第72話 day X+10(2)
(背景音)
https://youtu.be/wnRK5KBterA
【4月8日 また会えて、本当に嬉しい。夢のようだ。】
・・・
【4月13日 みんなが半信半疑の中、水都がブレストレーニングを一番にやってくれた。おかげで、みんなが率先してやってくれるようになった。感謝しかない……涙。】
・・・
【4月14日 ブレストレーニングの効果がもう出ている。最大吸気からの安定したフレージング。上手いことは知っていたけど、すごいセンス。信じられない。】
・・・
【4月20日 祝、1stフルート! 嬉しい。嬉しい。イメージ以上だ。アルヴァマー序曲、水都が加わってくれた瞬間、空間に温かみが増した。水都の凄いところ、愛情が伝播する能力。本人は気づいていないみたいだけど。】
・・・
【4月29日 素晴らしいエルザだった。水都、本当にできてよかった。そして、池上先輩に手を差し伸べてくれた。僕ができなかったケアを、水都がしてくれている。僕が目指したい音楽が、水都のおかげでどれほど助けられているだろう。水都、ありがとう。】
・・・
【5月18日 シエラ合同演習、思わぬ形で、水都と一緒にフルートを吹くことに。緊張した! でも、水都はさすがだった。あっという間に、あの場の空気をモノにした。ブレス、フレージングも。すごい吸収力。樫本さん、リードしてくれて感謝です! ただ、終わった後に水都の具合が悪そうだった。心配。】
・・・
【5月23日 まだ調子が悪そうだ。ただ、例の現象があったばかり。どう接すれば良いか、分からない。】
・・・
【6月1日 名電と安城ヶ丘女子との交流練習。最高のピッコロ、最高のフルートだった。今でも胸の中に、水都から受ける信頼の糸が残っている。練習会の終わり際、中学の先輩に何かをプレゼントしていた。笑顔で帰って来たので、中学の時責められた確執を乗り越えられたんだろう。本当に頑張ったんだと思う。水都は痛みに反撃せず、愛をもって氷塊を溶かす。水都は本当にすごい。心から尊敬する。】
・・・
【6月3日 自由曲会議、水都の一石でアルメニアン・ダンスになった。偶然にも、向こうと同じ曲。茨の道だけど、柵木先輩やみんなが決めて、みんなで選んだ曲。絶対にこの曲で、全国に行ってみせる。
水都、隣で一緒に、立とう。】
・・・
【7月12日 昨日、水都が家に来てくれた。自分が感染するかもしれないのに…。
無機質な家が、温かくなった。料理もできるなんて、すごいな。とても美味しかった。元気が出た。ただ、寝てしまう前に何かをお願いしたような気がするけど、記憶が…。】
・・・
【7月27日 地区大会突破、おめでとう。叶えられなかった望み、一つ叶ったね。】
・・・
【8月3日 浴衣姿、とってもキレイだった! 花火、楽しかった!】
・・・
【8月10日 三象限の音楽…。稲妻が走ったようだった。僕が目指したかったものを、初めて言語化してくれた。ここに来た理由は、これだったのか。】
・・・
【8月23日 コンクール前の最後のレッスン。もう、ベルリンのパユさんにも劣らない、すごいレベル。一度、会ってもらいたいな。】
・・・
【8月27日 水都は、生きてる。後悔する選択は、しない。】
・・・
【9月8日 フェスのソロ、光ってた! 一緒に演奏できて、本当に楽しかった!!】
・・・
【11月1日 共鳴のドライアド、がんばれ! よく聖良をリードしてる。水都は指導力も上がってる。】
・・・
【11月18日 今日も楽しかった! 最後まで諦めない姿勢、僕も見習おう。】
・・・
【11月22日 佐藤先輩と尾越先輩、遊びに来てくれてよかったね! モノマネ演奏合戦、爆笑!】
・・・
【12月12日 ずっと、応援してる。】
・・・
【12月13日 さくらのうた、楽しみだね。】
—————————
下唇が、震える。
水滴が、文字の上に落ちてしまう。
私も、楽しいよ。
陽くんと、一緒にいるの。
たくさん、楽しいって書いてある。
陽くんも、楽しかったんだね。
また、笑い合いたいよ。
ねえ、起きて。
理由、教えてくれなくてもいいから、また、話そう?
