「始」
何か風呂で思いついたストーリーです。
少々グロテスクな場面もありますが、それでもOKという方はどうぞ
更新は遅いかもです
あれは2012年、5月18日の出来事だった。
俺は何事も無く学園生活をエンジョイしていた。
だが昼休み、事態が一転する。
突如響く幾多の悲鳴、その悲鳴の主は分からない。
悲鳴があまりにも多過ぎたんだ。
悲鳴は校舎から聞こえる。
―一体何が起きたのだろうか?
俺には理解する余地すら無かった。
ともかくこのまま校庭にいても埒が開かないので俺は校舎へと入った。
そこで驚愕した。
赤く染まった玄関、下駄箱、廊下、窓、ドア。とにかく何もかもが血で染められていた。
そこら中に人の死体が転がっていた。あまりの惨さに吐いたのを覚えている。
しかし前へと進んだ。何者かが俺を導いているような気がした。
しばらく進むと再び驚愕した。謎の生物だ。
どことなく機械の面影がある謎の生物。
おそらく一体だけではないだろう。
数十体でこの学校を襲った。きっとそうに違いない。
でなければこんなに早く殺せるわけがなかった。
―宇宙人か!?
なんて妄想が膨らんだだけまだマシだった。
その生物は逃げ行く人々を次々と切り刻む。
廊下に再び鮮血が飛ぶ。
もう俺は見ていられなかった。だが俺は歩みを止めなかった。
進んでいるというよりも引っ張られているに近い感覚だった。
また俺は前へと進んだ。
気付けば、俺はパソコン室の前に立っていた。
何となく不気味なオーラを漂わせるパソコン室。
この中も血で染まっているのか?なんて妄想に駆り立てられながらドアノブを回した。
中に入ると1人の生徒が1つのPCと向き合っていた。
いかにも地味な男だが、機械には何となく強そうだった。
「ん? 誰だい? 君は」
「俺は山崎だ。何故か分からないが、このPC室に引っ張られるような感覚がして……それで此処に来たってわけだ」
「へー、面白いこと言うね、君」
こんな他愛の無い会話のキャッチボールがしばらく続いた。
会話していた中で地味な男の名前を聞けた。
地味な男の名前は葛城リュウノスケだそうだ。
「君……知ってるかい? この学園内で機械が暴走していること」
「あの気味の悪い化け物か?」
「そう……その化け物。どうやらアレは機械獣というものらしい」
―機械獣……?
さっぱり分からなかった。機械獣とは一体なんだ?
何故人間を襲っているのか?
何故この学園を襲撃したのか?
そんな疑問が俺の頭の中で渦を巻いた。
「その……機械獣ってのは一体何なんだ?」
「僕にもよく分からない。何故人を襲っているのか、何故この学園に現れたのか、何もかも」
どうやた葛城も俺と同じことを考えていたようだ。
何故かそれを聞いて安心することが出来た。
「とりあえず、僕の方で調べを進めておくよ。せっかく此処に来たんだ、できれば君には食料の調達を手伝ってもらいたいな」
「え……学園から脱出はしないのか?」
ふと疑問に思った。何故誰も外へと逃げない?
逃げられない理由でもあるのか?
「どうやら出られないように透明障壁が張られているようだ。ほら。透明障壁が学校全体を囲んでいる」
そういって葛城はノートPCを俺の方へ向けた。
見てみるとたしかに学校全体を青い壁のようなものが包んでいた。
しかしこれは一体何なんだ?
「と、とりあえず食料を確保しないとな。俺が行ってくるよ」
「分かった。それと、食料と同時に君の大事な人でも連れてくると良い。このパソコン室はかなり広いからね」
「え……? お前の友達とかは良いのかよ?」
「友達……? そんなのいないさ」