表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

比較的最近更新した短編のまとめ場所

隣の席の美少女が、異世界を救った勇者だった件

作者: 仲仁へび



 諸君、信じられるか?

 俺は信じられない。


 何と、俺の隣の席に座っている美少女が、魔王を倒して異世界を救った勇者だったんだ?

 この衝撃が分かるか?

 きっと、分かるまい。


 とにかく、すごいんだ。

 彼女は暴漢にからまれても、さくっといなしてしまうし。

 体育でグラウンドを走っても、ばびゅんと一気にゴールについちゃうし。

 とにかく、とんでもないんだ。





 でも、そんな彼女の秘密を知っているのはどうやら俺だけみたいだな。

 ふとした瞬間、俺は彼女が聖剣を呼び出すところを目撃してしまった。


「はっ、なんかとんでもないもん、見てしまった!」

「はっ、とんでもないところを見られてしまったようね!ならば…っ!消去!」

「何をですか!?」


 それで、俺の記憶を消去しようとする美少女爆誕!


 逃げ回る俺と勇者な美少女は、対立してしまったんだけど…。


 悲しいかな。


 一般男子生徒な俺が、勇者に敵うわけがない。


 当然あっさり地面に転がされた俺は、彼女の秘密を忘れるために魔法をかけられる!


「ぎゃああああ、たすけてー!」

「こら、おとなしくしてなさい!」


 こう、神秘的な光がばばばっと踊って、究極魔法とやらを食らったのだが…俺は、なぜか記憶が消えなかった。


 一体どうなってるんだろうな?


「「あれ?」」


 その後、首を傾げつつ、不満そうな勇者な美少女を言い負かして、俺を襲ってこないように懇願。


 何とか俺は、隣の席に座っている勇者な美少女との、奇妙なスクールライフを送るわけだ。


 すると、彼女。


 勇者と呼ばれるくらい強いのに、どういう事かかなりポンコツなんだ。


 今までよくばれなかったなと思うくらい、やらかすやらかす。


 俺は彼女が勇者だとばれないように、必死こいてフォローしなければならない羽目になった。


「ちょまっ、迷子になったからっていって、気軽に空を飛ぼうとしない!」


「それだめむりやめて!そんな強い力で引っ張ったらぬいぐるみ割けちゃう!後輩ちゃんに譲ってあげなさい!」


「ぎゃあああああ!目がああああ!驚いたからって無暗に光魔法で俺を目つぶししないで。黒板消しのトラップしかけたのは謝るから!」


 でも、なんだかんだでそんなドタバタな毎日も楽しいから、悪くないと思っていた。


 きっと卒業までこんな毎日が続くんだろうなと思っていたら、問題が発生。


 普通のちょっとドタバタラブコメスクールライフには、させてくれないみたいだ。


 俺がどうして勇者の魔法が聞かなかったのか。


 ここで判明するぞ!


 なんと俺には、魔王の残滓的なものが取り付いていたらしい!


 勇者に倒されそうになった魔王が、俺達の世界に飛ばしたんだって。


 で、勇者は、それをおいかけて俺達の世界にきたそうだ。


 勇者な彼女は当然俺を討伐する気らしい!


 死にたくないから、俺は逃げる逃げる!


 ひいい。


 聖剣が後ろでなんかをぶっ壊してるよお!


「こらっ、大人しく死なさい!」

「むりむりむり!」


 でも、彼女が本気を出していれば、俺なんて一秒で消し炭になっていただろうから、これでも迷っていてくれるんだよね。


 俺は、ちょっぴり罪悪感!


 そうこうしている内に、俺の中の内なる魔王の残滓がなんか危機的状況を察して目覚めちゃったらしい。


 俺の体が勝手に動いて、黒いオーラを射出してしまう!


 勇者は悲しみながらも、俺を攻撃しようとするけど、そこで後輩ちゃんがやってきて、俺を助けてくれるぞ!


「魔王の残滓は人にとりついていたのですね!」


 異世界で高位の聖女だったとかいう後輩ちゃんが、俺の中の邪悪な魔王的なものを消し去ってくれたよ!


 さすが!


 勇者な美少女とぬいぐるみ引っ張り合いっこして互角だったわけだね!


 身体強化魔法で、体を強化してまでぬいぐるみが欲しかったとか言ってる後輩ちゃんを拝み倒そう!


 勇者とは別の意味でちょっとずれてるこの子!


 でも、俺がフォローするまで勇者の勇者な部分が明るみにでなかった理由がここで判明!


 後輩ちゃんが人知れず苦労しながら、フォローしていたみたい。


 大変だったでごわすなぁ。


 でも、俺がフォローするようになったから、楽してたみたい。


 ちょっと君ぃ。


 でも、そんなあれこれが内緒だったのは異世界にある派閥争いとかなんやらが関係して、表立って勇者を助ける事に抵抗感があったとか。


 人類救った勇者を助ける事を躊躇させるほどの派閥争いって、なにそれこわ……。


 ともかく、後輩ちゃんのおかげで俺の体は消し炭にならずにすんだよ!


 俺のスクールライフは、まだまだ続きそうだね!






「じゃあ、一件落着という事で、消去するわ!」


 あっ、記憶消さないで勇者!


 今、話が綺麗にまとまりかけたじゃん。


 ちょっと待ってよねぇ。


 忘れたくなーいー!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