家なんて、いいから。楽器も、制服も。
いつもの、隣の机で。
教室で。
部室で。
・・・———
“おはよ、水都!”
“ははは!”
“水都! 楽しいな!”
———・・・
———幾度目の涙が落ちた時、
「水都!」
「水都ちゃん!」
「水都ちゃん!!」
「河合さん!」
あ…………みんな……。
お姉ちゃんも……。
アンコン、終わって来てくれたんだ……。
もう外は暗いのに、まだ、制服のままで。
美音ちゃんの手には、賞状らしき筒が握られている。
でも、みんなの顔には笑顔なんてなくて……。
「陽は?」
……首を振る。
「……そうか。」
みんな、陽くんがいつどうなるか分からない状況だということを知っている。
「河合さん、身体はどう?」
「私は……大丈夫、です。」
「……でも、無理しないでね。河合さんも、病み上がりなんだから。もうここに居て、5日目でしょ?」
「大丈夫、です。毛布も、あるので。」
心配してくれているパーカスの矢部先輩に、笑顔を返す。
「賞状……結果、どうでしたか?」
「ああ。俺たち金5と、ダブルリード、パーカスは無事予選突破だ。」
「え……お姉ちゃん、有純先輩たちは?」
「ちょっと聞いてよ! おかしいでしょ! 私たちが落ちるなんて!」
「え……ほんとに、ですか?」
「そーよ! あれだけ盛り上がったのに!」
「……ウチで3枠、竜海で3枠。地区予選の6枠を、ウチと竜海で独占だ。」
「え……。」
すごい。他にたくさんのチームが出てるのに?
「竜海のクラより、私たちのほうが上手かったよねえ!? もう! あ、わかった! 可愛すぎると減点とか?」
宇佐美先輩がいない代わりに、お姉ちゃんがチョップをしている。
「ただ、超ハイレベルだったよ? 私が言うのもなんだけど。竜海、本気出してきた感じ。」
「金8(キンパチ)も行くかとヒヤヒヤしたぞ。」
「あの、ジャンバルジャンって人に指揮者が替わったからじゃない?」
「カンブルラン、な。銀食器盗ませるなよ。」
「え、あ?」
大翔くんと未来のやり取りに、みんながワハハ、と笑う。
《ウィーッ》
ICUの扉から、看護師さんが出てくる。
「みなさん、こんばんは。今日もお疲れさま。盛り上がってるところ悪いけど、もう、面会時間過ぎてるの。こっちにも守衛さん来ちゃうから、気をつけてね?」
「あ、はい! すみません!」
看護師さんはニコッと笑って、廊下の奥に向かっていった。
「……行かなきゃね。」
みんなが、再び表情を暗くする。
「水都ちゃん、任せちゃってて、ごめんね。食べ物とか、買ってこようか?」
「ううん、大丈夫、ありがとう愛菜ちゃん。」
「でも……無理、しないでね。水都ちゃんもこのままじゃ、倒れちゃうよ。」
「ありがとう。大丈夫だよ。」
みんな、病院側が私の事情を汲んで、許可を出してくださっていることを知っている。
でも、私が大丈夫と言う度に、未来は目を細めている。
……ごめん。
悠くんが、ICUの扉に近づき、ガラスに手を当てる。
「……っくしょう。陽。しっかりしろよ……。お前だけだぞ。寝てるの……。早く、起きてこいよ……。」
愛菜ちゃんや、クラの先輩たちが口元を覆う。
…………。
みんな、ごめんなさい……。
有純先輩が、私の前に来て肩を叩く。
「……水都ちゃん、あなたの重荷は、喜んでみんなで持つから。もっと頼って。いい? 私たちは、あなたのことも大事なの。ね?」
「……はい、先輩。」
「……じゃあ、ごめんけど、また明日。ちゃんと休んでね?」
「はい、休みます。先輩たちも、暗いですから気をつけて。」
有純先輩は二本指でポーズをとりながらウインクすると、みんなをまとめて廊下の奥に向かい出した。
先輩も、悲しいはずなのに……すごいな……。
みんなが、見えなくなっていく。
「水都ちゃん。」
「わ、美音ちゃん。」
真横に、美音ちゃんが残ってた。
「ふふ〜、ごめんね〜。びっくりさせちゃった。」
「ううん、ごめん。美音ちゃん、どうしたの?」
「あのね、水都ちゃん。きっと陽くん、大丈夫だよ。」
「…………え?」
美音ちゃんが、優しく微笑んでいる。
「水都ちゃんは、陽くんの大切な人だから。」
…………え?
