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『虎ノ國戦記〜五虎大将軍伝〜』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『虎ノ國戦記 外伝〜継ぐ者たち〜』
13/25

続編プロローグ ――「牙の記憶、風のゆくえ」――


終幕後の後継者達が… 立ち上がる



五虎大将軍が静かに去ってから、数年。

阪神王国は確かに平和を謳歌していた。

だが、王国を包む空は、ふたたび揺らぎ始めていた。


外からの脅威ではない。

内からの問いかけ――“我らに、何が継げるのか”


虎が残した“背中”は、あまりにも大きい。

風を駆ける者は、風虎の速さに及ばず、

雷を纏う者は、雷虎の力に届かず、

皆が、かつての五虎を「伝説」と呼び、憧れながらも、自らを“影”としていた。


だが、その中に、立ち上がる者たちがいた。



■前鋒将の継承者:前川右京(風牙の若虎)


少年期より「近本二世」と呼ばれた若者。

俊足、巧打、そして気配を読む力に優れ、王国最前線の新たな風として覚醒しつつある。


「俺は、あの人にはなれない。

 けど、俺の速さで、俺の戦いをしてみせる」


彼の一歩は、まだ未完成。だが、誰よりも早く、確かに未来へ届いていた。



■参謀将の継承者:小幡竜平(翠光の智将)


剣を持たず、言葉と判断で戦う知将。

中野の残した“采配の技”を我流で研究し、

若くして副官として王国全体の再編を任される。


「中野様の背中は追わない。僕は、横に立ちたいんだ。

 未来の虎は、誰かの模倣じゃなくて、“選択”で強くなる」


静かだが、意志は鋼のようだった。



■遊撃将の継承者:井上広大(蒼雷の弓将)


森下が去った後、その弓を受け継いだ若き将。

一撃にすべてを懸けるその姿は、どこか不器用で、だが誠実だった。


「結果を出せなきゃ意味がない、なんて言われてきたけど……

 俺は“信じて撃つ”ってことだけは、あの人から教わった」


かつての蒼虎が残した“間合いと覚悟”、

それを、広大は静かに、強く持っていた。



■突撃将の継承者:渡邉諒(雷脚の突破者)


誰よりも熱く、誰よりも激しい男。

佐藤の力を真似るのではなく、**「突破口を見つけるための知恵と力」**を融合させた、新たな雷。


「俺は雷虎にはなれねえよ。あんなカッコよくねえし。

 でも、戦場に穴が空いてるなら、俺が突っ込むしかねえだろ!」


言葉より先に拳が出る性格だが、部隊の誰よりも仲間思い。まさに“現代型の雷虎”。



■守護将の継承者:中川勇斗(鋼壁の若城)


最年少ながらも、王国の中枢に配置された“新たな守護”。

大山のように語らず、ただ静かに、すべてを受け止めて立ち続ける。


「俺には、まだ何もない。けど……

 ここだけは、譲れない。絶対に通させない」


その構えに、兵たちは安心する。

守ることで仲間を支える、それが“虎の血”に刻まれた証だった。



王国に、また新たな「五」が生まれようとしていた。

だが、これは“継承”ではない。


これは、“挑戦”の物語である。


かつての五虎大将軍が見上げた空を、

彼らは別の角度で見つめていた。


「俺たちは、俺たちのやり方で、この国を守る」


――そして、また虎が目を覚ます。


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