は?
「うおっ!?」「きゃっ!?」
俺こと松村健司は、いきなり投げ飛ばされて思わず声を出してしまった。
隣で叫んでいたのは幼馴染の松本絵里である。
「貴様らはここで待っていろ。」
そんなことだけを告げ、運んできたやつらの1人がそう言って、どこかへ行ってしまった。
「なぁ絵里。どうなってんだ?これ。」
「知らないわよ。こっちが聞きたいくらいだわ。」
「静かにしろ。もうすぐあの方がお見えになる。」
小さめの、まるで子供のような黒いスーツを着た男(?)がそう言った。
「あの方?」
そういった瞬間、奥の扉が開いて何ともまぁ、金ぴかな目立つ服を着た、年老いた男が入ってきた。
よくよく見ると、服のど真ん中にあるのは、男たちと同じ家紋だった。
「ずいぶん金ぴかな家紋だな。」
「おい!言葉を慎め!この方は、クリスト国皇帝、『ファー・鶴亀』さまであられるぞ!」
そう大きな声で、さっきどっかへ行ってしまった男が怒鳴りつけてきた。
「まぁまぁ、子供相手にそんなカッカせんでも。」
「皇帝がおっしゃるのならば。」
そういった後、皇帝と呼ばれる男が一声かけると、その他の男たちは部屋を退出していった。
「で、早速本題なんだが、君たちが別の世界から来た子たちで間違いないのかな?」