……何?
「実はね、陽くん、中学の時、教えてくれたの。矢北に、全国大会に行くことが夢の、大切な人がいるって。その夢を叶えるために、矢北に行くって。」
「え……。」
「大切な人、水都ちゃんしかいないもん。まだその夢は叶ってない、まだ途中だもん。きっと陽くん、起き上がってくるよ。」
「え、えっと、そんな話、初めて聞いたし、私、高校の前に、陽くんに会ったことないよ?」
「ふふ〜、そんなことないでしょ〜? きっとどこかで、会ってるんだよ。だから陽くん、きっと大丈夫だよ。」
そんな……、え?
「……それだけ、伝えたくて。元気出してね、水都ちゃん。じゃ、また明日〜。」
……美音ちゃんが、小走りに去っていく。
……どういうこと?
大切な人? 中学の時?
どこかで?
……ううん、そもそも、陽くんは中学の時、ほとんどドイツに行っていて日本にいなかったはず。
接点は……普門館。小4の頃、全国大会の会場にいたというくらい、のはず。
そんな、前から知っているようなことは……。
他に、いる? 有純先輩とか?
あれ、うん? 何か……。
…………。
何だろう……。
……リュックにある、さっきのルーズリーフファイルに手を伸ばし、私のページを開く。
・・・
【6月1日 名電と安城ヶ丘女子との交流練習。最高のピッコロ、最高のフルートだった。今でも胸の中に、水都から受ける信頼の糸が残っている。練習会の終わり際、中学の先輩に何かをプレゼントしていた。笑顔で帰って来たので、中学の時責められた確執を乗り越えられたんだろう。本当に頑張ったんだと思う。水都は痛みに反撃せず、愛をもって氷塊を溶かす。水都は本当にすごい。心から尊敬する。】
……そう、ここ。
”中学の時責められた確執を乗り越えられたんだろう。”
……なんで、中学の時に、市川先輩に強く言われたことを、知ってるの?
偶然?
ううん、違う。
交流練習の時、カーテンの向こうで葛城くんと話してる時も、確か言ってた。
「中学のコンクールの結果を先輩に責められた人」もいる、って。
そんなことされる人、普通いない。
しかもこんなこと、陽くんに話してない。
……なんで知ってるの?
え、どういうこと?
ページを次々とめくる。
【4月14日 ブレストレーニングの効果がもう出ている。最大吸気からの安定したフレージング。上手いことは知っていたけど、すごいセンス。信じられない。】
上手いことは、知っていた……。
反対のページを見る。
…………っ!!
【4月8日 また会えて、本当に嬉しい。夢のようだ。】
間違い、ない。
会ってる。
軽くすれ違い?
ううん、「夢のようだ」って……。
……陽くんは、変な人じゃない。真面目すぎるくらい、真面目な人。
え、え、どういうこと?
