までだけでも相当長い道のりだった。
そしてふと目を前にやった。
―!?
目の前にある女子トイレのドアの窓ガラスに血が飛んだ。
そしてある悲鳴が俺を駆り立てた。
俺の彼女の声だ。
怖さなんて何処かへと消えた。俺は勢いよく女子トイレのドアを開けた。
ガーン!なんていう激しい音がトイレの中に響いた。
中を見ると、俺の彼女と、倒れている雑魚機械獣が一匹、そして血を流して倒れている人間が1人。
紹介が遅れた、彼女は坂田マユだ。
「お、おい、大丈夫かよ?」
「私は大丈夫だけど……ミユキが……うっ」
マユは必死に何かを堪えているように見えた、吐きたいのか泣きたいのかよく分からなかった。
「お、おーい、そこのミユキって人ー、だ、大丈夫かー?」
声をかけても反応が無い。肩を揺すっても反応が無い。
少し怖かったが、脈を取ってみることにした。
とても冷や冷やしたが、彼女の脈は少々ながら残っていた。
その時、何かが動き出すように思えた。
―機械獣だ。
再び動き出した。死んだと思っていたのに、また動き出した。
雑魚機械獣は人間でいう手のような場所から鎌を出して戦闘態勢に入った。
「くっ、このままだとマズい!」
「マユ!そこの女担いで3FのPC室まで急げ!そこに俺の仲間がいる、ソイツと合流しろ!」
「え……でも……」
マユはオドオドしていた。だが俺はそんな態度を許さなかった。
「良いから早くしろ!お前まで死ぬぞ!」
久々に格好良いことした気がする。
自分が身代わりになって自分の女を助ける。そんな夢物語が俺の脳内で再生されていた。
マユが走り出したのを確認した後、俺も後を追うように走って逃げた。
(やっぱり俺なんかがあんな化け物と戦えるわけがない……!無理だ、怖い…・・・!)
俺は必死に走って逃げた。
だがやはり雑魚兵は雑魚兵。
追う速度は非常に遅かった。
走っていると俺の目の前に扉が1つ立ちふさがった。
俺は夢中でその扉にタックルを喰らわす。
気付けば俺はPC室の中にいた。
目の前には血を流しているミユキという女とマユと葛城と、何故か多くの人々がいた。
「あれ……? 人増えてない?」