勇者の弱点
どこでもモチベなら道具が欲しいです
「私達に任せたまえ。南西側はあらかた片付けた。自分達の国くらい自分で守る」
「あんたは.....」
皇帝が戦時下だというのにも関わらず皇宮地下神殿に籠っている。
普段ならば陛下が指揮を取るのだが、今はいない。その理由はわからないがあの方は自分無しでも大丈夫だと判断したのだろう。湾岸警備兵から連絡を受け、私は早急に部下を武装させそこへ向かった。敵は猿人族。圧倒的なパワーを持つ者や力こそないが内部工作が得意な者など多種多様な人々だ。
だが、「我々の使命はなんだ!」
「「皇帝陛下に命を捧げ、その身を賭してこの国を守ることです!」」
我々は陛下に選ばれし騎士だ。末端のものだろうと強者しかいない。
「陛下の国を守るのだ!進めー!」
「「おおぉ!」」
近衛騎士団は総勢100人だが敵は少なく見積もっても10倍以上いる。だが彼らは選ばれし騎士。量より質、というやつだ。
結果彼らは3時間で敵を制圧した。
「団長殿。勇者様が3名で南東側を抑えているのですが、敵が誰1人として倒れていません。」
「わかった。加勢しよう」
『死ぬまで操る、死んでも操る。《操る者》』
女の声が戦場に響き渡りレピットはその足を早める。
『私達に任せたまえ。南西側はあらかた片付けた。自分達の国くらい自分で守る」
「あんたは近衛の団長さんか?おそらくあいつらに戦闘の意思はない。さっきの声聞いたか?多分あいつに操られてる。俺たちはそいつを探し出す。だからその間....』
「猿人を抑えればいいのだな?」
「あぁ。頼む。出来れば殺さないで欲しい」
「頼まれなくてもやるさ。行くぞ!」
「俺たちも急いで探そう」
『でも、どうする?』
敵は後方に隠れていると推測し戦場を駆け抜ける。しかし、いくら探しても術者らしき人影は見当たらない。
「ん?今の見たか?」
『何かあったのか?』
ノックスは殺された敵が倒れる瞬間何かが飛んできて死体を立ち直すのを確認した。
「よく観察するんだ。紫色の何かの出所を追え」
少しずつ着実に逆探知を続ける。その先には木が生えていた。
「あれ、だよな?」
『んー多分.....慎重にいこう』
「いや吹っ飛ばす。はぁぁ!《亀裂の戦鎚》!」
「痛いなぁ。私の服を汚さないでくれる?」
「な......」
彼女は初使用の技とはいえ槌と武器、2つの勇者の権能による最大出力の攻撃を防いで退けたのだ。
「服汚した代償はでかいわよ!《屍体結合》-[屍体巨人]!あいつ殺しといて。じゃあね。私は服洗いに帰るから」
「おい!まて!逃げるな!」
「逃げる?私よりも弱いあなたたちから?おかしなことを言うのね。まあいいわ、この子に勝てたら相手してあげる。楽に死ねると思うなよ?」
そう言い残し女は消えていった。
「逃げられたか」
『取り敢えずあれ、どうにかしないとな』
「どうした?なんで震えてる」
『お、俺、ああいうの苦手なんだよ』
「まあ、確かに気持ち悪いが仕方ない」
地面から無数の穴を開けて出てきた死体たちがぶつかり合い千切れたり破裂した体つなげ巨大な人形の化け物が完成した。内臓やらなんやらが剥き出しでくっついているためとても見ていられる物ではない。
「なぁ、お前をこのまま使ってていいのか?」
『え?』
「いや、だって殴ったら絶対グチャグチャになるぞ?」
『ああぁ!』
悲痛な叫びが響き彼は武器化をやめてしまった。
「おい。どうするんだよ」
「しょうがねぇだろぉ」