……陽くんのリュックを見て、考えを巡らす。
確か、もう一冊、ノートが、あったはず。
「陽さんが、いつも大事に持っていたものが入っています……」
陽くん、ごめんなさい。
読ませていただいて、いいかな……。
もう一冊、古めのノートをリュックから取り出す。
特に表紙には、何も書いていない。
「失礼、します……。」
表紙をめくる。
指先に触れた表紙は、湿気を帯びて少し毛羽立ち、長い年月を感じさせるざらりとした手触りだった。
ページを開くと、古本特有の乾いた匂いと、鉛筆の黒鉛の匂いがふわりと舞い上がる。
それは、陽くんの部屋で嗅いだ、あの少し寂しい匂いと同じ。
『2018年
小学校4年
★ワールドカップ関連企業株☑︎
★国内製薬企業株(オンコロジー中心)☑︎
★普門館で全国大会鑑賞☑︎
・・・』
そう、こんなこと書いてあった。
陽くんの家で、少し見せてもらった。
やることリストみたいな感じ。
次のページは、小学校5年。
ん、小4よりもかなり多い。
でも全部、チェックマークが付いてる。
なんだか、すごい。
何がすごいのか、よくわからないけど。
そして……次、2020年。
『2020年
小学校6年
・新型コロナ流行
→ゲーム市場株
→オンデマンドサービス市場株
→太陽光産業
・・・』
メモが、すごい。どんどん増えてる。
ん? 赤色?
『2020年4月12日14時31分、東岡崎駅前交差点で轢き逃げ事故、水都、右大腿骨損傷』
………………何…………これ?
私の、名前?
右側に、「阻止!!」って、赤ペンでグルグルに丸が書かれてる。
その文字だけ、芯が折れそうなほど強く、紙が裏までへこむほど深く刻まれている。
赤ペンのインクは一部が滲んでいて、まるで血の痕のよう。
何、これ。
変な、冗談?
……え、待って。
・・・——————
『……事故かぁ。最近多いなぁ。東岡崎駅前のひき逃げって、水都の時のあれも、ちょうど今くらいの時期だったよなあ。』
『ちょっと! あれって! お父さんがしっかり見てなかったから、あとちょっとで大変なことになってたじゃない!』
『あう、本当にすまん……。』
——————・・・
……あれ、だ。
たぶん、間違い、無い。
あの日、だった。
時間も、あのくらい。
黒メガネの、男の子。
私を庇って、車から助けてくれた。
右肘の傷。
傷痕。
陽くん。あった。
“阻止”ってことは……知ってて、庇った……!?
……え?
え?
そんなこと、できるものなの?
ページをめくる。
2024年、今年。
『2024年
高校1年生
・2024年4月8日 矢作北高校入学式』
……うん。
『・2024年4月29日 プレコン@竜海高校 6位』
……え?
違うよ?
『・2024年7月 吹奏楽コンクール 西三河北地区大会 銀賞』
え、地区で銀?
違うよ。金・代表でしょ?
え、何書いてるの?
『・2024年9月 吹奏楽祭
・2024年9月 北高祭で演奏
・2024年12月 水都、後遺症が原因でつまずいて転倒、骨折』
「……はっ?」
骨……折?
後遺症?
そんなものは……。
『・2024年12月20?日(確か下旬) 水都の家でガス漏れ爆発、火事。水都、逃げ遅れて肺を損傷
・2025年2月21日 水都 入院中に死亡』
————————————っ!!!!!!!!!
バサリ、と音を立ててノートが落ちる。
私が、死ぬ?
……。
ううん、それよりも、“ガス爆発“?
…………。
…………。
…………………………………………………………………………………………………………………。
っっっ!!!!!!
「これは……未来!?」
ボールペンでもない、鉛筆で書いた、この筆跡。
すごく、古い。
今年に書かれたものじゃない。
それなのに、今年のことが書いてある。
「……陽くんは、未来に起こることを、知っていた……?」
プレコン6位……。
ううん、3位。
変わってる。
…………変える?
