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普通すぎる俺の異世界転生  作者: 夜ノ彗
覚醒と戦いと勝敗と
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未完成な人間

危なかった。ミニマップに敵が表示されたおかげで《幻影》が間に合った。音も気配もなかったからミニマップがなかったら死んでたかもな。

城内に男の声が響き、上から沢山の足音が聞こえてくる。

《形質変化》を発動し魔王の檻の内側に入る。魔王だから大丈夫だと思うが念のためバリアを貼る。分子操作を持っているので燃料気化爆弾を作成し城内を爆発、城は消滅した。フルーラがいる図書館だけはエネルギーを相殺する壁を作っておいたのでそこだけは助かっていた。

「洞窟で仲間と合流する手筈ですので行きますよ」

「あ、ああ」

洞窟まで戻ったがまだ彼女は戻っていないようだ。

「助けていただき本当にありがとうございました。お名前をお聞きしてもよろしいですか?」

「俺は田中実です。あなたは?」

「......」

返事がない。何かに驚きを隠せない、と言った表情だ。

「ぼ、僕は神代聖也です。もしかして日本人ですか?」

「あなたもなんですね!まさか俺たちの他にも転生者がいたとは驚きました」

「ん?俺達ってことはもう1人いるんですか?」

「あいつは悪魔界に連れて行かれました」

手がかりを探しにここまで来たとも伝えた。

その後2人はこれまでの経緯を話し合った。

神代聖也はデイルという名で生まれ、魔王候補まで上がり他の候補者をおしのけ魔王となった。魔王になって1週間くらいした時に前世の記憶が戻ったそうだ。心優しい人間で魔王という身分から抜け出したいと思っていた。

その数日後には魔神が現れ捕らえられてしまった。

「ここにいたのか」

「お前は!さっきので消えたはずじゃ」

「お前、殺すことを躊躇したな?」

「し、してない!」

「では、なぜ皆に壁を張った?弱い奴らは瀕死だが俺たち幹部級はピンピンしてるぞ」

城が消滅する程の一撃で死者0。実は無意識に全員を守っていたのだ。

「まあいい。お前にはここで死んでもらう」

「神代さん!フルーラがまだ城にいるはずです。早く脱出するように伝えてきてくれませんか?」

神代は膨大な魔力を持っているもののスキルや魔法が使えない呪いにかかっており、それは難しいと伝えた。

「あの裏切り者なら死んだぞ。おい、出せ」

部下が後ろから何かを投げた。デュアルの亡骸だ。戦っている間にフルーラから入れ替わったのだろうか。そんなことはどうでいい。

「おいテメェ、殺すぞ?」

一瞬だが男が怯んだ。直後に顔を殴られ血を飛び散らせた。傷をつけられたことに怒り男は魔法を放つ。

〜推奨:自動戦闘形態 発動しますか?〜

「お前は引っ込んでろ!俺1人でやる」

神代を守ることをも忘れスキルや魔法を使い攻撃を続ける。地面は抉れ、空気が澱む。

「くそっ!一時撤退するぞ!」

「待て、どこに行くつもりだ?」

〜【未完成】の〈敬神〉が覚醒〜

逃げ出そうとした全員が動きを止めた。その硬直の間に連撃を喰らわせる。

「あいつは!よくわからない奴だし!まだ出会って間も無いけどさぁ!影からみんなを助けてくれてた俺の大切な仲間なんだよぉ!」

「は、はは実、君。僕程度に、情がうつる、なんて、まだまだだね」

「デュアル?」

「お前は確かに俺が殺したはずじゃ」

スキル《多重人格》はひとつの器にいくつもの人格、つまり魂が宿る。たとえ使用者が死んだとしても、実際に死ぬのは表面に出ている人格で他の人格には影響がない。体の損傷なども修復される。魔族の女性であるフルーラが人族の男性であるデュアルに姿を変えている事からも人格と身体は別だということがわかる。

「長くは、持たないよ〜。最後にひとつだけ

、君の周りにも何人か魔神の、手先が......」

「おい!デュアル!起きろよ!最後なんて言うなよ!なぁ、起きてくれよ」

実の体が光に包まれ、デュアルに流れ込む。

彼の傷が塞がってゆき、血の気がなかった顔も徐々に戻っていった。

〜【未完成】の〈慈愛〉が覚醒〜

「あれ〜?死んだはずじゃなかったっけ〜?」

「デュアル?よかった」

死んだはずのデュアルが傷が完全に修復され生き返った。敵はデュアルに光が集まるのを待ってくれはしなかったが、実によって攻撃を阻まれていた。

「お前ら、今回はデュアルが生き返ったから見逃してやる。さっさとどっか行けよ」

「我らが逃げるとでも?お前らやるぞ」

「最後の忠告だ。失せろ」

〈敬神〉の権能、それは言葉の絶対性を高めるものだ。使用者よりも力の弱いものは言葉の通りになってしまう。死ねと言われれば勝手に死んでしまう。魔王軍の多くは怯み逃げ出した。しかし、一部の強者たちは立ち向かってきた。

「もう手遅れだ。お前らの体は少しずつ削られていく」

「ぎゃあああ!」

足から少しずつ削られていく魔王軍。痛みに耐えきれず気絶していくものも出始めた。

「頼む、殺さないでくれ」

「忠告したよな。止めねぇよ」

「魔王様、彼を止めてください。彼はまた心に傷を負ってしまう。もう、自分を呪うのをやめて下さい」

「わかったよ。これからは自分を殺さない」

魔王が使うとは思えないほど美しい虹色の光が実を包む。実含め魔王軍も次々と倒れていき、彼らに向けられた攻撃も止んだ。

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