終幕:「継がれし牙、時を超えて」
静かに、しかし確かに。
王国の空は、また新たな色に染まり始めていた。
戦なき日々は続かない。
だが、それでも守ろうとする者たちがいれば、国は生きる。
それを証明したのは、かつての五虎大将軍だった。
そしていま、彼らの背を見て育った若き五人が、
それぞれの道で、“虎”という名を継いだ。
⸻
風は、かつてより軽やかに。
智は、かつてより柔軟に。
矢は、かつてより深く。
拳は、かつてより泥臭く。
壁は、かつてより優しく。
五つの魂は、五虎の名を冠するにはまだ若く、未完成だった。
だが、彼らは臆せず言った。
「俺たちは“次”じゃない。
俺たちは“これからの虎”なんだ」
その言葉に、国は揺らがなかった。
むしろ、民たちは微笑み、子どもたちは剣を握り、
年寄りたちはかつての五虎を思い出しながら、静かに頷いた。
⸻
ある日、王都の丘の上に、ひとつの石碑が建てられた。
「虎は、牙を継ぐものなり。
その咆哮は、時代を超えて響く」
石碑の下に、十の名が刻まれていた。
近本光司
中野拓夢
森下翔太
佐藤輝明
大山悠輔
そして――
前川右京
小幡竜平
井上広大
渡邉諒
中川勇斗
二列に並ぶその名は、決して“上下”ではなく、
“横に並ぶ意志の継承”だった。
⸻
その日、王国の空にまた風が吹いた。
風の中に、かすかな咆哮が混じる。
それはかつてこの国を駆け抜けた虎たちの声。
「見てるぞ、お前たち」
「お前たちの道は、お前たちが作れ」
「でも――守ることは、忘れるな」
「後ろを向くな。進め」
「……お前たちが、“いまの阪神”だ」
⸻
そしてまた、虎の国に戦記が生まれる。
これは終わりではなく、
「誇り」が次へ繋がった、確かな“節目”の物語。
静かに、だが確かに。
外伝終幕完結。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——
ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!
その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。
読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。
「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!
皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。