『2020年4月12日14時31分、東岡崎駅前交差点で轢き逃げ事故、水都、右大腿骨損傷』
『阻止!!』
——————っ!!!
寒気が、走る。
嘘……。
だって、じゃあ……あの傷は……?
陽くんが…………変えた………!!?
あの男の子……。
『・2024年7月 吹奏楽コンクール 西三河北地区大会 銀賞』
これも、変わってる。
みんな、上手くなって。
上手く……
陽くんの、指導で……
指導……
「ド、ドイツ……。勉強に……。」
……はぁ。 はぁ。 はぁ。
呼吸が、苦しい。
手が、震える。
そうだ、そのために、陽くんはドイツに行ったんだ。
おそらく、そう、違いない。
『・2024年12月20?日(確か下旬) 水都の家でガス漏れ爆発、火事。水都、逃げ遅れて肺を損傷
・2025年2月21日 水都 入院中に死亡』
……あまりの大きな震えでノートが激しく動き、バサバサと音が立つ。
そんな…………。
そんな…………。
そんな…………。
嘘……嘘だよ……。
だって、陽くん……笑ってたじゃん……。
なんで……なんで私なの……?
嫌……
そんなの嫌……
ガス……爆発……
から、守るために……!!
『……で、誰よりも熱心に参加し、鬼気迫る様子で完璧に心肺蘇生術を学ばれていかれたそうです……』
『……4つのベッドがある部屋は、陽当たりの良い、庭に面した特等席に見える。
まるで———私たち家族のための、部屋として。
でも、そこには陽くんだけが、いない……』
『……せっかくなので、この12月20日からの2泊3日旅行チケット、河合家の皆様で使っていただけませんか? 多少強引ですみませんが……』
そんな……
それも、これも、それも……みんな……!!
『……結論から申し上げますと、一緒に搬送された男性、石上陽さん。彼が単身で突入したことによるものです……』
嘘……
嘘っ……!!
・・・——————
“おはよ、水都!”
“ははは!”
——————・・・
《ビビビビッ!! ビビビビッ!! ビビビビッ!!》
何!?
バッ、と顔を上げる!
ICUの……中から!?
立ち上がって、扉の窓を覗く。
陽くんの心拍が…………
———ゼロ!!!?
「嘘……陽くん? ねえ、陽くん……? ゼロが、並んでる……嫌……」
嫌……
《ビビビビッ!! ビビビビッ!!》
「嫌ぁああぁああ!! 嫌ぁああああ!!」
窓を叩いて!! 叩いて!!
「嫌ぁあああ!! 誰か!! 誰か助けてぇええっ!! 誰か!! 私はどうなってもいいから!! 陽くんを!! 助けてぇええっっ!!!」
私がもう一度ガラスを叩いた、その時だった。
《——————カァァァァァァンッ………》
世界の色が、一瞬でセピア色に反転した。
違う。黄金色?
叩いたガラス面から、ポチャン、と水面のような波紋が広がる。
ガラスに映っていた私の泣き顔が、ぐにゃりと歪み———
———ニコリと、笑った。
「え……?」
次の瞬間、その「影」はガラスの中から滑り出るようにして、私の目の前に舞い降りた。
ふわりと漂う、懐かしさを感じる香りと光。
天女のような羽衣を纏う、きれいな女性。
手には、リュックにあった陽くんのタクトを持っている。
え、な、何? 誰……?
女性は私を見て、愛おしそうにニコリと笑う。
違う人を見てるのかと思い、後ろを振り返る。
……誰も、いない。
ううん、違う。時間が……止まってる……?
「世界が、止まってるの……?」
中のモニターの音も、表示も、止まっている。
これは……どうして……。
女性は私の目の前で、クルリと軽やかに舞う。
すると———
タクトを指された空間が、光を帯び始め……
映像が、映し出された。
「これは……病室?」
そして……私と、陽、くん?
《………………〜〜》
音楽が……。
これは———『エルザ』?
明日も更新します。




