『阪神・五虎大将軍見立て伝』
かつて三国志の時代、劉備には最強と謳われた五人の猛将がいた。
関羽・張飛・趙雲・馬超・黄忠──五虎大将軍である。
そして現代、甲子園を舞台にもうひとつの「五虎大将軍」が姿を現す。
阪神タイガースの戦場において、彼らはまさにその現代の写し鏡であった。
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● 関羽 = 大山悠輔
忠義に厚く、軍全体の精神的支柱でもあった関羽。
その重厚な存在感と威厳、そして最終局面で頼られる守りの柱という点で、大山悠輔は彼の写し鏡である。
どっしりと構え、決して動じない大山の姿は、まさに現代の「関雲長」と呼ぶにふさわしい。
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● 張飛 = 佐藤輝明
勇猛果敢、勢いと爆発力を誇った張飛は、佐藤輝明と重なる。
豪快な一振り、感情豊かな振る舞い、味方を鼓舞する熱量。
時に粗削りでありながらも、その破壊力は敵を震え上がらせる。
“雷虎”と呼ばれる佐藤こそ、現代の「猛虎張飛」である。
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● 趙雲 = 森下翔太
若くして武勇に優れ、冷静沈着で劉備の息子を単騎救出したことで名高い趙雲。
その落ち着きと鋭さ、確実性と将来性は、森下翔太に重なる。
一発必中の弓のように、彼は無駄なく、狙った獲物を確実に仕留める。
知性と誠実さを併せ持つ、まさに「白馬将軍・趙雲子龍」の系譜。
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● 馬超 = 中野拓夢
西涼の猛将・馬超は、俊敏さと荒野を駆け抜ける統率力を誇った。
中野拓夢はその俊足と柔らかな采配でチームを支え、勝機をつかむための“導き手”でもある。
華やかな風貌に秘めた覚悟、冷静な判断力は馬超の気迫と重なる。
その走塁と献身は、まさに現代の「錦馬超」である。
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● 黄忠 = 近本光司
老将ながらも百発百中の弓技で若手を凌駕した黄忠。
近本光司はそのキャリアと経験値、そして試合の流れを一気に変える「速攻力」を武器とする。
齢に関係なく、安定した成績と確実な一手。
初動で勝負を決する“最速の虎”は、今の野球界における「現代版・黄忠」と言えるだろう。
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結び
それぞれの強さは異なれど、全員が「虎の意志」を胸に戦い、
その存在はまさに、甲子園の「五虎大将軍」。
かつて荊州を駆けた武人たちの魂は、
いま、甲子園の土を踏みしめる彼らの中で、再び燃えている。
現代の五虎大将軍、ここに見参。